日本代表 - チリ代表

 国立で君が代が流れて、テレビ画面で岡田監督がアップに写って、改めてそこにオシム監督がいないということを痛感しました…。
 やはり、寂しいものがありますね。
 やっと土台が出来てきて、これからだというところでしたから。
 まぁ、グダグダ言っても仕方がないですけど。



 試合内容についていろいろ言われているようですが、ともかくこのチームはまずはタイ戦に向けてチームを作っていけばいいのですから、今は細かいことを言っても仕方がないと思います。
 選手のコンディションもばらばらでしたし、意思統一もまだまだでした。
 思いのほかチリも動けていたし、「公開練習試合」としては素晴らしい内容だったと思います(笑)







 ただ、岡田監督とオシム監督の違いは明確に現れていましたね。


 まず、内田のスタメン起用です。
 内田は素晴らしい選手で、スタメンを晴れるだけの力はあるのかもしれませんけど、オシム監督ならこんなことをしないでしょう。
 2008年度の初戦、岡田監督体制になっての初陣、日本代表初出場で初スタメン、合宿ではトップチームと組んだことはほとんどなし(もっともこれは巻も一緒なんだけど。合宿では高原や大久保とはほとんど組んでなかったはずし)…。
 19歳の内田にとってはかなり厳しい条件でした。


 スタメンのチャンスを貰った形になったわけですけど、逆にちょっと可哀想だったのではないかと。
 これを引きずらなければいいのですが…。




 
 それと戦術面でもはっきりと違いが見て取れました。
 この試合では攻守において、中盤の高い位置に軸を置こうとしていましたね。
 4-1-3-2にしたことで、守備では高い位置からのプレッシャーを狙っていたように思います。


 しかし、特に前半は前の選手の運動量が少ないこともあってか、簡単に高い位置からのプレスを相手にいなされてしまいました(後半は交代で運動量の多い選手が増えた上、巻に1列下がって守備をさせることである程度そのあたりが改善しましたが)。
 そのおかげで相手選手が中盤で前を向いてフリーになってしまい、1ボランチの啓太が2人もマークを見る場面が多く出来てしまいました。
 そうなればもちろんDFラインは下がらざるを得なくなるし、全体的に間延びしたサッカーになってしまったと思います。




 また、攻撃においても前に人数を割いて、オシム監督の時以上に高い位置でボールを繋ぐことを意思していたと思います。
 これによって、DFラインや中盤の低い位置ではなかなかボールを繋げず、ロングボールやいわゆる「攻め急ぎ」になることが多くなってしまったのではないかと(このあたりは岡田監督の狙い通りなのかもしれないけれど)。
 岡田監督が言った『接近、展開、連続』というのは、人数をかけてボールをキープして、逆サイドに展開して薄いところを攻めるということのようですが、これはオシム監督もやっていたこと。
 しかし、オシム監督と違うのは、『接近』の位置と『展開』の仕方ではないかと思います。
 特に『展開』に関しては、オシム監督がDFラインを使ったサイドチェンジを好んでいたのに対して、岡田監督は中盤の高い位置でサイドを変えようとしているのではないかと思います。


 『接近』の位置に関しては、まだわからないところがありますね。
 岡田監督は就任してから「サイド攻撃をやっていく」ということを言っていましたけど、この試合では広くピッチを使えませんでした。
 そのおかげで中央ばかりがきつくなり、FWが3人、4人に囲まれて基点が作れなかったわけですけど。
 たぶん憲剛を中に入れることで、内田のオーバーラップを活かそうとしたのでしょう。
 五輪代表で、水野が中に入ってのプレーを求められたのと同じことです。
 けれど、憲剛と遠藤が中央のトップ下のような位置に入ってしまったせいで、中央でタメを作ろうとして失敗していたし、サイドで貰おうとする選手が少ないため広く展開する形もほとんど出来ていませんでした。


 ただ、これに関しては今後、修正してくるのかもしれませんけど。








 まだはっきりとはいえませんけど、岡田監督のポイントは1ボランチにして、前目に多くの選手を配置することにあるのかもしれません。
 オシム監督は「啓太(運動量豊富で守備の出来る選手)と阿部(展開力のある選手)を足したような選手が欲しい」といって、1ボランチを諦めていましたけど。
 日本代表初年度はオシム監督も1ボランチを試していましたけど、その代わりにリベロシステムを採用してそこでボールを展開しようとしていましたからね。


 さてさて、今後はどうなっていくやら…。






 んで…。


ビエルサ監督
「日本は3人のFWと攻撃的なボランチによって我々が試合を組み立てるのを難しくさせた。巻、遠藤、中村、そして交代で入った羽生、山瀬の活躍が我々の試合づくりを難しくさせたが、全体的には互角に戦えたと思う。
J's GOAL

ビエルサ監督
「日本はFWと中盤の選手たちによって、われわれの試合の組み立てを難しくさせた。9番の山岸、遠藤、中村(憲剛)、それから後半の8番の羽生、10番の山瀬。彼らの活躍がチームの攻撃を難しくさせたが、全体的な試合の流れとしては互角だったと思う。」
スポナビ
 どっちだよ。
エルゴラでも巻だった。)

 いや、でも巻は非常に良かったと思いますけどね。
 コンディションがいいせいか(というか怪我が治った?)落ち着いてプレーできていたし、特にこの試合では足元の精度が良かった。


 駒野のピンポイントクロスには合わせられなかったけど、あれはもし触れていても角度がなかっただろうし。
 それよりもむしろクロスが上がった時、なぜニアに入ってくる選手がいなかったのかという問題の方が気になりましたが。