練習試合 ジェフ千葉対U-20日本代表

見てきました。雨が降っていたにも関わらずいつもの練習以上に観客が多く、ユースとはいえ「代表」という名前がつくと人気出るんだねと再確認。しかし代表目当ての観客は応援の仕方がわからず苦労したり、邪魔したりしていましたが。またカメラも計10台ほど来ていたし、元有名サッカー選手などもちらほら。一方でいつも見るジェフサポーターも見つけ、なんとなく安心しました。以下レポートです。長くなってしまったので暇な人だけ読んでください(笑い)

1試合目 ジェフ千葉 2-2 U-20日本代表
1本目 2-1

1試合目はジェフ、代表ともにサブ組。次の試合は出場停止となるストヤノフリベロで出場。GKは岡本、ストッパーは藤田と竹田。右にダニロ(練習生)、左に楽山。ボランチは松ヶ枝(練習生)と中原でトップ下に秘密兵器ポペスク。2トップは高橋と堀川。試合は序盤からジェフがボールをキープ。U-20代表は183cmの三木をターゲットにロングボールを放り込むが、ストヤノフが跳ね返しチャンスが出来ない。しかし代表はジェフの右サイド、ダニロがボールを持ちすぎる傾向にあるとみて、左サイドからチャンスを作る。ジェフはダニロ、ポペスクのボールタッチ数が多すぎるため、ジェフお得意の速い攻撃を自ら止める形となり、支配率こそ高いもののゴールまでが遠い。しかしこの2人以外はジェフのサッカーを理解しており、サブ組とはいえ「ジェフの激しく動くサッカー」を垣間見せた。特に中原、藤田、高橋らが積極的に動きチャンスを演出していた。結局、ボールを持ち続けたジェフが2得点。それもボランチの中原とストッパーの藤田が得点を記録した。得点を決めたのはともに新人の藤田、中原。藤田は守備時の粘りや安定感、中原は展開力などにまだまだ課題があるが、2人とも今後が楽しみな選手。


2本目 0-1

2本目のスタメンもジェフはメンバーを変えず。途中から岡本に変わって中牧、中原に変わって中島が入った。U-20代表は若干メンバーを変えてきた模様。ジェフはスピードはあるのに裏をつく動きが出来ないダニロからの攻撃を放棄。前半から左サイドの裏を狙っていた楽山を中心に攻撃する展開に切り替えた。これが序盤は成功するが、そのうち相手も慣れてきて徐々に裏をつけなくなってくる。楽山の積極的に裏をつく姿勢は好感が持てるが、同じようなプレーでは相手も対応してきてしまう。サイドでためを作るなど、緩急の差をつけていかないとトップでの出場は厳しいだろう。そこがベンチ出来ている山岸との差となっている。それでも試合はジェフ優勢。U-20代表は全体的に下がりすぎ、ジェフにボールキープを許してしまう。しかしサッカーとはわからないもので、一発のカウンターが決まりU-20代表がPKを獲得。倒された三木がゴールを決めた。このシーンでも絶好調の前田(広島)からの素晴らしいスルーパス(多分前田だったが違ったかも)が得点を演出。前田は前半から再三チャンスを作りだしており、中盤でも十分機能することがわかった。レギュラー獲得に向けても大きくアピールしたのではないか。試合は終盤、疲れてきたU-20代表に対してあまりペースの落ちないジェフが攻め続けたが、ジェフのシュートは2度もバーに嫌われ0-1で終了した。
ジェフファンは大注目のポペスクだが、どうもボールホルダーに対して近づき足元にもらおうとしてしまう。ボールをたくさん触って調子を上げていくタイプなのはわかるが、ジェフのサッカーは速く運動量豊富なサッカーであり、今日の状態の彼が入るとそのサッカーの邪魔にしかならない。はっきり言ってこのままではトップの戦力にはならないだろう。もっと裏をつくなり、逆サイドに走るなりして積極的に動いてボールをもらわないと試合では残念ながら使えない。テクニックがあるのはわかるし、羽生、工藤よりフィジカルコンタクトや高さがあるのは武器なのだが、今のままでは後ろを向きすぎてテクニックも見せられない状態である。期待は高いだけに腐らず頑張って欲しい。

