J2残留を目指す東京Vとの対戦
先週初め、リーグ戦3連敗を喫した東京Vが三浦泰年監督を解任。
ユース監督として名高い冨樫剛一氏を、新監督に昇格させました。
しかし、冨樫監督の初陣となった20日の試合では、最下位富山と対戦し0-1で敗戦。
21位讃岐が松本と引き分けたため、20位東京Vとの勝点差は「3」にまで縮まりました。
なお、今年もJ2の22位がJ3首位と、自動入れ替え。
J2の21位がJ3の2位と入れ替え戦を行うことになりますから、東京Vは瀬戸際に立たされていることになります。
やはり監督を交代しただけでは、状況は大きく変わらないのか…。
21日には元東京Vコーチで柏の竹本一彦GMなどを務めた、竹本一彦氏のテクニカルディレクター就任を発表。
ただ、今テクニカルディレクターを招聘したところで急激に何かが変わるのかに関しては不透明で、来期以降に向けた準備も兼ねているのかもしれません。
東京Vでは元ジェフの昼田氏が強化部長を務めているはずですが、不振の責任を取って退団ということになるのでしょうか。
監督を変えても連敗が続き、このまま悪い流れが続くのかとも思われましたが、火曜日に行われた前節福岡戦では1-0で勝利。
試合終了間際に、平本のクロスに元ジェフの中後がヘディングであわせてゴールを決めています。
サッカーに関しては、ボールを奪って素早く攻撃に移るカウンター主体といった感じでしょうか。
しかし、長いボールを蹴りこむ攻撃ではなく、多くの選手が攻撃に飛び出していって、複数の選手が絡む"コレクティブカウンター"といった印象。
特に福岡戦ではサイドの裏を狙う形が多かったですが、そこに対してもうまく選手を押し出すように前の選手がデコイになったり、ボランチが斜め前に出ていったりと、組織的な狙いを感じました。
サイドに人数をかけて、相手の守備組織が偏れば中央からも選手が前に走り抜けていく、スピーディな攻撃を狙っている印象でした。
ただし、決定力に課題が見られていたようです。
成績不振を理由としたシーズン途中の監督交代の場合、守備の再構築から始めることが多いですが、今回の場合は攻撃から作り始めているのでしょうか。
…というよりも、東京Vユースっぽいサッカーという印象もあるので、東京Vユースの再現といった感じなのかもしれません。
監督だけでなく、選手もユース出身の若い選手たちが多いですしね。
対するジェフは前節愛媛に引き分けたので順位が下がることを心配したのですが、他の中段チームも軒並み敗戦あるいは引き分けとなっており、順位は変わりませんでした。
ライバルチームももたついている印象で、プレーオフ圏内の6位との勝点差も2と変わりませんでしたから、まだまだプレーオフ出場のチャンスはあります。
前節試合終了間際に同点弾を浴び、引き分けとなったジェフ。
個人的には何度も言ってきたように、中盤における守備の課題解決が先決ではないかと思います。
そのためには、より割り切った守り方なども必要になってくるのではないかと思うのですが…。
また、CKからの失点が多い点も気になりますね。
京都戦、北九州戦、愛媛戦と、ここ4試合でCKから3度もやられていることになります。
しかも、3失点ともにゴール前中央でやられた形になっています。
京都戦ではゴール前正面で、井出が三平に競り負けて失点。
北九州戦ではゴール正面にあげられたボールを大岩などが中央で競るものの、そこで跳ね返しきなかったためにファーに流れて完全にフリーになった前田がゴール。
そして、愛媛戦では愛媛の選手たちが中央低い位置に集りそこから分散する動きに対して、ジェフは完全にマークを見失い中央でフリーの選手を作ってしまって、そこを突かれてやられてしまいました。
本来CKではゴール前中央が一番警戒すべきエリアなはずですが、そこで何度もやられてしまっています。
それだけ連携がうまく取れていないということなのか、守り方がはっきりしていないのか。
どういった理由にせよ、早期に解決すべき問題ではないかと思います。
今週末対戦する東京Vも監督交代直後ということもあってか、まだ攻守に粗さが残っており福岡戦でもビルドアップ時のパスミスや守備時の甘さが感じられました。
そこが付け入るチャンスではないかとも思うのですが、若いチームだからこそ勢いに乗られると厄介で。
実際、今季も連勝と連敗が多い印象ですので、ジェフとしてはうまく勢いに乗らせない展開を作りたいところです。
注目は前節得点をあげた森本と、うまく周りを活かす仕事をしていた平本のFW対決となるのかもしれませんが、試合のカギを握っているのは両ボランチかなと思います。
お互いにしっかりと中盤の守備から試合を締めて、攻撃時にはゲームをコントロールできるかどうか。
スタメンがどうなるかはわかりませんが、東京Vユース出身のFW対決だけでなく、ボランチも勇人と中後が出場すればジェフユース出身対決ということになります。
どちらのチームもプレーオフ進出とJ2残留において瀬戸際といえる状況にいますし、連戦で体力的には厳しいでしょうが、お互い意地を見せてほしいと思います。