UAE戦で「巻はいたのか?」(笑)

 昨日の段階で書けばよかったと、痛く嘆いているところです。
 記事は読んでいて既に書きたいことは決まっていたのですが、如何せん時間がなかったもので…。
 昨日の時点で書いていれば、これから紹介する酷い記事がアップ→私が批判→巻がゴールという綺麗な連係プレーになったのですけどね(笑)




UAE戦に厳しい声「巻はいたのか?」(日刊)
 まぁ、まず、だ。
 シロウトからアンケートをとって採点しコメントをとるのにどれだけの価値があるというのか、私にはさっぱりわかりません。
 選手を採点するということは、それだけサッカーに精通していなければいけません。
 当然ですよね、エルゴラみたいなシロウト記者に毛が生えたような人達の採点を見ても、「ハァ?」と思うくらいなんですから。





 しかも、その採点に参加した人達の中でも、ジェフサポいればレッズサポいるだろうし、野球好きのサッカー嫌いがいてもおかしくはないわけです。
 クラブチームのサポは所属選手に「10」をつけるかもしれないし、サッカー嫌いは全員に「1」をつけるかもしれません。
 そう考えていけば、正確なまず数値は取れないでしょう。


 アンケートをとる基盤となるはずの統計学的な部分で、既に問題が発生しているのです。





 「納豆ダイエット」で4、5人だけ上手くいった例を挙げるのと同じ。
 対象をサッカーファンとするアンケートを作ったというのなら、サッカーファン全員の人数を把握し、そこから有効な人数を計算しなければ本当は有効なアンケートにはなりません。
 これが試合を見ていた日本国民全体からならば、もっと必要回答数は増えるでしょう。
 そこまではできないにしても、かなり不正確な数値になっているのは明白です。








 そしてアンケートをとるだけならまだしも、その不正確な数値を記事にする(笑)
 そんなもの、読者をバカにしているとしか思えません!


 

 自分で何かものを言いたいのなら、自分で説得力のある記事を書けばいい。
 それを書けないから周りに頼り、都合のいいコメントだけを頭に持ってくるんでしょ?
 





 まぁ、それにしても痛いコメントばっかりですね…(笑)


・待たれる申し子たちの活躍
 これもUEA戦後の共同通信社の記事。
 活躍していない?じゃあ、何を持って「活躍」と言うのか。
 アシストや得点ばかりが「活躍」なのか。


 それなら、センターバックは大変ですねぇ。
 ずっと「戦犯、戦犯」言われて。
 お前らは中国か何かか、と思ってしまいましたよ。


 いや、阿部なんてどうでもいいんですけどね(笑)






 「活躍」の定義がはっきりしていない限り、この記事の前提がはっきりしません。
 前提がはっきりしなければ、まとめも当然の如くわけのわからない文章になってくるのです。
 当然ですよね。


申し子たちがピッチ上で躍動すれば、さらにオシム・ジャパンは勢いづくはずだ。
 …(笑)
 関係ないでしょ、そんなの。
 俊輔が「活躍」しようが羽生が「活躍」しようが、阿部が「活躍」しようが中澤が「活躍」しようが、いったい何の差があるというのでしょうか。







 私はジェフの選手達も、十分に「活躍」していたと思いますよ。


 じゃあ、「活躍」とは何か。
 それを判断する一番のポイントは、オシム監督の狙い通りに動けいたかでしょう。
 少なくとも、マスコミやサッカーを知らないファン達の目なんて二の次です。
 そんな目を気にしていたら、得点やアシストばかり狙わなくてはいけませんからね。それではサッカーにならない。





 山岸は、左サイドから前線への突入を求められていました。
 1トップだったし、左サイドは駒野いないから、2つの穴も埋めなくてはなりません。
(余談だけど、山岸が初戦以降試合に出れていない理由には駒野復帰があるんでしょうね。)
 それは、十分出来ていたでしょう。特に前半は高原と山岸しか中央にいないくらいでしたからね。
 だからといって、山岸が前線で止まっていたわけではない。ちゃんとに動き回っていました。
 他の選手たちが横パスやバックばかりに終始している中、山岸はちゃんとに勝負を仕掛けていたわけです。 
 それでゴールを決められなかったといわれても、ゴールチャンスまで作れなかった選手達ばかりだったのですから、山岸だけに文句は言えないはずです。


 羽生の使命は、前線で動き回って相手のDFラインを混乱させることです。
 こちらも、十分に出来ていたといえるでしょう。
 パサーばかりのチームで、オフザボールで動き回ってパスコースを増やすことに徹していたように見えます。
 ベトナム戦ではちょっとパスミスが多かったですけど、本来のポジションではないボランチに近いポジションでゲームメイクを任されていましたからね…。
 あと、一部でイエローはもったいない!とか言う話になっているらしいけど…。


34. Players cautioned or dismissed from the field of play


B) Single yellow cards received in the group stage of the Competition will not be carried forward to the knock-out stage of the Competition.

 アジアカップ公式サイトの「レギュレーション」を読む限り、1枚目のイエローカードはノックアウトステージにキャリー(持ち越し)されないようなんですけど。


 水野はスピードでサイドを突き、相手を下げさせることが仕事になります。
 これにより、日本のラインを上げさせるというオシム監督狙いでしょう。
 UEA戦はさほどその役目も必要なかったのですが、ベトナム戦では見事に活躍しました。


 そして、巻。
 巻のUEA戦でのオフザボールの動きは、非常に質の高いものでした。
 マークをひきつけてスペースを作り、高原にチャンスを与える動きは美しいと言える内容でした。
 ポストプレーの質も高く、後半からは守備にも気をつけていました。
 あれだけのプレーをして、評価できないって方がひどいんじゃないでしょうか。









 ようするにです。ジェフの選手達はオンザボールよりも、オフザボールで非常に質の高い動きをしているのです。
 オンザボールの選手達(エキストラキッカー)を活かすためにも、オフザボールで動き回り、パスコースを作り、囮にならなければ、サッカーにはならないんですよ。
 スペースがなければ、パスも出せないんですから。






 「巻はいたのか?」ではない。
 「巻はオフザボールで動き回っていた。けれどボールしか目で追っていないので巻がいたのかどうかわからない」これが正しい。


 「“オシム・チルドレン”が精彩を欠いている」ではない。
 「オシム・チルドレンはオフザボールで活躍しているのだが、オフザボールの質というのがよくわからないので私には精細を欠いているように見える」これが正しい。







 実際、俊輔や遠藤などと比べて見ていると、ジェフの選手達のオフザボールの質の高さに感動してしまうほどです。
 攻守の切り替えや運動量は元より、守備における前からのチェイシング、パスコースを増やす第3の動き、斜めに走るボールの貰い方(縦だけでは読まれやすい)…。
 同じピッチに立つと、これほどまでに違うのかと驚いてしまいました。




 それがわからないというのだから、非常に可哀想ですよね。
 オシム監督の真骨頂はそこにあると言ってもいいと思うのですが。


 オシム監督の下、日本代表が予想以上にものすごいスピードで進歩しているのは素晴らしいことだけれど、選手育成となると代表での短い時間ではなかなか難しいものがあります。
 選手の修正こそ出来ても、育成と言うのは難しいでしょう。
 それは非常に残念なことだと思います。