活動再開後のTM NETWORKと未来について

 TMNは1994年に一度活動を終了し、1999年にTM NETWORKとして復活を遂げる。
 その間もファンから復帰の期待は非常に高かく、復帰シングルとなった『GET WILD DECADE RUN』はオリコンチャートで最高順位5位。
 『10 YEARS AFTER』は最高順位5位となっている。
 しかし、曲自体は非常にマニアックで、今までのポピュラーな雰囲気とはだいぶ異なり、セールスは伸び悩んでいた。


 それに加えて、その後TMNは例のRojam Entertainmentに移籍。
 昨今の報道では「小室氏の海外進出のためのレーベル」との紹介ばかりがされているけれど、当時はそれだけではなく「インターネットでの音楽配信と販売」という側面も強かったはず。
 TMNもシングル3枚、アルバム1枚をインターネットでの配信、販売を行ったけれど、売上の面では失敗。
 メディアにもほとんど注目されなかった。
 今でこそインターネットでの音楽配信やCDの販売はごく普通に誰しもが行えるようになったけれど、2000年の当時はそこまでインターネット自体が普及していなかった。
 私もインターネットこそ繋いでいたけど、インターネットで何か物を買うというのはこのときが始めてのことだった。
 

 そして、2004年のアルバム『NETWORK -Easy Listening-』から一端活動が休止となった。



 ちなみに、TM NETWORK再開後はサッカーとも意外と関係が深い。
 TMN復活も、木根氏にあったヴェルディのサポートソングのオファーをTMNでやろうという話しが直接的な復活のきっかけとなっている。
 そのサポートソングが『GET WILD DECADE RUN』のカップリング『IT'S GONNA BE ALRIGHT』と、前出の『10 YEARS AFTER』。
 また、初めから小室氏は全くやる気じゃなかったんじゃないかとも思われているかもしれないトライバルキックスだけど、その当時ライブ期間中に『GREEN DAYS』を作成(いまだCDには未収録)。

 サッカーの芝生をイメージして作ったと言いう話しをしていた。
 もっとも小室氏自身はサッカーファンを自称しているけれど実際にはにわかファンもいいところで、昔からのサッカー好きで中田英寿からも「最後の試合になるから」といってドイツW杯に直接招待された木根氏や、浦和サポで山田との交流もあるサポートメンバーの葛城氏とは雲泥の差があるのだけれど(笑)
 


 再開後のTMNへの評価はファンの中でも分かれるところ。
 しかし、例えば2007年、実に3年ぶりに発売されたアルバム『SPEEDWAY』は、TM NETWORKの前身SPEEDWAYを意識した非常に面白い作品になっている。
 どこか古めかしいサウンドで、特徴して木根氏の楽曲が多いことも上げられる。


 そして、復帰後1枚目のアルバム『Major Turn-Round』。
 こちらはプログレを意識した意欲作で、個人的にはTMの中でもかなり面白いオリジナルアルバムなんじゃないかと思う。
 特に1曲33分もある『Major Turn-Round』は、かなりディープな内容になっている。
 また、『We are starting over』は木根氏作曲のバラードなのだけれど、TMNでは初めて木根氏作曲の楽曲がシングルになったもので、これも心に響く素晴らしい曲になっている。


 今回お勧めするのは、『Major Turn-Round』の中から『MESSaGE』。
 


 問題の販売方法もあってあまり目立っていない曲だと思うけど、個人的にはTMNの中でも素晴らしい一曲だと思っている。
 残念ながら『Major Turn-Round』は上記の理由でなかなか手に入らない。
 しかし、その後『Major Turn-Round』1枚と過去の未発表音源などを1枚にした2枚組のアルバム、『キオクトキロク』が発売になっている。


キヲクトキロク~Major Turn-Round
B00007JMIX



 復帰後のプログレだけでなくトランス、R&Bなどの様々なジャンルを少しずつ交え、試験的な要素も強かったんじゃないかと思う。
 思うに小室氏がヒット曲を飛ばす裏で、本当に自分がやりたい遊びをTMNのほうでやっていたのではないか。



 久々に昨年発売したアルバム『SPEED WAY』は、まさに原点回帰。
 実はTMNの前身SPEED WAYのCDも持っている私だけど、かなり雰囲気は当時に近いモノがあった。
 だからここから、来年の25周年に向けて再びTMNが再スタートを切ってくれればと思っていた矢先にあの事件が…。


 小室氏の旬は過ぎたとよく言われるけれど彼自身のやっていることはあまり変わりないようにも思うし、木根氏は昨年のアルバムなどでも才能を見せつけ(かなり小室が褒めてたんだっけ)、ウツは年齢をましてむしろ上手くなっているように思う。
 だから私はもう1度TM NETWORKの完全復帰を期待したい。
 例え3人が揃うのが何年、何十年先だとしても。