バーレーンGP、08年の経済効果は6億ドル

2008年の同グランプリの直接および間接的収益は6億ドルに上ったとされている。またThe Times紙は、バーレーンGPのオーガナイザーは、バーレーンGPを今季カレンダーに入れるために4,000万ドル、開幕戦にするために2,000万ドルを使っていると伝えた。さらにバーレーン・インターナショナル・サーキットは、今季のグランプリ開催のために5,000万ドルをかけて改修を行ったといわれている。

 6億ドルですから、日本円にすると5億円程度。
 2008年と現在とでは経済状況が大きく異なるとはいえ、非常に大きな額であることにはかわりないですね。
 直接的な収益だけではなく、いわゆる“経済効果”という形ではあるのでしょうが(ただ、その間接的な収入おいても皇太子の息のかかった施設などが多いんじゃないかなと思うのですが)、ここまでの収益が出せていたのかといった印象です。
 これを考えれば、やはり開催したかったのだろうなとは思います。


 ただ、実際問題として考えてみれば、混乱状態にある今のバーレーンでF1を開催したところで、そこまでの利益が出せるかどうかは微妙なはずで。
 むしろ12月など(日程からしてその頃しかないでしょう)に延期して開催した方が、目論見通りの利益が出しやすいのではないでしょうか。



 間接収益で大きいのはヨーロッパのスタッフや報道陣、ファンも含めた宿泊における収入が大きいはずで。
 しかし、現在はF1の中心国であるイギリスを含めた多くの国が、バーレーン渡航警告の勧告を出しています。
 大手英メディアのスタッフですら、開催が行われるとしても渡航に関しては考えなくてはならないと話していましたし、F1を開催したところでどれだけの人が集められるかわかない。
 国内ファンに関してもこの混乱状況ではどうなるかわかないでしょうし、ドライバーやチーム関係者もも不安を口にしており、最悪の場合はチーム側のボイコットなども考えられたんじゃないでしょうか。


 そういったことを考えると、バーレーン側が開催強行を決定したところで、無事に開催できるかどうかすらもわからなかったはずで。
 それならば開催を延期して情勢が安定したころにF1を開催した方が、ビジネスにおいても利益が出せる可能性は高いと踏んだのではないでしょうか。
 もちろん、政治的な意味合いも大きいでしょう。
 このまま開催となればFIA側もチームやメディアから大きなバッシングを受けていたでしょうし、欧州諸国も対応に困ったはずで。
 決定はバーレーン側に委ねられたわけですけど、実情としてはそこまでの選択の余地はなかったんじゃないでしょうか。