ホームで三歩進んでアウェイで二歩下がる
真価の問われるアウェイ2連戦。
昨日行われた1試合目は、栃木戦ということになりました。
どうでもいいことですけど、ジェフは栃木が相手ということで黄色いユニフォームが着られなかったわけですけど、白のセカンドユニでしたね。
黒いサードユニは、どういう場面で使われるんでしょう。
(コメントでご指摘いただきましたが、黒がセカンドで白がサードだったんですね。すっかり勘違いしてました。)
去年、一昨年もそうでしたけど、アウェイで栃木と対戦して相手が黄でこちらが白だと、どちらも薄い色合いでテレビで見る感じだと見辛かったりするのですが…。
このまま黒いサードユニは、幻になってしまうのでしょうか…。
■レジナルドのクロスから先制するも…
ジェフはスタメンで、左SBの武田を山口慶に代えてきました。
開幕戦ではよいプレーを見せていた武田ですけど、それ以降のプレーはもう1つといった状況で。
もちろん武田本人のプレーにも課題は多いですけど、前方の選手が変わったというのも大きいでしょうね。
左SHが伊藤だったときは、伊藤がパスワークからタメを作ったり守備で貢献してくれていたので、武田の左足を活かせる状況ができていたと思いますが、現在は深井が左SHに入りましたので、守備での不安も出てしまうし、深井が積極的に縦に仕掛ける分武田のオーバーラップが間に合わないことも多くなっています。
攻守において連携がチグハグな印象でしたし、このままだと左サイドを狙われる可能性が高いのかな?という不安は感じていました。
そこで、守備もできて運動量豊富な山口慶を起用。
武田のように精度の高いクロス等はないですけど、カバーリングが得意で攻守において黒子になれるタイプですから、深井のサポートを第一タスクとして考えるのなら武田よりあっているという評価なのかもしれませんね。
一方の右サイドは前節に続いてレジナルドと大岩のコンビ。
前半4分にもレジナルドがボールを持っている際に、大岩が大外を走りこんでサポート。
そこからレジナルドがクロスを上げて、惜しいシーンを作ります。
そして、前半18分。
レジナルドがクロスを上げて藤田が合わせてゴール。
前半4分の時と同じようにレジナルドがGKを超えた先を狙って、大外に藤田が走りこむというパターン。
スピードも十分でしたし、ピタッと藤田の足元に合うボールで、非常に質の高いクロスを上げてくれました。
山口慶が左SBに入って上がりを抑えていたこともあって、相対的に左からのチャンスが作りにくい状況なのかな?とも感じるのですが(量というよりは質の問題で)、右からある程度チャンスは作れるから、左サイドには一発の深井を置いておく…という関係でいいという判断だったのかもしれませんね。
しかし、その直後に右サイド深い位置で栃木がFK。
菊岡が蹴ったボールをチャ・ヨンファンがヘディングで直接合わせて、同点とされてしまいます。
このシーン、ボールが上がった後はともかくとして、相手がボールを蹴るまではゾーンで待つ感じだったのでしょうか?
前節もCKから何度か危ないシーンを作られていた印象でしたけど、セットプレーではゾーンのままで守るんですかね。
どうしてもギャップが作られやすいイメージがあるし、今回のように2人が同じエリアに入ってくると対応が難しくなる印象ですし(チャ・ヨンファンと大和田がGKの前に飛び込んできた)、平均して背の高い選手が多くないジェフでは、ちょっと怖いような気もするのですが。
昨年、木山監督がヘッドコーチを務めた清水も、外国人監督のゴトビ監督が指揮を執ったこともあって序盤はゾーンだったそうですけど、やはりうまくいかなくてマンマークに変えたそうですし…。
■後半から運動量の落ちるジェフ
前半はジェフが攻める時間帯が長かったですが、ジェフが崩しきるシーンはなかなか増えていきませんでした。
前方の選手が攻め急ぐシーンが多く、最後の部分でもう1つ変化が足りなかったかなぁといった印象だったかなと思います。
栃木は組織的な守備がウリのチームで、中央で各選手がしっかりとポジションを守り、バランスを維持していました。
ただ、中央のスペースをケアする意識が非常に高かったですから、ジェフの両SBがフリーでボールを持てるシーンを多く作れる状況でした。
けれども、両SBはクロスの質がもう1つで効果的な攻撃はできていなかったですから、栃木は相手SBの位置は捨てるような感じだったのかなぁとも思います。
ジェフからすれば、SBの位置では持たされているような感覚すら感じるような展開だったように思います。
そうこうしているうちに、ジェフの運動量が落ちていきます。
後半10分からは相手へのチェックが少しずつ遅れだし、寄せも甘く、DFラインも下がりがちとなり、決定的なシーンを作られるようになっていきます。
