経営分析法で見る、各クラブの経営評価 その1
タイトル通り、先日発表されたクラブ別の経営情報を基に、Jリーグ各クラブの経営状態を分析したいと思います。
しかし、公表された数字が微妙なところもありますし、どこが独立採算を採っているかわからない(浦和は採っているらしいけど)状況なので、不明瞭な部分は必ず出てきます。
また、損益計算書や貸借対照表に書かれているような、細かなデータは公表されていません。それにクラブによって、様々な事情もあると思います。
そのため、今回の分析結果はあくまで一つの目安として見てください。
1.健全なクラブはどこか
クラブを評価するに当って、営業収入や純利益ばかりで全てを判断するのは、どうかと思います。
例えば、同じ商品を扱う会社で、ある会社は従業員が10人、もう一方の会社が300人いたとしたら、当然従業員の多い会社の方が純利益は多くなければいけません。
もし300人の会社だというのに、10人程度の利益しか出ていなかったらそれこそ問題です。今すぐ290人分、リストラしなければいけないかもしれません(笑)
ということで、会社の大きさに対してどれだけ利益を出せているのかが、会社を評価する上で重要な要素となります。
会社の大きさの目安は『総資産』。『経常利益』とは「企業の通常の経営活動により、生じる利益」です。
総資本経常利益率 = 『経常利益』 ÷ 会社の大きさ(『総資産』) × 100
また、『総資産』と、『営業利益』といって、売上から原材料費、販売管理費などのコストを差し引いたものとを比べて考える計算方法もあります。
総資本営業利益率 = 『営業利益』 ÷ 会社の大きさ(『総資産』) × 100
これらの計算が、会社を評価する上で最もポピュラーな計算方法なのです。
ということで、頑張って計算してみました。Excelで公表してくれれば楽なのに(笑)
営業利益率 経常利益率
鹿島 00.0 00.1
浦和 14.7 15.3
大宮 01.3 01.2
千葉 26.9 24.8
柏 01.2 0.04
FC東京 11.6 11.3
東京V 01.0 0.39
川崎 12.3 11.2
横浜FM 00.3 0.00
新潟 −03.3 06.6
清水 −08.0 −07.9
磐田 −14.9 −08.6
名古屋 13.0 15.0
G大阪 −07.6 01.4
C大阪 06.2 0.60
神戸 −36.3 −31.1
広島 −18.1 −17.6
大分 −14.2 −13.1
札幌 −12.1 05.1
仙台 −34.9 −16.6
山形 −24.6 −24.6
水戸 11.1 25.0
草津 −57.1 −53.0
横浜FC −80.8 −64.4
湘南 01.0 01.0
甲府 32.7 33.5
京都 22.8 25.5
徳島 09.1 07.0
福岡 −05.1 −04.2
鳥栖 −181.5 −180.1
ご覧の通り、ジェフは「経常利益率」と「営業利益率」に関して、かなり頑張っています。
JRと古河が資本金を減らしたってニュースがあったから、その影響で数値が高いのかもしれませんね。
『当期純利益』が大きく赤字ってのが気になるけど、フクアリへの移転やホーム広域化などで出た費用を、「特別損失」に回したのかな。
逆に、J2の方は予想以上に酷いですね。J2のクラブは資本が厳しいところが多く(一部は除く)、投資にお金を回せない。投資できないから、収益も出ないという悪循環に陥っている感じでしょうか。
それでも、甲府などはかなり頑張っています。
面白いのは、サッカーでも一定の評価を受けているクラブは、経営面でも健全な結果を出しているってところですね。
まぁ、「いいサッカーをすれば、客も増え収入が増す」とも言えますけど、それはやっぱり理想論であって、現実にはうまく行かないことだって多いわけですし。
その2はこちら。