マジで、ばいばい。

 『木更津キャッツアイワールドシリーズ』を、観てきました。
 なんというか…観る側にとっても、「一人の大事な友人が死んだように感じる作品」でした。





 今回の木更津キャッツアイは、全編を通して「ばいばいを言わなくてはいけないんだ」というものになっています。
 そのため、全体的に悲しいストーリーになっているだけでなく、今までの木更津キャッツアイを自らの手で壊したモノになっていると思います。
 だから、今までの木更津キャッツアイを見に行こうと意気込んでいた私なんかにとっては、大きな違和感がありました。
 正直、個人的には納得できない部分もあったし「不完全燃焼」だな、というのが最初の印象でした。





 けれど、木更津キャッツアイの長年のテーマでもある「人の死」に関して、とても深く考えさせられました。
 「人の半生を描く」とか、「愛する人が死ぬまで」を題材にする作品はその辺にゴロゴロとありますけど、今回の木更津キャッツでは「大事な人が死んだ後」も描かれています。
 大事な人が死んだ瞬間と言うのはもちろん悲しいのですが、実際には人が死んだ直後なんて実感がわかないことが多いわけで、その人がいなくなった後の方が悲しかったりするんですよね…。


 今作では、主人公のぶっさんが死んだということが、実感できるようなストーリーになっていると思います。
 また、ぶっさんはどこにでもいそうな普通な人で、本人も普通に活きることを目差していたからファンにとっても、とても親しみやすいキャラクターです。それこそ、本当に木更津にいそうな感じの。
 だからこそ、今作は「一人の大事な友人が死んだように感じる作品」になったんだと思います。







 ということで、帰ってきたら我が家は、お葬式の後のようになっていました。
 時系列がわかりにくいところもあったし、相変わらず細々している演技も多いから、もう一回見たいって気持ちもあります。
 でも、とにかく泣けました。
 だから、ばいばい。
 そして、ありがとう。