アウェイということもありますが、この日は一時キックオフで日差しもあり、栃木のほうも気温が低くはなかったようですし、気候の影響も大きかったのかなぁとも思います。
やはりこのままの状態だと、夏場は更に心配ではないかなと感じます。
流れの悪くなったジェフは、後半17分に山口慶に代えて武田を投入。
サイドからクロスを上げようという狙いだったと思います。
続いて、後半23分には深井に代えて荒田を投入。
深井は積極的に仕掛けていましたが、相手の中央寄りでスペースのないところに、どんどんアタックを仕掛けていき、無理が生じるプレーが目立っていたようにも思います。
ホームゲームで相手にスペースがある試合だと好調ですけど、アウェイだとスペースをつぶされて苦しむ…というパターンが続いてしまっていますね。
後半35分には、武田のクロスを相手選手が手で触ってPK。
しかし、藤田が蹴ったPKは相手GKにセーブされてしまい得点ならず。
PKを蹴るのが藤田だったところで、驚きはあったわけですけど…。
その後は栃木の運動量も落ち、ジェフが攻め込みますが、得点は奪えず。
後半ロスタイムに相手のセットプレーで、山口智が棗に競り負けて折り返され、最後は途中出場のサビアが豪快にシュートを決めて1-2でジェフの敗戦となってしまいました。
■アウェイ初勝利はお預け
またもアウェイでの初勝利はお預けとなってしまいましたね…。
アウェイでのコンディションの落ち込みは昨年よりは落ち着いているのかな?とも感じなくもないので、それよりもやはり対等なコンディションで勝てないということが問題ではないかなと思います。
守備においては、コンパクトに守って、相手よりも先手を取るやり方が基本で、それができている時間帯は流れもジェフがつかみ、良い状況で戦えていることが多いと思います。
しかし、アプローチで相手より先に動けて、球際で激しく行けている時はいいですけど、相手の方が動けていて攻撃を”受ける”状況での守り方というのが、明確に作れていないのではないかと感じます。
動けない状況でも無理に頑張って、少しくらい遅れてでも前へチェックに行こうとするから、相手選手が前を向いている状況で、後ろが開いてしまうような場面ができてしまっているのではないかと。
一歩目のアプローチや運動量に関しては、コンディションが大きく影響するはずですから、コンディション面で有利に立ちにくいアウェイゲームでは苦しむ…という問題がよりはっきりと出てしまっているのではないかなぁと思ったりします。
攻撃に関しては、栃木が4×4で上下だけでなく左右にもコンパクトに守るチームなので、サイドやDFラインでは比較的ボールが運びやすい状況だったと思います。
けれども、中央はしっかりとスペースを消している状況なのに、ジェフ側は高い位置まで比較的楽に持ち込める分、そのまま急いでゴールを狙うシーンが多かったように感じます。
これはここ数年感じることではありますけど、ゴール前を固めて守る相手に対しては、ゴールが近く見えるせいもあってか、丁寧なプレーができず、攻め急ぎ、シュートが決まらず焦りだす…という悪循環にはまることが多いような気もします。
この辺りはチームとしてアタッキングサードでどう攻めるのかを、より明確にしていく必要性があるのかもしれませんね…。
この試合では良い展開が作れても、シュートを決めきれない質の問題も目立ちましたが。
レジナルドがカウンターで持ち込んだものの、最後のパスが合わずに失敗…というシーンが2度もありましたし、藤田のPK失敗などもありましたし。
レジナルドはクロスなどはよいですけど、ゴール前での判断などはもう1つなんでしょうか?
まぁ、クロスに関しても徐々に相手が警戒してきて上げにくい状況を作られてしまいましたし、もっと周りとの連携や中に入ってのプレーの質も上げていく必要があるのかなと思います。
レジナルドは良くも悪くも日本人選手に近いイメージですし、スペシャルな選手とまではいかないかもしれませんから、レジナルドだけにすべてを頼らないようにしていきたいところですね。
それにしてももう少しタメの部分は期待したいところですが、今後研究されていっていってどうなるのかなぁと感じる部分があります。
前節徳島戦ではある程度良い試合はできたものの、やはりコンディションの優位さというのは大きかったのだろうなぁと改めて思います。
特に守備面で…というようには感じますが、攻撃においても相手が大きく乱れなければ崩しきれないというところを感じましたし、攻守において課題の見られた試合だったのではないでしょうか。
ホームで三歩進んでアウェイで二歩下がるような状況ではありますが、次回もアウェイゲームですから”誤魔化し”は利かないような状況で。
しっかりとアウェイでも勝てるサッカーを期待したいところだと思います。