「日本人がオシムを大事にしてくれることを、僕は信じているよ」

 宇都宮徹壱氏の友人でいらっしゃる、セルビア人のニコラスさんのコメント。
 昨日の姉崎でのマスコミの騒動を見てきただけに、非常に重いコメントです。サポーターは平日にしては多少人数が多いことと、ユニフォーム着用率が高かったこと意外はほぼいつもどおりだったし、スタッフの方もサポーターには非常に親切に対応してくれていたんですが…。

 そのニコラスさんとの会話で、宇都宮さんはこのように思ったそうです。


 でもね、ニコラス……。


 と言いかけたところで、言葉が続かなかった。オシムの監督就任を巡る、さまざまな懸念と疑念について、私の語学力ではどうにも説明し切れなかったからだ。いや、もし説明できたとしても「ジーコがダメだったからオシムを」という、メディアと一部ファンのはしゃぎようについて語るのが恥ずかしくて、おそらく私は口をつぐんでいたことだろう。

 恥ずかしい…その通りですね。今はしゃいでいるマスコミや、一部のファン、ある芸能人やレポーターなど、この一連の“オシム騒動”に勝手に入ってきて物申す人たちは、果たしてオシム監督のことをどれだけ知っているのでしょうか。


 昨日も、非常に濃度の濃い練習をしていました。複数のビブスを使って、いつも以上に難解な練習をしていました。練習を見たことのあるサポーターなら、オシム監督がやろうとしている練習内容とその意図がなんとかわかりますけど、昨日来ていた野次馬やマスコミにはほとんどわからなかったんじゃないでしょうか。あれだけ興味深い、教科書に載せたいような練習をしていたのに、今日の紙面に全く練習の内容が書かれていなかったことが、逆に驚きです。
 JFAの幹部も、オファーを出す前に一度は練習を見に来るべきだったんじゃないんですかね。
 昨日のような激しく難しい練習の積み重ねこそが、オシム監督のやろうとする“考えながら走るサッカー”に繋がっているんであって、オシム語録だけを読んだだけはオシム監督のサッカーの全貌がわかるとは到底思えないのですが…。