"いつの間にか"ライバルな京都と対戦
今週末ジェフはホームで京都と対戦。
ともにJ1昇格を目指して戦っているジェフと京都。
いつの間にかライバルになっている印象です。
どちらも昇格を目指しているわけですから、苦汁を飲まされてきたのは昇格チーム。
しかも、ともに2年連続でプレーオフに進出しながらも、直接対決はありません。
けれども、京都が2011年に降格してから両チームの順位を確認すると以下の通り。
かなり接近していることがわかります。
ジェフ 京都
2011年 6位 7位
2012年 5位 3位
2013年 5位 3位
だから、あまり意識していなかったものの、"いつの間にか"ライバルになっていた印象です。
また、両チームは祖母井さんのつながりもあって、選手やスタッフの行き来が少なくない。
現在では勇人、工藤、池上コーチ。
以前には林や水本、チェ・ヨンス。
そして、中村太亮も京都生え抜きの選手ですね。
何かと縁のあるチームとの対戦で、状況や雰囲気も似通っている部分があるのかなと思います。
ただ、育成面はあちらの方が成功していて、予算はこちらの方に多少部があるのかなといった感じですが…。
色々な話を伺うと、京都はJ1とJ2を行き来するエレベータークラブになっていたところがあった。
そこからの脱却を目指し、祖母井GMと大木監督を招聘。
大木監督が1つのサッカーを貫くことで、今まで希薄だった「自分たちのサッカー」を作り上げることを目指していた…といった感じでしょうか。
これは今のジェフにも似通ったところが言えるのではないかと思います。
結果的には2年連続プレーオフで敗退。
同じ失敗をしてしまい、監督交代も仕方のない状況に陥ったように思いますが、祖母井GMは「一番の収穫は3年間続けられたこと」と話しています。
「一番の収穫は、3年続けられたことですね。チームが強くなるためには、3年は我慢することが必要。そのことは稲盛(和夫)会長にもご理解いただきました。会長はそれまでは『戦うからには、勝たねばならない』という信念をお持ちでした。確かにビジネスだったら、そういう考え方もあるかもしれないけれど、でもサッカーはちょっと違う。チームを強くすることも、クラブを地域に根付かせることも、やはり継続性は必要。そのことは会長にも説明して、ご理解をいただきました。
今のジェフも鈴木監督2年目で似通った状況にいるのかもしれません。
果たして、ジェフはどこまで我慢できるのか…。
オシム監督もこんな話をしていますね。
日本代表同様に心配していたのが古巣・千葉。「2部(J2)にずっといるチームではない。お金をかけているのに、監督を代えたり、選手が入れ替わったり、どうなっているのか」と動向にも詳しかった。(スポニチ)
今でも気にかけてくれているのは嬉しい限りですが、あまり心配をかけたくないとも思ってしまいますね。
もっともオシムさんの場合、勝っても負けても心配していそうではありますが…(笑)
タイトルを読むと「お金をかけているのに」といった点に注目が集まるでしょうが、大事なのは「監督を代えたり、選手が入れ替わったり」といったところなんじゃないでしょうか。
もちろん継続すればいいということではないですけど、我慢して1つのことを続けることによって見えてくるものもあるんじゃないかと思います。
少なくとも上記インタビューでの祖母井さんは、それを言いたかったのではないでしょうか。
現在の京都は、長野でも監督を務めた経験のあるバドゥ監督が指揮を執っています。
基本的には前任のショートパスサッカーを継続しつつ、サイドからの展開も増やす感じで、よりバランスを取って行こうとしているのかなと思います。
ただし、前節の東京V戦こそ勝利したものの、そこまでは3連敗。
具体的な攻撃の形が作れず、大黒の得点力に期待するところが大きくなっている印象をうけます。
ジェフの守備陣からすれば、まずはその大黒を警戒することが何よりも大事ではないでしょうか。
大黒とジェフといえばつい05年のナビスコ決勝を思い出しますが、山口智と大黒の元G大阪対決とも言えるのですね。
実際このマッチアップが、カギを握る可能性もあるのではないでしょうか。
攻撃においては、ここ数戦悩みを抱えている得点力の部分を改善していきたいところです。
京都は積極的に前に出てきてくれるチームだと思いますので、より裏を狙っていきたいところ。
そこでのスピードや精度が大事になってくるのではないでしょうか。
就任当初はそれまでのクラブでは選手をあまり替えない監督と言われていた鈴木監督ですが、ジェフでは積極的にスタメンを切り替えている印象です。
特に敗戦後などにメンバーを変えて、修正を施すというパターンが多いですね。
ただ、現在のジェフは前節福岡戦こそ破れてしまったものの、5月負けなしで戦い方もはっきりしてきた。
それ故になかなかスタメンも、変えにくい状況になりつつあるように思います。
パワーがあり得点力のあるケンペスが外しにくいということは、ここまでの試合でも十二分に確認できたこと。
森本にも得点を計算できればよいのですけど、実際には得点の匂いすら感じられないのが現状で。
前節も高い位置から降りてきて、パスを散らす役割を果たしていた大塚も、他にいない存在になりつつあります。
その冷静なプレーはまるでベテラン選手のようで、あとは得点に絡めれば…といったところ。
そして、両SHもかなりいじりづらい状況になっていると思います。
4-4-1-1のようなフォーメーションになってから、SHにはドリブルでの仕掛けが重要になっている印象ですが、ドリブルという点においては町田などもあまり計算できない。
中村のクロスを活かすことを考えれば左SH谷澤のドリブルキープは外せないと思いますし、右SBに守備的な大岩を起用している分、右SHには井出の単独ドリブルを期待しているところがあるのではないでしょうか。
だから、練習で山中の右サイドを試したのでしょう。
山中自身のプレーを考えればもちろん左サイドの方がやりやすいでしょうけど、左SH山中だと中村の攻撃力を活かしにくい。
けれども、山中の前への突破力も捨てがたいといったところで、右サイドとしてテストしたと。
まぁ、現時点ではスーパーサブとして期待しつつ、山中を活かす形を模索していくしかないのかなと思いますが。
メンバーを変えにくくなってきたことを考えていくと、選手をいじるのではなく、基本的には現状の選手たちがクオリティを上げていくしかないのでしょう。
特に期待したいのはやはり2列目の選手たち。
井出の飛び出し、トリッキーな谷澤のドリブル、大塚のパスセンス。
それぞれに特徴があって良いものをもっていると思うのですけど、それを確実に結果に結び付けられるかどうか。
最終的にはそこで選手としての価値が決まるとも言えなくもないですから、勝利に結び付けられる選手になれるかどうかが、今問われているところではないでしょうか。
前節もそれなりにチャンスやもう1人かわせれば…といったところまではできていたわけですから、そこから先は選手に期待したいところではないかと思います。
チームに勢いをつけるためにも、ライバル京都に勝つためにも、力強いプレーを見せてほしいですね。
試合の感想はいつも通り、時間を見つけてアップする…感じでよろしいでしょうか?(誰に聞いている…笑)
W杯も始まって、サッカーファンは忙しくなりそうですね。
オシム監督もW杯に合わせて『信じよ! 日本が世界一になるために必要なこと』という本を出版されたそうですのでご紹介を。
日本のテレビにも頻繁に出演されており、22日にはNHK総合で民族共存へのキックオフ〜"オシムの国"のW杯〜(仮)という番組が放送されるそうで、こちらも楽しみです。
NHKはBSでもW排中継を持っていることもあってか、気合が入っていますね。