2試合目 ジェフ千葉 3-3 U-20日本代表
3本目 1-0

マスコミ待望の平山(筑波)、森本(東京V)コンビが登場。U-20代表は現状のトップメンバー。ジェフは1.5軍で臨んだ。GKは櫛野、DFは右から斉藤、中島、結城、右サイドに山岸、左サイドに滝沢、ボランチは坂本と勇人、トップ下には工藤が入りFWは林と要田。試合は均衡した状況だったが、ジェフがやや押し気味。U-20代表は引いてロングボールを1.5列目にいる平山にあわせる戦術だったが、平山が結城に競り負けチャンスが作れない。平山はサイドからのクロスなどに合わせるのは上手いが、後方からのロングフィードを落とすプレーはどうも苦手らしい。また以前から言われていたように、この試合でも手を使って相手をブロックしファールを受ける場面が見られた。また坂本、結城などからタックルをうけノーファールで吹き飛ばされるなど、フィジカルコンタクトが弱いことも露呈。マスコミは「平山相太エンジン全開」などと書いているが、あれで全開なら巻のエンジンの何分の一のなんだ。ワールドユースレベルなら190cmくらいのDFも相手にいるだろうし、特にフィジカル面の成長は急務かもしれない。

4本目 2-3

ジェフは勇人と交代で阿部、林、要田に変わって巻とハースが入った。開始早々、左からのコーナーをハースが短く出し、それをもう1度受けなおしたハースがそのままシュートを放ち豪快に決めた。しかしそれで油断したのか、すぐさま2点取り返される。どうも斉藤や阿部に元気がない。斉藤はゴールにつながるミスもしてしまい、精彩を欠いていた。U-20代表は平山を1.5列目ではなく前線に上げたことで、攻撃の形が明確になった。また水野(千葉)が、スピードあるドリブルと正確なプレスキックを見せ、雨に打たれながら指示を送る大熊監督にアピールした。この日はいつもの右サイドではなく前線に近い位置でプレーしていたため、守備をあまり気にすることなくどんどん前にチャレンジしていた。試合の中盤にはGK西川(大分)からのグラウンダーのスルーパスに抜け出しそのままゴール。西川にはこれがあるから怖い。観客は苦笑していたが、たぶん偶然ではないだろう。終盤は1試合目同様、ジェフが猛攻するが、阿部のシュートがバーに当たるなど不運もあり、引き分けで終了。U-20代表は1点勝ち越した時点で、実践さながらに自陣に引き篭って(FWも2人ともハーフウェイより手前で守備をしていた)、一点返された後も攻めに転じれなかった。体力面の問題もあるが、ゲームメイクにも課題が。


総括

ジェフは総じて疲れが見えていた。特にスタメン組は先週、3試合もこなしており体が重かった。また今シーズン始まってからの課題ではあるが、ゴール前でのDFの寄せが甘い。このあたりがリーグ戦での失点の多さが直結しているように思う。清水戦でのスタメンだが、無難に結城に行くのではないか。結城は後半、平山に裏を突かれ後ろから倒してレッドカード(練習試合ということで退場はなし)を受けたが、それでも一対一の守備では中島の上を行く(しかし水本が怪我という噂あり。とすると中島がリベロか)。坂本を守備的な位置に置き、滝沢を起用するという案もあるだろう。しかし滝沢はこの試合、何度かスピードを見せ相手を振り切るシーンがあったが、その後のクロスがまったくあわなかった。オフザボールの動きを見る限りジェフのサッカーに慣れてきたように思うので、あとはクロスの質か。
U-20代表は以前、見ていたよりもいい形で攻撃できるようになってきている。特にスピードのある家長、水野あたりが前線で絡んでくると面白い。前田もいい動きをしていたので、兵藤もうかうかしていられなくなった。一方でDFラインは下がり過ぎ、ボールを奪っても速いカウンターに持ち込めない場面が目立った。ロングボールからチャンスを作る戦略は相手に読まれやすいし、前にでるときはチーム全体的でどんどん前にでるべきではないだろうか。また、相変わらず課題の声は全然でていない。ジェフの坂本、櫛野に比べると半分もでていないのではないだろうか。特にサブ組はアピールしなければならない状況で焦りもあったのかプレーが荒くなっていたが、熱くなるなら荒いプレーより声を出していかないと。ワールドユースのような短期決戦では早期の修正能力が求められるため、声だしも重要なポイントの1つなのだが。