元水戸木山監督のインタビュー

木山隆之監督の就任について（ジェフ公式サイト）

　遅くなりましたが、木山監督の就任が発表となりましたね。
　監督をやりたいという思いが強かったというのもあるのでしょうが、ジェフを選んでいただいてありがとうございます。
　現在のジェフは何も積み重ねのない状況ですし、ゼロから築き上げる難しさも予想されますが、クラブ全体で新しいチームを作っていきたいところですね。

　2010年水戸退団が決まった際の木山監督の長めのインタビューが、Jマガに掲載されていましたのでご紹介したいと思います。
　「水戸での3年間を振り返って」と言うことですが、木山氏のサッカー観も窺える内容となっております。

「資金的に苦しいクラブ事情の中でいい選手を獲得するには、『このチームでプレーしたい』と思ってもらえるようなサッカーを目指すことが大切だと考えたんです。やはり選手は、勝つためにカウンターばかり狙うチームよりも、勇気を持って攻撃するチームでプレーしたいはずなんですよ。」

「サッカーはどうしても結果という側面がついてくるけど、それだけじゃ、つまらないと思う。特に日本ってまだサッカーを見に来て楽しんでくれる人の数は少ないと思うので、そういう人が増えないと日本にサッカーは定着しないと思うんですよ。そのためにサッカーそのものが面白くないといけない。」

　攻撃的なサッカー、面白いサッカーを志向する監督さんのようですね。
　最終的にJ2を勝ち抜くためには、攻撃面が重要だと思いますし、ジェフにとっては良いこのなのではないかなぁとは思います。
　ただ、単純に「攻撃的なサッカー」といっても、考え方はいろいろだと思いますけどね。

　木山氏の監督としてのタイプについては。

監督のスタイルは、大きく分けて結果重視のモウリーニョ型と育成重視のベンゲル型に分かれると思いますが、木山監督はどちらだと思いますか？
「逆質問だけど、どっちだと思いますか？」

　…まず、最近の監督のスタイルって、モウリーニョ型とベンゲル型にわかれる物なんでしょうか。
　ベンゲル監督って、育成というより発掘というイメージが自分の中では強いのですけど。
　例えばとして「調教師（トレーナー）より教育者と呼ばれたい」なんて言っていたオシム監督は、どっちにも当てはまらない気がするのですが。
　まぁ　オシム監督が嫌っているモウリーニョ型だなんて本人に言ったら、当然怒るでしょうけど（笑）
　自分もオシム監督もモウリーニョ監督も好き…なんて言っている人は、疑ってかかりたくなってしまいますけどね。

　…と、話がだいぶ逸れてしまいましたが。

どっちかというと、モウリーニョに近いと感じます。育成も大事にしますが、常に勝利から逆算した考えをしますよね。
「それはあるね。監督の中でモウリーニョみたいにチームを転々とする人はチームを勝たせる能力に長けているんだと思います。でも、その人はおそらくチームを育てるということが得意ではないと知っている。100％パーフェクトな監督っていないと思うんですよ。誰にでも得手不得手がある。自分もこの先それが明確に見えてくると思います。ただ、クラブによってリクエストされることが変わっても、それに応えられるだけの幅広さは持ちたいと思います。そのためには勝たせることもできないといけないし、じっくり育てることもできないといけない」

　ようするに勝負にこだわる監督ではある、ということなんでしょうね。
　でも、例えばJリーグだとネルシーニョ監督なども、すごく勝負にこだわっている印象があるけれども、育成の面でも成功しています。
　城福監督も勝負にはこだわる方だし、オシム監督だってすごく負けず嫌いな方でしたし。
　勝負にこだわるからこそ、選手への監督の要求が明確になり、育成面もうまくいくところもあるのではないかと思います。
　問題はその監督の要求が正確なものかどうか…といったところでしょうが。

　勝負と育成を両立させるためにも、フロント側である程度の世代交代を実行し、伸びのある若手を集めることも重要なところだと思います。
　もちろん、今いる選手達を引き延ばすことも非常に大切で、補強に全てを頼っていては今までと何も変わらないと思いますが。
　どちらにせよ、全体的な戦力をしっかりと整理整頓した上で、監督の育成手腕に期待したいところではないかと。
　先日、他サポさんと話していて、木山さんに関しては選手の素材を生かすタイプなのではないか？という話でまとまりましたし。
　ただ、そうだとすればジェフの状況と合うのかどうかという点で、少し違うような気もしなくもないのですが…。

　ともかく、最近のジェフは補強なども含めた、監督へのサポートに関して大きな課題があったと思いますし、良い準備をしてほしいと思います。
　木山監督と共に一致団結して、チーム運営をしていってほしいと思います。