開き直って大きな変化を

 日本代表対ウルグアイ戦。
 ついつい日本代表をジェフに置き換えて、試合を見てしまいました。


 基本的に日本代表の攻撃は最近のトレンドでもある、相手のバイタルエリアで2列目の選手が前を向いてスルーパスを狙う形。
 ようするにジェフと同じ狙いですね。
 前田ではなく柿谷が起用されたことで、ポストプレーの落としから本田などが受ける形は少なくなり、後方からそのまま本田が受けてターンするパターンが多かったように思います。
 それによって、ますますジェフっぽさを強く感じました。
 どんどん裏抜けを狙っていた柿谷を見て、森本が起用されたらあんな感じになるのかなと感じたりもしましたが。
 でもやっぱりちょっと"重さ"が足りなかったかな?


 相手のバイタルエリアは取れる。
 しかし、そこから得点にうまく結び付けられない…というのも、ジェフっぽかったかなと。
 そして、カウンターでやられてしまうという部分も含めて…(笑)
 まぁ、ジェフはここ数試合はうまくバイタルエリアをとれない試合も少なくはなかったですけど、その違いは多分相手がそこを研究して警戒しているかどうかだと思いますしね。



 そんな中で日本代表からジェフに関するヒントも見出したかったのですが、日本代表にとっていい試合とは言えない内容で難しかったですね…。
 まぁ、ただ客観的に見て感じたのは、やはりバイタルエリアという狭い中での強さ、正確さが大事なのかなと。
 例えば前半30分過ぎに岡崎がバイタルエリア方向にボールを持ち込んで、相手が集まってきてもボールを奪われず、それによってタメを作って柿谷へパスを出したシーン。
 ああいったプレーができるかどうかが大事で、ここまでいい時の日本代表では本田がそういったプレーをしていたと思います。
 しかし、この日の本田はパスミスが多くプレーに粘りもなかったですね。


 それと中央攻撃が増えてくるとどうしても相手の守備もセンターに寄ってきてしまうので、どうしてもサイドからの攻撃も大事になってくるように思います。
 だから日本代表でも内田や長友の攻撃参加だとか、ウイングの縦への仕掛けも重要になってくると。
 この辺りは中か外かバランスが難しいところなのでしょうが、やはり米倉のチャンスメイクも必須なのだろうなぁと感じました。


 また、遠藤が前に出ていってチャンスを作っていて、攻撃に厚みが出来ていましたね。
 ただ、その分カウンターなどにおいての守備は不安になってしまう。
 やはり遠藤を活かすためにも、守備のできるボランチは必要な気がしますが…。 
 ここもジェフも同じ課題があるのかなと思います。



 日本代表目線で考えると、攻撃よりも守備の方が深刻なのでしょうね。
 それを考えると攻撃はいいけれども、守備時は止まっていることが多い柿谷で大丈夫なのかな?と感じましたが。
 本田の負担も多くなっていた印象ですし、やはりできればスタメンには走れて守備のできるFWが欲しいんじゃないかと思います。


 守備関しては、全体的なバランスが非常に悪いイメージがあります。
 1点目はカウンターから、2点目はセットプレーからですけど、3点目4点目は崩された形で。
 3,4点目はともに高徳が絞ったところをやられていて、3点目は相手の日本の右からの攻撃に対して全体的にDFラインがスライドして、高徳は絞らなければいけなかった。
 それに対して左サイドで数的優位を作られて、クロスをあげられてやられてしまう。
 4点目は日本の左サイドからのクロスボールに対して、高徳が絞って大外の選手がフリーになってしまう。


 ともに高徳の前の香川が戻ってこなければならない状況で、その守り方が本来やりたい形なのか。
 相手のサイド攻撃に対してDFライン全体がスライドして、ウイングが下りてくる5バック気味の守備組織で良いのかどうか。
 そのやり方も間違いとは言えないはずですけど、本来やりたくてそうなっているのか、結果的にそうなってしまっているのかが気になるところで。
 まぁ、これまでレギュラーとは言えない高徳がスタメン起用されたことによる連携の問題もあるのかもしれませんけど、3失点目などは明らかに全体が降られて絞らざるを得ない状況だったと思いますし。



 コンフェデではコンディション問題も大きかったと思うのですが、今回は言い訳しにくい状況だっただけに不安は大きいですね。
 守備のバランスというのは一度崩れると立て直しが難しいですし、やはり大きなてこ入れが必要なのではないかなぁと思います。
 岡田監督のチームをマイナーチェンジのまま戦ってきたザッケローニ監督ですけど、限界が来てしまったのかなぁと。
 もともと岡田監督のサッカーはアンカーに阿部を加えて、中澤、闘莉王で跳ね返すサッカーだったわけだけれども、そこをなくしてより技術面などを選んだサッカーだったわけだし、アジアではそれでよかったけれど…という感じはしますね。


 当初はボックスで前後左右では挟む守り方をやろうとしていただけに、SBやウイングに本来はフィジカルのある選手が欲しかったのかもしれません。
 けれども、日本代表にはそういった選手は少ないですしね。
 それだけに自分の色は出せず岡田監督のチームのままやらざるを得なかったというか、逆に言うと柔軟性はない監督なのかもしれませんね。
 岡田監督のサッカーから大きく変えられなかったという意味でも、自分の色を出せなかったという意味でも。


 どちらにせよ、今後どこかは変えなければいけないのでしょうから、ここからの挽回に期待したいところです。
 アジアで結果が出てしまっていた分、変えられなかったし変えなかったから、新しい選手を今から入れていくのも難しいのでしょうけど、ここまで来たら開き直って大きく変化を加えてほしいように思います。
 


 明日明後日は更新お休み。
 今日の21時頃から配信テストリベンジする予定です。