アギーレ監督の初陣は0-2で敗戦
5日に日本代表対ウルグアイ戦が行われました。
アギーレ新監督の初陣と言うことになりましたね。
驚いたのはスタメンで坂井、皆川と言った初代表選出で、Jでも経験の浅い選手たちが起用されたこと。
9日には連戦でベネズエラ代表戦があることもあり、2試合である程度のメンバーを起用する可能性はいわれていましたが、まさかこの2人がいきなりスタメンとは。
経験がなくとも新しいメンバーをどんどん使うという、アギーレ新監督のメッセージなのか。
あるいは、単純に坂井、 皆川といった選手を高く評価したのか。
または、まだ数多くいる日本人選手の評価が定まっておらず、現在好調な選手を起用したのか。
なんにせよ、非常に大胆な起用方法でした。
Jクラブなどを指揮した経験もなく、完全に外部から来た監督だからこそ、出来たこととも言えるのかもしれません。
オシム監督の時も初陣では、A3出場のメンバーが起用できなかったこともあって意外な人選になりました。
しかし、その後もメンバーは頻繁に入れ替えつつも、あくまでJリーグで活躍した選手にこだわっていたので、そこがアギーレ監督は大きく違うところですね。
日本のフォーメーションは4-3-3でアンカーに森重、インサイドハーフの左に田中、右に細貝が入りました。
田中がインサイドに入るのは練習でもやっていたようですが、アンカー森重とインサイドハーフ細貝は意外でした。
ただ、確かに4-3-3と聞いて気になったのは、アンカーとインサイドハーフを誰にするのかで、今後も悩みどころになりそうですね。
まぁ、今はいろいろと試している段階ではあるのでしょう。
日本はビルドアップ時に、アンカー森重も含めてCB2人とパスをつないでいく。
そうやって両SBを高い位置に押し上げ、相手を広げたところで1トップと2ウイングが後ろ向きで受けてポストプレーという意図が見られました。
そして、その落としをインサイドハーフ受けてSBを走らせる展開を作りたかったのかもしれませんが、特に序盤は連携がまだうまくいっていない印象で。
また前3人がポストプレーを受ける意識が強いことによって、本田、岡崎といった攻撃の要が前を向くところまで行けなかったことが悩みとなっていました。
守備に関しては、比較的マンマークの意識が高い印象。
前半17分、岡崎が右サイドからクロスを上げて、皆川がヘディングでゴールを狙う惜しいシーンがありました。
このシーンではうまくサイドにボールを追いやって、岡崎と長友が相手右SHを囲ってボールを奪ったところから。
その前の場面でも左SHがボールを持った時に、細貝と本田でプレスをかけていきましたし、サイドの守備で相手を囲むというのが4-3-3での1つの狙いとなりそうです。
細貝起用の意図も中盤で奪ってカウンターという形を、もっと作っていきたかったということなのかもしれません。
また、前半35分には右サイドからのビルドアップで、森重が後方左サイドに開き、岡崎に縦パス。
岡崎が反転して中央前方の田中につなぎ、長友へパス…。
長友へのパスは繋がらなかったですけど、ウイングがポストで落としてSBに展開と言う形が徐々にスムーズに作れるようになっていった印象です。
後半途中から岡崎が1トップに入って、日本代表の勢いが増していきました。
前線の3人がポストプレーをする意識が強かったために、前を向いてボールを持てる時間が少なかった日本代表。
それが1トップが前に動き出し、2列目以降の選手似もスペースが増えていくことによって、ようやく動きが活性化していった印象です。
その後は4-4-2に変更。
4-4-2はゾーンの意識が強かった印象で、こちらの練習もしていたのだろうと思います。
負けていたこともあって、2トップが前からプレスをかけハイラインの攻撃的な4-4-2にみえましたし、今後どうこの4-4-2を使っていくかも気になるところではないかと。
結局、試合の方は0-2で敗れましたが、新監督の意図が明確に見え、それを考える分には面白い試合だったと思います。
相手がウルグアイだったこともあって、アギーレ監督はかなり守備的なメンバーで挑んだことになります。
中盤にパサータイプの選手を起用しない日本代表というのは、かなり珍しいのではないかと思いますが、相手が変わった時にどう出るのかにも注目です。
実際にウルグアイは強く、特に守備面においての寄せ方がかなり厳しく、連動してできていたと思います。
けれども、ウルグアイもカウンターチームだった分、日本がボールを持つことになって、パスワークの質に問題が出てしまったような印象があります。
アギーレ監督は、攻守にきっちり組織を作っていく監督なのかな…といった印象をうけました。
それだけに時間がかかるかもしれないですし、単純に運動量なども足りていなかった印象です。
本田あたりは組織化されたチームの方が、結果的に好不調のムラによる影響が制限されて、いいのかもしれませんね。
本人は嫌がるかもしれませんが(笑)
全体的には良くなかったかもしれませんが、4-3-3の意図や4-4-2のハイプレス、武藤や森岡の勢いなど可能性は感じましたから、今後それらをうまく組み込んでいけるかどうかが注目ではないでしょうか。
特に3ボランチでうまくサイドに相手をボールを寄せて、インサイドハーフとウイングで囲い込む展開が作れていたのは、さすがといった印象をうけました。
ウルグアイも同様のシステムでしたが、同じようにインサイドハーフとサイドハーフで守備時にアタック&カバーを作ったり、インサイドハーフ2人がプレスをかけた時にサイドハーフが絞ったり…といった組織的な守備が見られました。
あれに比べるとジェフの3ボランチは、少なくとも現状では相手ボランチに人数を合わせているだけでしたね…(笑)
まぁ、人選も含めてまだ日本サッカー全体を把握しきれていないのでしょうし、これからですね。
まずは9日のベネズエラ代表でどういったメンバーを選び、どのようなサッカーをするかが注目となります。
本来は2試合セットで、見るべき試合だと思いますしね。