真面目なチームのサッカースタイル
いきなりなエントリーですけど、発想のキッカケは北九州戦でした。
今取り上げるべきなのかというのは悩んだのですけど、鉄は熱いうちに打ちたいということで。
ジェフはサッカースタイル・クラブの方向性を明確に築き上げるべきである…というのは、多くの人が思うところ。
ここ数年、毎年のようにコロコロと監督が変わって、それに合わせてサッカースタイルも大きく変わっていますが(監督が変わってもスタイルを維持できる可能性はあるとは思う)、それではクラブとしての積み重ねも期待できないわけで。
では、具体的にジェフが目指すべきスタイルとはなんなのか…という話になります。
スタイルが確立されればなんでもいいというわけでもないでしょうし、ジェフに合ったスタイルを目指さなければ無理が出てしまう。
個人的には攻撃的なサッカーを期待していたのですけど、異様なアマルバッシングの後に「守備的でも勝てればいいじゃないか」という論調が高まってしまって。
イビチャ監督のサッカー観に感銘を受けていたんじゃなかったんだ…と、思ったりもしたのですが。
それはさておき、現在のジェフが目指すサッカースタイル。
自分としては、やはりかっちりとした組織的なサッカーを目指すべきではないかという思いが、最近より強くなってきました。
特に攻撃面において。
選手達にある程度の自由を与え、個人技を上手く活かそうとするサッカースタイルもあるはずです。
南アフリカの時の岡田監督も守備はしっかりと作って、攻撃はある程度選手に任せていた印象がありますし、ザッケローニ監督もそういった傾向にあるのかなぁとも思います。
それはそれで1つのスタイルであり、そういったものを目指すという考えもありだと思います。
しかし、ここ数試合のジェフの攻撃を見ると、それでは難しいのではないかなと。
相手の守備がきっちりセットされた状況で、ビルドアップからのチャンスが作れない、相手を揺さぶれないというのは、チーム全体の問題であり監督の問題でもあるとも正直思います。
しかし、相手のミスもあってチャンスが幾度もできているのに、そこで決めきれない…というシーンに関しては、選手個々の問題も非常に大きいように感じるようになってきました。
では、なぜチャンスがあっても決めきれないのか…という理由の1つに、ジェフは歴史的に真面目な選手を好んで選んでいるという部分があるんじゃないかと。
懸命に走りまわって、サボらず守備をし、体を張って戦う。
そういった選手をクラブとして積極的に加入させてきた傾向にあるし、サポやファンもそういった選手を望む方向にあるのではないかと。
その象徴が巻だったわけですが、現在でも太田や米倉、青木孝太や山口、久保などがいます。
ようするに「真面目さ」というのが、ジェフというチームのアイデンティティになっているんじゃないかと。
ただ、そういった真面目な選手達は往々にして、強引なドリブル突破や意表を突いた選択、相手をあざ笑うようなプレーなどが得意ではなく、言ってしまえば決定力やラストパスなどの質はあまり期待できないのではないかなと。
生真面目に頑張るが故に、全力でゴール前まで走ってきて、ラストプレーの時には余力がない…なんてこともあったりして。
ですから、組織的に選手達が動いてチーム全体で確実に相手の守備を崩す形を作れなければ、得点も難しいし組織の中で動くタイプの選手達も活きてこない…ということではないかと思います。
もちろんその中で不真面目な選手…と言っては言葉が悪いですけど、強引なドリブルやたまに守備をサボるものの得点能力が秀でている、例えば深井のような選手をチームのジョーカーとして活かせる形が作れればそれでもいいと思うのですが、あくまでもチームのベースをどこに置くのかということですね。
ただ、現在のチームは深井や大島のような個の能力を、そのまま相手にぶつけるようなスタイルで戦っている印象が強く、組織的な動きから周りが犠牲となってそういった選手達を活かす…などという形は作れていません。
それでは、J2では良くてもJ1では限界があるのではないかと思います。
個人での突破力・得点力の高い選手をどんどん補強できるのならそれも成り立つのかもしれませんが、ジェフはそういった予算規模のあるクラブではないと思いますし。
ジェフに香川や本田圭佑はいないわけですしね(笑)
あるいはそういったアイデンティティを変えていくのか…予算面も含めてそこまでの改革が現在のフロントに出来ると言うのであれば、また状況は違うのかもしれません。
クラブのアイデンティティが変わっていく可能性は十分あるだろうし、変化自体は受け入れなければいけない部分もあるのでしょう。
ただ、現在のジェフはそのあたりのチームのスタイル、クラブの方向性を変えようとする意思をフロントから感じつつも、同時にまだ中途半端な部分も感じる気がします。
まだシーズンも終えていない状況ですけど、このあたりをフロントがどう考えているのかというところが気になるところです。
そろそろ水面下では、来季以降に向けた準備を本格的にしていかなければいけない時期なのでしょうしね。