エクレストン F1開催地をローテーション?

 バーニー・エクレストンは数年前(5年前くらいか)、「サッカーは毎週どこかで試合をやっているので、いつか飽きられるだろう」と評価していたことがあります。しかし今はそれとは逆の事を始めていて、出来るだけチームを説得し、F1を開催することで利益を得ろうとしているわけです。
 矛盾しているようにも聞こえますが、たぶんどちらも本音なのでしょう。サッカーとは違いクラブ単位の運営ではなく、F1そのものを運営していかなければいけないエクレストンとしては、飽きないような盛り上げ方をしていかないければいけないし、利益も出さなければいけません。何せF1は世界をまわるスポーツですから、サッカーのようにサポーターがほぼ無条件でずっと付いてきてくれるわけではありません。ですから飽きられてはおしまいということです。それに有料テレビも重要な収入源ですから、視聴者に対しても面白いものを提供していかなければいけません。
 しかし飽きないようにするだけでは利益は増えません。GPMAの活動で2008年からチームへの分配金が増えることになり、その分FIAの支出も増えることになります。 
 そこで考えられるのが、レース数を増やすことです。観客動員数はもちろんのこと、サーキットからの手付金や放映権の上乗せなども考えられます。スポンサーとしてもその分宣伝が出来るわけですから、おいしいということですね。


 しかし、そこで気になるのがエクレストンの冒頭の言葉。レース数が増えてファンが飽きてしまうのではないか、というところです。
 具体的にな心配は消化レースですね。純粋なレース好きは消化レースでも盛り上がるでしょうが、一般視聴者にはどうかなと思いますし、観客動員伸び悩みも考えられます。それに従ったスポンサーからの不満も出てくる可能性もあります。


 そのためにもレギュレーションでの調整や各チームの運営費を下げることでチーム間の差を減らし、僅差での勝負をやらせようとしているわけですが、果たしてそれがうまくいくかどうか…。これは難しい問題ですね。特にテクニカルレギュレーションでのマシンの束縛はあまりいいことだとは思いません。
 個人的な意見では、飽きさせないタメの工夫の1つとして、サーキットの多様性が必要になってくるのではないかと思っています。
 ティルケ設計のサーキットばかりがなぜかFIAにもてはやされてしまいますが、それではファンが飽きて離れてしまう可能性があることを、もう少し真剣に考えたほうがいいのではないでしょうか。