守備における横のラインとサイド攻撃

 Foot!ちばぎんカップのレポートがアップされていましたのでご紹介を。

ある程度中央を締めた千葉の守備網も最後の部分は堅固。84分、レアンドロのCKにパクが頭で合わせますが、ここも岡本がファインセーブ。「守備の約束事はよくできた」とドワイト監督も話した堅陣は最後まで崩れず、4分間のアディショナルタイムも潰し切ってタイムアップ。

 個人的にはジェフの守備が良かったというより、この試合では柏の攻撃がもう1つだった印象が強く残っています。
 無失点で試合を終わらせたことは収穫ですが、シーズン開幕に向けてのテストという意味においては、昨年の柏が見せたような(テンポアップした後の)速く鋭い攻撃に対して、ジェフの守備陣が対応できるどうかというところもも見たかったかなと。

 

 先日も言いましたが、ジェフの守備に関しては横のラインの連携が綺麗にできていた印象があります。
 例えばSBが相手ボールホルダーへの対応に行ったらそこにあわせて横の3人がラインをコントロールするなど、ライン上の味方選手のポジショニングを見ながら細かな位置取りをしようとしていたのかなと思います
Foot!さんは「中央を締めた」という表現ですが、これも相手が中央を攻めればCBにあわせてSBも中央に絞る感じだったのかなと。柏は中央からの攻撃が多かったわけで、結果中央を絞ることになったのかなぁと私は思います。)


 DFラインとMFラインで、ボックスを作って守る意識はあまり強くないのかなとも思います。
 DFラインが一定の位置まで戻ってその数メートル前にMFのラインを作ることで、後方だけでなく中盤のスペースも消す…というのがオーソドックスなボックスを形成するリトリートの守り方だと思います。
 しかし、先日のジェフの場合DFラインは守備に戻る意識が強くボランチの2人もバイタルエリアを消して守っていましたが、2列目の選手に関しては比較的高い位置取りをしていた時間帯が長かった印象です。
 ウイングの選手はボランチの2人とのラインではなく、トップ下の米倉と2列目の3人で横のラインを形成し、そのままのラインでプレスを同時に狙いにいく意識が強い守備なのかなぁと。
 この2列目の選手達がしっかりと守備をして、相手DFラインから相手ボランチなどに展開させないように走り回っていたために、オーロイも走らなくて済んだ(というか運動量が少ないことがあまり目立たなかった)ということではないでしょうか。



 ただ、ウイングには高い位置から3人でプレスを狙うだけでなく、プレスバックも要求されるわけで(深井はそこで遅れることも多かったですが)、それだけ運動量が求められることになりますから、フルシーズンを通して頑張れるのか心配でもあります。
 昨シーズン、アウェイゲームで苦しんだのもコンディショニングが1つの課題だったのではないかと思いますし、先日の試合ではジェフのコンディションが良く柏の選手達が動けていない印象だったのでなおさら気になる部分です。
 きっちりとボックスで守るメリットの1つとして、余計な消耗をしないという部分があるはずですからね。


 それと4×4でスペースを消して守るという形ではない分、守備時にSBが一対一を作られることが多かった印象もあります。
 山口、坂本が守備重視で戦っていたことで成立していた印象もありますが、攻撃の面を考えると物足りなさも感じたわけで…。
 ウイングだけでサイド攻撃が作れるのならばいいですけど、そこまでスペシャルな選手はいないわけですし、サイド攻撃を活性化させるためにはSBの攻撃参加が不可欠ではないでしょうか。
 しかし、ウイングが前目のポジションを維持する…ということは、プレスなども含めて相手を押し込むという点やオーロイの運動量をカバーするという点においてはメリットがあると思いますし、ウイングを高い位置に維持するためには後ろに守備的なSBを置きたい…という考え方なのかなぁとも。



 しかし、オーロイへのロングボールを中盤で拾う展開にしても、先日の柏相手にはある程度の可能性を見せてくれましたが、中盤のボールを拾うスペースを消された場合に上手く行くかどうかというのはまだわからないはずで。
 昨年のジェフもサイドからの展開が作れず、相手が中央を固めたことによって苦しんだわけですし、どちらにせよサイドを攻略する形は作っていきたいところではないでしょうか。


 ともかく、ここからの変化も当然あるでしょうし、最終的にどういった形になるのか注目です。