J1第5節 千葉 0-1 鹿島

 去年も面白い試合を繰り広げたジェフ対鹿島。今年も予想通り素晴らしい試合となりました。


 ジェフは序盤から積極的にプレー。DFはマンマークでほぼ相手を押さえていたし、中盤も小笠原や本山に仕事をさせていませんでした。攻撃面ではクルプニが精度の高いパスを披露。連携もある程度とれてきて、下手ではあるけど守備にもちゃんと入っていたので、あとはスタミナ作りでしょうか。
 FWも効果的でした。巻は大岩、岩政の両センターバックにマークされ厳しい状況でしたが、巻はおとりになってかわりにハースが動き回り、チャンスを演出していました。特にルーキー内田いる左サイドにどんどん流れていき、坂本とともに左サイドを制圧していました。
 前半は完全にジェフペース。後半も疲れはあって辛らそうでしたが、それでも前半20分くらいまではいい試合展開でした。


しかし前線でチャンスを作り続けていたハースが負傷、後半13分に交代してしまいました。これで流れが一気に変わってしまいます。


日本の選手に多くありがちなことだが、守るということは自陣に引くことだと勘違いしているということだ。特に、うちの交代で入った選手は背が低いが、そういった選手が自陣のゴール前で引いたところで相手の選手を連れてくることにしかならない。そうではなく、あの場合の、しっかり守るということは前からプレッシャーをかけて相手にロングボールを蹴らせないことだったのだが、そこを勘違いした、またはできない選手がいたということだ。

 オシム監督の言うように途中から入った羽生の守備の意識が高すぎたことで中盤が下がり過ぎ、巻へのフォローが出来ず1トップが孤立状態となってしまいました。オシム監督が守備についての話しをしていることからも、羽生は相手のボランチに付いて両ウィングを前線に上げたかった他のかもしれませんが(実際に両ウィングは高い位置に張り出していた)、中盤が構成できていなかったためそこまでボールがいかず、1トップは機能しませんでした。
 今年のジェフはFW不足で1トップとなる機会が多いのですが、ここまでなかなかうまくいっていません。単純に中盤の選手の前線への飛び出し、FWへのフォローが足りないからだと思います。他にも問題はあるかもしれませんが、1トップの場合まずそこは注意しないといけないところで、中盤かまたはウィングのフォローがないとうまくいくはずもありません。長いシーズンですからこれから1トップで臨むことも多いと思うので、修正していかないといけませんね。


 後半の20分くらいからは、徐々に鹿島ペースに。中盤が下がりすぎたため、DFラインも下がってきてしまい、ミドルシュートをどんどん打たれていました。それでもなんとか粘っていたものの、アレックス・ミネイロのフェイントに大輔がやられて、失点してしまいました。 
 いい試合だったのですが、最後はやはりゴール前の個人の差で負けてしまったといった感じです。ジェフも得点チャンスは前半から相当あったのですが、結局決めきれず終ってしまいました。



 しかし内容はすごく良かったと思います。後は決めるところは決めるということと、最後の数分、疲れきった状況でどう戦うかですよね。選手層がいきなり上がるわけではないし、チーム全体のメリハリというものを試合開始からもう少しはっきりしたほうがいいのかもしれません。もう少しゲーム運びをうまくやらないと…といっても言うのは簡単なんですけどね。
 前半は良く、後半は失速という同じような展開ではありますが、それでも失速した後も我慢していたし、次への希望が見える試合だったのではないでしょうか。
 あとは勝ち星があれば最高だったんですけどね…。結城も言っているように「内容が良かっただけに悔しい試合」でした。