<a href=http://www.jsgoal.jp/news/00033000/00033702.html target=new>ワールドカップイヤー特別コラム:巻誠一郎(千葉)</a>


レベルアップには真剣勝負が必要と考えるオシム監督は練習試合を多く組み、得点者よりも、味方のためにスペースを空けたり、潰れ役になったりした選手を褒めることも珍しくなかった。巻はその指導やチームメートから多くのことを学んで一歩一歩成長した。

 昨年のオフ、オシム監督が巻につきっきりでポストプレーを指導していたことを思い出します。オシム監督は、巻がポストプレーさえしっかりできれば試合使えるんだということと、しっかり教えればポストプレーを習得できる潜在能力があるということを、その頃から既に見抜いていたんでしょう。



しかし、スタメンでのプレーが続き、新加入のマリオ・ハースとの連係の相乗効果もあって得点を重ねると、事態は一変した。

 巻の成長を語る上で、欠かすことが出来ないのがハースの存在ですね。彼のスペースを作る動きは、日本人FWにはなかなか出来ないものですし、ハースが入ったことで前線での役割分担がはっきりして、巻は迷うことなく真ん中で勝負することが出来るようになりました。
 自分の一番活きるところでプレーするのって、簡単そうに見えるけど難しいんですよね。巻もそれまではプロのDFを相手にしてなかなか高さで勝てず、必要以上に動き回っていました。でも高さで勝てなくても、巻は前線で体を張ったり囮になったりすることが出来る選手です。それを巻自身がはっきりわかってきたのが、ハースとのコンビネーションだったんじゃないでしょうか。