明日いよいよJ1昇格プレーオフ 今こそ冷静に
予想以上に盛り上がっているJ1昇格プレーオフ。
なんというか凄い熱気を感じる部分があっていいのですけど、逆にいろんな意味で変にこの雰囲気に飲まれたくはないですね。
今だからこそ、ちょっと冷静に落ち着いて試合を楽しむくらいの必要性があるのかなと感じたりします。
横浜FC戦も決してレベルが高い内容ではなかったというか、あちらも前半20分過ぎからは自然とマークがずれていきました。
盛り上がりに反して…というわけではないですけれども、2、3点奪った以降にあちらのメンタルが崩れていったように見えた部分も含めて、J2レベルの試合だったと思います。
ジェフのほうも全体的に見ればいい試合ができたとは思いますが、守備のバランスに関しては序盤の横浜FCのほうが安定ていたと思いますし、ボールサイドによりすぎてスペースのできたサイドに展開されるシーンも何度か見られました。
横浜FCの攻撃意識が弱かった分、大きな問題にはなりませんでしたけど、シーズンを通しての課題の1つだと思います。
怖いのは「終わりよければ全てよし」で、シーズンが片付けられてしまうことかなと。
ここ数試合は確かに勢いがあって良いサッカーができていますけれども、その良いサッカーをシーズンを通してキープできるかどうかが、安定感のないジェフにとって大事な部分なはずで。
2008年の残留後も、残留した安堵感と妙な過信によって、2009年の降格につながってしまったと思いますし。
ですから、個人的にはいわゆる『奇跡の残留』というフレーズは、今のジェフにとっては"戒め"としてのほうがイメージが強いのですよね。
さて、大分との対戦ですが、10月14日フクアリで行われた試合では1-2でジェフの敗戦となっています。
あの試合の大分はあまり試合内容が良くなく、特に前半の守備が緩かった記憶があります。
右サイドを走りこんだ田中のクロスから、谷澤が決めて先制した試合ですね。
しかし、後半からは大分が動きを取り戻し、ボールをつなぐ展開から大分が2点を奪って、ジェフが逆転負けしています。
あえてジェフ対策を考えるとすると、守備ではまずポストプレーを交えた展開を消すこと。
横浜FCがやってきたように、ビルドアップのターゲットは藤田しかいないことが多いですから、パスの出所へのプレスを考えるよりも、藤田に厳しく行ったほうが効率的ではないかと思います。
それと絶好調の米倉を、前を向かせず遅らせることでしょう。
米倉は遅らせればそこからの展開というのはあまり持っておらず、強引に仕掛けてボールを失う多いですから、ファーストタッチのところで粘り強く対応することが大事なのかなと思います。
攻撃に関してはボールサイドと中央に寄りがちな守備をしていますから、ボランチなどをうまく利用してサイドチェンジを交え、サイドの深い位置を攻めることがポイントなのかなと思います。
そして、早めにクロスを上げてゴール前で勝負…と。
大分は京都戦で4ゴールをあげ、10月のジェフ戦でも2ゴールをたたきこんだ森島がいますから、良い形でクロスをあげられればそこがストロングポイントとなるはず。
森島は10月に行われたジェフ戦では試合前から「ジェフはクロスボールへの対応に問題がある」と分析していたようですし、ジェフCBの動きに対して何かをつかんでいる可能性もあるのでしょう。
…逆にジェフは、これとまったく反対のことを考えればいいということに。
藤田のポストを狙いながらもマークが厳しければ、裏や他のターゲットも狙いに行く。
谷澤や兵働などのテクニックもあるはずですしね。
そして、最終的には米倉を前に向かせるというのが、今の攻撃パターンかなと。
現在のチームの勢いを引っ張っていっているのは、米倉ではないかと思いますし。
あまりそれを口に出してしまうと、"我に返って"米倉の神通力が早い段階で終わってしまうのではないかと心配で、あまり言いたくはないのですが(笑)
ともかく今の米倉はプロ入り以降ベストな状態ではないかと思いますし、ちょっと神がかっているような状態ではないかとも感じますので、さすがにこれが長く続くとは思いませんけど、少なくとも明日まではそれが続いてもらうことを祈るばかりで。
ただ、大分もそこはわかってくるでしょうから、米倉を使う攻撃を狙いながらもあまりにもマークが厳しければ他を当たる必要があるのかもしれません。
谷澤も米倉が好調なせいもあってかここ数試合は控えめですけど、本来ならもっと仕掛けられるはずですし。
まぁ、谷澤が下がり目の内側で絞ってパスワークを作り、米倉が前に出ていくからこそ、良い関係が作れているようにも思うのですが。
守備に関しては、中央CBよりに選手を集中しつつ、ボールホルダーに寄る守備というのは今更変えられないと思います。
ですので、サイドの守備などで相手を遅らせること。
選手たちが守備に戻って態勢を整える時間を作ることが、大切だと思います。
そう考えると怖いのはカウンターで、ウイングなどサイドの選手の戻りが遅れることもありますし、攻撃から守備への切り替えが大事ですね。
それと怖いのはやはり森島ですね。
こちらも勢いに乗れば止められないタイプのFWですし、シュートシーン以外でもしっかりと対応していくことで、森島に勢いを与えないことが大事だと思います。
現在は毎年、2,3度はある「ジェフ好調期」に差し掛かっている印象がありますから、準決勝の勢いをキープ出来れば昇格の可能性は高いと思います。
しかし、何があるのがわからないのがサッカー。
アクシデント絡みで先に失点するかもしれないし、相手が予想外の手を打ってくる可能性もあるかもしれません。
それでも、何があっても落ち着いて冷静に対処し、最後まで戦うことが大切だと思います。
大舞台に焦らないことも含めて、一発勝負ですし最後はメンタルが大事になるのではないでしょうか。
自分たちはプレーオフによって、滑り込みで昇格の切符をつかもうとしている…。
そこまでには悔しい思いをした他チームの選手や関係者たちの気持ちもあるはずで。
ありがたいことに、これだけ注目を受けている試合となるわけですから、どこに出しても恥のない、J2を代表するような一戦にしたいですね。