「オシムが「ファンタジスタはいらないとはもう言わない」と言ってきた」


日本サッカー協会川淵三郎キャプテンが28日、俊輔について触れ、「オシムが“ファンタジスタはいらないとは、もう言わない”と言ってきた」と明かした。

 まぁ、当然だけど、オシム監督が周りに言われたからとか、最近ある選手が活躍したからというだけで(選手が成長した結果、活躍しているというのなら別だけど)、その選手の評価を変えるわけはないでしょうから、急に俊輔を呼びたくなったとかではないと思います。
 もし、ファンタジスタが本当に必要ならば、「そういう選手も必要だ」とはっきり言うでしょう。
 しかし、そう言っていないということは「ファンタジスタがいらないということで、周りが煩いから」もう言わない、ってことだと思います。





 正直、これだけファンタジスタ待望論が様々なところで(ネットなどでも)、出ているのには驚きです。
 「あんたらオシム監督のことを十分に知った上で、評価してたんじゃないのかよ!」、「オシム監督のことを知っていたなら、ファンタジスタ系の選手は外されるのは目に見えていたじゃないか!」と声を大にしていいたいですね。


 ジェフのガビ、武藤、滝沢などは、なかなかフィットしませんでした。今のクルプニだってそうです。コンディションは良く、プレー自体は悪くないのですが、チームにフィットしないのです。
 望月だって、怪我だからジェフでは駄目だったということになっていますけど、そんなことはありません。私が見たサテライトの試合では、90分走りきっていました。それでも、トップチームには呼ばれませんでした。



 それも当然です。
 攻守においての全員サッカー、マンマーク主体のサッカーをするのだから、10人全員が最低限の守備能力がなければいけません。
 また、攻撃面でもいかに短時間に得点を決めるか、いかに速く攻めるのかが最大の目標ですので、下手にボールを持てる選手は逆に邪魔になります。
 ジェフにいた3年半で、オシム監督が何度、ハーフタイムで「シンプルに攻めろ」といったことか…。


 それらを評価して、オシム監督の代表就任を「経緯は悪かったものの、人選としては素晴らしい」と、評価していたんじゃなかったんですかね。
 それなのにも関わらず、いざ始まってみれば、俊輔だ、小野だ、小笠原だと言い出す人は、本当にオシム監督の良さをわかっていたんでしょうか。







 もし、川淵がW杯敗退の責任逃れのためにオシム監督を選んだのだとしたら、それはオシム監督がサッカーファンやマスコミから高い評価を受けていたから。
 評価が低い監督を選んでも、責任逃れはできませんからね。


 しかし、実際にオシム監督が代表に就任してからのマスコミの報じ方や、ネットでの戦評などを見てみると、きちんとオシム監督のことを理解している人は、予想以上にひどく少なくないように思います。
 そう考えると、もしかしたらジェフ関係者とオシム監督は、サッカーファンの“適当な評価”によって、振り回されたということになるのかもしれません。












 ところで、某所で「そのファンタジスタのプレーを実際に見てみるとイイよ、本当に守備をしないかどうか、走らないかどうかを見てから言って欲しい。」といわれてしまいました。
 これは大きな誤りです。私は「あのファンタジスタは守備をしない」とかどうかとかではなく、「守備をしないファンタジスタはオシム監督は使わないだろう」と言っているのです。


 それと、『守備をする』のと、『守備能力が高い』のも大きく違います。
 ジェフのクルプニなどはちゃんとに守備には入るけど、プレスをかけることや、マンツーマンでの守備に関しては正直、上手いとはいえません。
 でも、傍目には守備に帰っているから、「守備をしている」と、見えるかもしれません。
 しかし、それだけでは守備の実効果は残念ながら薄い。俊輔なんかもそうです。
 それは、サボっているとかではなく、そういう選手だということです。だから、攻めるつもりはありません。
 でも、そこはプロのスポーツ。下手な選手は下手だと評価しなければいけないときもあるし、代表ならば、呼ばれない要因にもなりえるでしょう。


 そのあたりをごちゃまぜにして、プレーを見ろといわれても困ってしまいます(笑)
 1人1人を見ろというのならなおさらです。呼ばれないなら呼ばれないなりの理由がある。
 それを1人1人言って言ったら、キリがないでしょう。