オシム監督「巻は大事な役割を果たしている」


「インド戦よりも出来がよくなかったと思っている。悪くなっているということだ。もちろん相手が違う。サウジアラビアはインドよりも強いし、ピッチの状況も全く違う。インドではミスが出ても、ピッチコンディションのせいにすることができた。今後、もっとよいチームを作るためには、今日の試合で何がよくなかったか、話し合う必要ある。」
 勝ったからこそ、厳しいコメントを発しているように見えますね。
 もちろん、満足いかなった部分や時間帯で押されている場面もあったけど、オシム監督が就任してから7試合目ということを考えれば、やはり素晴らしい内容だったと思います。


 それはさておき、気になったのはこのコメントです。
 とはいえ、オシム監督のではなく、記者の方ですが。 


――今後も巻には先発のチャンスを与えるか?
 「巻が駄目だというのか?」
――駄目というわけではないが、ほかにももっといいFWがいると思うが
 「具体的な名前を出してくれ」
――播戸
 「ナシとリンゴを比べて、どちらがいい果物かということか?ほかには?」
――高松
 「巻と高松の髪の色を比べてはどうか(笑)?」
――髪の色はどちらが好きか?
 「色の問題ではない。」
 誰だよ、こいつ。
 人を公式の記者会見で批判してるわけです。
 ならば、今からでも遅くない。自身の名前と所属名を名乗って欲しいですね。


 オシム監督に「巻の代わりは誰だ」と聞かれて、巻とは全くタイプの違う播戸と巻と交代で入った高松しか名前が出てこないことでもわかるように、明らかにこの記者は無知でサッカーについて勉強すらしていないわけです。
 このような人間が、なぜこの公式の会見場でオシム監督に質問できているのか、まったくよくわかりません。



 巻の昨日のプレーはむしろ良かったでしょう。
 後方からのロングパスにはほとんど競り勝っていたし、ポストプレーもほぼミスはなかった。守備は相変わらず頑張っていたし、強烈ないいシュートもありました。
 前半の初めにあった中盤にひいてきた時の大きなサイドチェンジは、非常に有効的なプレーで、劣勢だったチームの流れを変えたロングパスだったと思っています。
 あのサイドチェンジの凄さが、この人にはわかっていないんでしょう。
 正直、あれだけの出来の巻を批判されては、もうどうしようもありません。



 明らかに、代表をとりまく環境が、狂っているということです。
 なぜ、PKを外したトゥーリオや(確かに面白かったけど、面白かったら不問なのか)、PKを与えてしまった今野(あのシーン以外はパーフェクトだった)、パスミスが多かった鈴木(守備面は文句なし)などには何もなく、巻ばかりを批判するんでしょう。


 このようなひずみは、今はさほど気にならない程度であったとしても、いつか日本サッカー界に大きな悪影響を与える可能性があるものだと思います。




「攻撃は最大の防御である。逆に、最大の防御は攻撃の中にある。巻はその点で実践している。つまり、攻撃の先頭の選手でありながらディフェンスもする。攻撃の能力という点で問題がないわけではない。しかし巻が果たす役割は、汚れ役だ。大事な役割を果たしていることを忘れてならない。相手のゴールとハーフウエーラインの間を走り回り、時にはスライディングタックルまでする。そういうFWがほかにいるだろうか?エネルギーを使っているし、非常に消耗するわけだ。消耗する中で、ボールをもらったときに、もっと集中力があれば、もっといいパフォーマンスができるだろう。」
 毎回試合後にオシム監督が、巻のどこが良いのか、なぜ使うのかを説明せざるを得なければいけないのが残念です。


 マスコミがジェフを批判することに対して、「無視をすればいいじゃん」という意見もあります。
 確かに、そっちの方が賢いかもしれません。
 しかし、私はそう簡単に賢くはなれない(笑)
 スポーツ紙にでかでかと「千葉ジャパンは駄目」とか、「巻はいらない」と書かれては、小さい子供やサッカーを知らない人も、これを見ることになります。
 要するに、ジェフファン候補の人達にも、影響を与えかねないということです。
 ファンの候補だけじゃありません。未来のジェフ選手や、スタッフ、スポンサーにも、嫌なイメージを植えつけられる可能性があるわけです。


 大げさなのかもしれないし、少しくらいの批判は仕方がないかもしれませんが、妥当ではない批判をされて、このような悪影響を及ぼしかねいない状況なのだから、やっぱり私は許せないわけです。


 そして、このような頑張る選手が評価されないとなれば、今後育っていく選手達も頑張らなくなる可能性だって当然出てくるでしょう。