ジェレミー・ウォーカー氏「フクアリは日本一のスタジアム」

 フクアリを絶賛してくれています。


東京(9月22日)発:水曜日にフクアリで行なわれたナビスコカップ準決勝・第2戦、ジェフ対フロンターレ戦は、開始早々白熱した展開となった。
そしてフロンターレの見事な反撃!
考えてみると劇的な幕切れでもあった。
歓喜に包まれる阿部とチームメート、敗北にうなだれる森とチームメート…。
全体として見ると、日本一のスタジアムでの最高のショーだったというわけだ。


前々から言っていることだが、クラブ、市、そして県が新しいスタジアムを建てる場合、フクダ電子アリーナを見学すべき、いや、いっそそのまま真似すべきだ。
駅に近く、収容観客数も1万8500名とちょうど良い。陸上用のトラックもないし、四方を囲まれているので騒音問題もない。さらにファンがピッチ近くで試合を見られる(それでもプレミアリーグに比べればまだ遠い。プレミアリーグではコーナーキックの時など、最前列のファンは選手に手を伸ばせば届くくらいの距離だ。私にとっては「近い」というのはこのくらいでないとね)。

 イングランド式のスタジアムにしてあれ以上コーナーを近づけると、ピッチ全体を見れない席ができちゃいますからね…(笑)



とにかく、この環境が試合のテンポや興奮度に大きな影響を与えていると思う。私はこれまで40以上の国でサッカーを見てきたが、今シーズンのジェフ対レッズ戦は、試合の雰囲気という点ではどこにも劣らない。
スタンドの2/3が黄色に、そして残りが明るい赤で埋め尽くされたその様子は、もはや単なるサッカーの試合ではなく特別なイベントと言ってよい。
 相変わらずの、ちょっと大げさな言い方をしてるのはわかっていても、やっぱり嬉しいですね。





 ちなみに、フクアリに移って観客が増えたから、以前に比べてさぞ儲かっているんだろう、と思われるかもしれませんが、そうでもないようです。
 臨海に比べフクアリは使用料が高く、観客にして2000人分ほど高くつくんだそうです。
 (その分、芝生の整備をもっと頑張れよ、とつい言いたくなりますが…。)


 で、去年の平均が9535人。今年は今のところ平均13642人。
 確かに4000人近く多くなっていますけど、W杯イヤーで、巻効果や、代表効果があったことなどを考えると、それほど多くはないと思っています。
 これから冬になるにつれ、消化試合もはっきりして、動員数は減っていくでしょうし…。
 

 ついでに言うと、フクアリの実際のキャパシティは17000と少し。臨海は12000程度で、当然フクアリの方が大きいのだけど、使用料の関係で+2000人を考えるとそれほど大きな差はありません。入場料収入を満員の状態だけで考えると、差はついて3000人分くらいでしょうか。



 それらを踏まえて考えると、フクアリで以前よりも儲けを出すというのは、なかなか大変だということがわかってきます。
 しかし、フクアリのメリットは、入場収入が増えることだけではありません。
 観客数が増えれば儲からなくたって評判は良くなるし、ジェレミー・ウォーカー氏のように言ってくれる人がいれば、フクアリの評価も上がってきます。
 そして、スポンサーが増えてくる可能性が出てきます。
 実際に、去年から今年にかけて、一気にスポンサーが増えました。


 それに、観客1人1人の顧客満足度を考えれば、小さいスタジアムだって悪くない。どうしても大きいスタジアムだと、ピッチが見難い席ができてしまいますしね。






 下は、某掲示板から拝借した参考資料。
 これを見て、「入場料収入が大きいところは健全で、広告収入が大きいところは(親会社がここで補填している可能性もあり)良くない」なんていってた人もいましたけど、上で説明したような例もあるわけで、一概にそうとは言えません。


 それに入場料収入といっても、スタジアム使用料がいくらかわからない限り、これだけを見て判断するのは難しいと思います。
 入場料収入が大きくても、スタジアム使用料が高いクラブもあれば、逆もあるでしょう。
 ですから、下の資料だけでは、「スタジアムでいくら儲けているのか」は、わからないはずです。
 ということで、これもあくまで参考ということで。


2005年度営業収入(J1)
     営業収入  広告料  入場料  分配金  その他
鹿島    3,156   1,045   690   401  1,020
浦和    5,805   1,660  1,949   549  1,647
大宮    2,242   1,359   311   256   316
千葉    2,722   1,279   439   426   578
柏     3,874   1,782   529   250  1,313
F東京.   3,168   1,186   797   402   783
東京V.    3,077    N.A.   N.A.   324   481
川崎    1,913   1,262   277   231   143
横浜FM   4,822   2,551   933   335  1,003
新潟    2,639    840  1,185   266   348
清水    3,077   1,150   469   270  1,188
磐田    3,890   1,704   654   317  1,215
名古屋   3,720   2,244   621   262   593
G大阪    3,418   1,684   506   552   676
C大阪    2,311   1,110   392   413   396
神戸    1,876    692   239   250   495
広島    2,304   1,276   346   238   444
大分    1,502    550   364   246   342

2005年度営業収入(J2)
     営業収入  広告料  入場料  分配金  その他
札幌    1,254    404   402   173   274
仙台    1,607    425   655   138   389
山形     582     85    93   110   294
水戸     310     81    50   103    75
草津     518    165   85   109   159
横浜FC.    642    274   139   116   113
湘南     733    336   133   111   153
甲府     670    246   159   178    87
京都    2,058   1,308   245   153   352
徳島     596    265    34   104   193
福岡    1,220    581   237   120   282
鳥栖     428    143   148   102    35

 もっと色々公表して欲しいけど、街との関係もあるしスタジアム使用料は、なかなか公表できないでしょうなぁ…。






 で、ますます話しはずれちゃうけど、広島の戸田が、面白いことを言ってます。
 レッズのサポーターの雰囲気を褒めていたところで…。


「だから「これだよな」って感じになる。嬉しいよね。そういう空気がある場所は。この国にはあんまり無いからね。」
そうだね。浦和とか鹿島とかくらい?
「でも鹿島はスタジアムの器がデカくなりすぎちゃったから。」
あれは逆効果だよね。狭い時の圧迫感の方が強かったから。
「そうだね。逆効果だと思う。前の方が圧迫感があった。」
 こっちは経営とは全く関係なく応援についてだけど、やっぱり大きければいいってものではないということです。
 経営とは関係がないと入ったけど、いい応援が出来ていれば、顧客満足度も上がるし、リピーターが増える…と、考えられなくもないでしょう。


 しかし、逆説的に言うと、あの大きな埼玉スタジアムで、あれだけの雰囲気を維持できるレッズサポはやっぱ凄いな、と思いますね。
 ジェフはどちらかというと、昔の鹿島を目差さないと。
 もちろん、ウチらしさを忘れては元も子もないので、そのままコピーしたって駄目ですけど。