ハミルトンが肉薄するも、ベッテルが優勝

 本格的なヨーロッパラウンドのスタートとなったスペイン。
 しかし、最終的に勝ったのはやはりベッテルでした。


 予選で圧倒的な速さを見せたのがレッドブル
 ベッテルとその後ろのハミルトンの差は0.8秒近くあり、しかもソフトタイヤを残すため、最後のアタックはしない徹底ぶり。
 しかし、いつもと違ったのは、ベッテルの1つ前にウェバーがいたこと。
 ウェバーにとっては今季初のポールポジションでした。


 4位には地元アロンソで、こちらも今期ベストグリッド。
 マクラーレンのバトンを喰う形となりました。
 そのアロンソがスタートでも素晴らしい走りを見せ、序盤はトップに立ちます。
 しかし、ピットストップで順位を落とすと、レース終盤、4回目のピットではなぜかタイヤの残っている状況で交換させられ、20周も走らなければいけない展開に。
 このあたりはチームの戦略ミスでしょうか。
 結局5位でゴールとなりましたが、ちょっと地元ファンが可哀想でしたね。


 ベッテルは序盤のアロンソより素早くピットストップし、とにかく前に出る戦略をとります。
 特に1回目のピットストップ後、アウトラップの冷えたタイヤでバトン、マッサをパスしたシーンは圧巻。
 もちろん両者はタイヤが消耗していた状況だったとは思うのですが、それでもまずいところに戻ったかな…と思っていただけに、素晴らしい走りでした。


 そのベッテルに追いついていったのがハミルトン。
 やはり純粋な速さではマクラーレン+ハミルトンが、レッドブルベッテルのライバル最有力でしょうか。
 予選では大差が付いていましたが、決勝ではそん色ない速さを見せ、ベッテルに続く2位に。
 3位には3ストップのバトン、4位にはウェバーが付けました。
 ウェバーはやはりレースでのタイヤの摩耗が激しいんでしょうか…。



 6位以下はスペインが得意なシューマッハーロズベルグハイドフェルド、ペレス、小林可夢偉といった順になります。
 可夢偉は不運の続くウィークエンドでした。
 予選では前のフォース・インディアが邪魔で、ラストアタックでタイムを出せず14位に。
 フリー走行3回目までは好調で、ペレスは12位だっただけに、悔しい予選でした。


 そして、決勝1周目にはアルグエルスアリに押し出され、その後ロータスに接触してタイヤをパンク。
 タイヤを交換して再開からの巻き返しとなりました。
 その後、タイヤを2回しか交換しておらず、実質2ストップでレースを走り切りました。
 上位ドライバーが4ストップ、3ストップが主流の中での2ストップで、しかも、後半2つのソフトタイヤでは上位ドライバーとそん色ないタイムを出していたわけですから、驚異的なドライビングだったと思います。
 結果だけ見るとチームメイトのペレスに予選でも決勝でも上回れてしまったわけですが、内容は非常によくポイントも獲得したわけですから、良いパフォーマンスだったのではないでしょうか。