ジェフ、川崎MFパウリーニョ獲得へ?

J2千葉が戦力補強として、川崎FのMFパウリーニョ(25)の獲得に動いていることが分かった。
(中略)
今季J2栃木から川崎Fに期限付き移籍中のパウリーニョは、細かいパスを多用する独特のスタイルにフィットできずリーグ14試合出場にとどまっている。今季限りで退団するが、ボール奪取能力と展開力はチーム屈指。来季J1昇格を決めているJ2松本からも獲得オファーを受けている。(スポニチ

 先週のニュースですが、ジェフが栃木から川崎にレンタルしているパウリーニョ獲得に動いていると報じられました。
 川崎では出場機会が少なく、すでに退団することが決まっています。


 ジェフのポジションで手薄となっているボランチで、前回のオフでもジェフサポの中でパウリーニョ獲得を期待する声は多かったと思います。
 しかし、記事中にもある通り、外国人ボランチにはよくあるケースですが、細かいパスをつなぐサッカーなどには向いていない部分があったように思います。
 川崎移籍に関しても「フィットするんですかね…?」と疑う話を身内でしていたのですが、案の定うまくいかなかったといった印象でした。
 今季の川崎としてはACLもあるし、とにかく戦力を集めたいという部分もあったのかもしれません。
 代表候補の選手も複数抱えているチーム状況でもありますし、層を厚くしたかったというところだったのでしょう。


 パウリーニョに限らずですが、外国人ボランチの場合はコンビネーションを重視するよりも、ある程度自由にやらせないと機能しない場合が多いように思います。
 パウリーニョ在籍時の栃木は、4×4のボックスで攻撃においてもポジションを変えず、流動的な動きの少ないサッカーとなっていました。
 どちらかといえば欧州風のスタイルで、守備ではそのエリアを受け持つ選手が責任を持って跳ね返し、攻撃ではボランチの選手に自力での展開力を求め、サイドの選手を仕掛けさせるといった形だったと思います。
 そういったサッカースタイルが、パウリーニョには合っていたという部分があったように思います。



 そういった点でジェフでもどうなのかなと思っていたのですが、ジェフも関塚監督になってサッカーのスタイルも変わっている部分があります。
 基本的に攻守に周りとの連携よりも、自分で仕事を見つけてこなせる選手が重要となるサッカーになっているように思いますので、そういった意味ではパウリーニョのようなタイプの選手は向いているのかもしれません。
 身長180㎝でサイズもあってフィジカルも強く、何よりも自力でゲームメイクできるところが、現在のジェフには大きいのではないかとも思います。
 栃木では中心選手だっただけでなく、キャプテンを任せられるなど真面目な性格もジェフ向きと言えるのかもしれません。
 守備面ではカバーリングを求められる傾向が強いので、広範囲を守れるかどうか、気の効いた守備が出来るかどうか…といったところでしょうか。


 とはいえ、川崎ではリーグ戦で14試合しか出場しておらず、スタメンも6試合のみだったということも忘れてはいけない部分だと思います。
 川崎の中盤は層が厚いとはいえ、少なくとも現時点で考えるとJ1レベルでは期待された活躍が出来なかったということになると思います。
 加えて、栃木時代には大きな怪我も多かった印象があります。
 川崎移籍直前にも負傷し手術をしていたはずで、その後に川崎に移籍したということはメディカル面で大きな問題はないと判断されたのでしょうが、若干の不安材料ではあるのかなとも思います。


 欲を言えば、自力でゲームメイクできるボランチも欲しいところではありますが、カバーリングが出来てボールが奪え、相手を潰せるアンカータイプの選手も補強したいところではないでしょうか。
 理想を言えばどちらも欲しいところということにはなるのでしょうが、個人的にはボールを刈ることのできるボランチの方が現時点では必要ではないかとも思わなくもありません。



 パウリーニョに関しては栃木から"卒業"といった形で、川崎にレンタル移籍した経緯があるはずです。
 栃木にも愛着はあったと思うのですが、川崎移籍ならステップアップと考えられたからこそ、移籍を決断したという部分もあるのではないでしょうか。
 今回、ジェフと共に移籍先として名前が上っている松本山雅も、J1昇格が決まっているからこそ移籍先の候補となっている部分があるのかもしれません。


 ジェフがパウリーニョ獲得を目指す場合も、ジェフのJ1昇格が前提ということになるのかもしれません。
 まずはやはりプレーオフ決勝に集中し、結果を残すことが重要となってくるのかもしれませんね。
 とはいえ、水面下では交渉もスタートしておかなければ周りから後れを取ってしまうといったところが、プレーオフに回ったチームの難しい問題ではありますね。
 ジェフの強化部としては昇格に成功する場合、失敗する場合の2パターンを想定して、準備をしていかなければいけないのでしょうし、そのあたりがここ2年間の大きな悩みでもあったように思います。
 プレーオフを勝ち抜いた大分、徳島も補強に後れを感じる部分がありましたし、昇格が決まったとしてもその後の対応が非常に重要になってきますね。