アジア杯予選 日本代表 3-1 サウジアラビア代表

　とても面白い試合でしたね。
　我那覇が入ったことで前線でよりタメができ、中村がパスを散らすことで（中村は消えていた時間もあったけど）、中盤の選手が積極的に飛び出すサッカーが出来ていました。
　前日、スポーツ紙は「巻と我那覇のポスト系2トップは異例」というように書いていましたが、敢えて誤解を恐れずに言えば、狙いとするところはジェフの巻とハースの2トップに近い感じですよね。
　ですから、それほど驚くような起用法ではないと思います。

　前半からチェンジサイドが何度も決まり、数的優位を作って積極的にサイドを付くことができました。
　そして、そのサイドバック（加地と駒野）のオーバラップが、とても思い切りが良く、何度もサイドでチャンスを作っていました。特に駒野と三都主のサイドは、二人の息もようやくあってきて、迫力のある攻撃になっていました。

　オシム監督のサッカーは、サイドを上手く攻めているときはいいサッカーが出来ている場合が多く、この試合の前半もまさにそんな感じでした。
　基本的に目差しているサッカーは、個人で2人、3人を抜く選手を重視するサッカーではなく、スピードとコンビネーションで勝負するサッカーですから、サイド攻撃をどれだけ出来ているかが、評価基準となる場合が多くなるんだと思います。

　また、単に2列目、3列目がまっすぐ前に上がるだけでなく、多くの選手が攻撃時に様々なポジションに顔を出していたのも、ポイントではないでしょうか。
　この辺りを見ても、オシム監督のサッカーをやろうということを考えすぎてがんじがらめになっていた選手達が、やっとオシム監督のサッカーを自分のものにし始めてきたのではないかと思います。

　後半は運動量が落ちて、押し込まれる時間帯が増えてしまったのが残念ですが、選手達のハードスケジュールを踏まえれば、仕方がないのではないでしょうか。
　もう少し早く羽生を見たかったというのが個人的な意見ですが、誰を交代するのか悩むシーンでしたからね。

　来年は、このようなサッカーを強いチームが相手の時や、プレッシャーのかかる場面でもしっかりやれるのかを、見せて欲しいですね。

　個人的に残念なのは、巻のゴールが見れなかったこと。
　決して私は「FWはゴールが全て」だとは思っていないので、昨日のプレーもすごく良かったと思っているのですが、マスコミがうるさいですからね。
　相手チームとの勝負でなく、マスコミと勝負しなければいけないところが、今の巻の辛いところです。

　ちなみに、なんとなくトゥーリオはPKは外す気がしました（笑）