日本代表トレーニングキャンプ・海外遠征メンバー

 早くも寿人が来ましたか。以前は「数年間コンスタントにクラブで試合で結果を出していないと使わない」とまでジーコは言っていたんですけど、もうその言い分はぼろぼろですね。要は自分好みの選手しか呼ばないのでしょう。今回新しく選ればれたメンバーを見ても足元の技術が高い選手ばかりです。まぁきちんと考えて招集しているのなら自分の好きな選手を呼ぶこと自体は、いけないことではないんですけど。
 寿人はアテネ五輪のときも待望論が強かったFW。大久保、田中、松井などの影には隠れていましたが、切れ味の鋭い前線への飛び出しは決定力不足のチームにとっては面白い存在になるのではないでしょうか。
 今回呼ばれたメンバーだと2トップはどうなるんでしょうね。実績だけだと鈴木と久保?運動量がなく中盤が苦労しそうな2トップですね…。
 それともう1人の注目選手はこちらも初選出の長谷部ですね。長谷部も一応アテネ五輪世代。以前からセンスは素晴らしいものがあったけれど、フィジカルは強いタイプではなかったので五輪には間に合いませんでした。しかし未来を見据えれば代表を背負って立つ司令塔候補ですから、今回代表の経験をつむということは長谷部にとって非常に重要な経験となるのではないでしょうか。


 新しい希望も見えくる新選手の代表選出。見ている側には面白く映りますね(個人的な欲を言えば勇人も一緒に呼んで欲しかったけれど、テクニック重視で選ぶ監督がやっているうちは無理なんでしょう)。
 しかし、しかしですねぇ。今回の代表合宿はドイツへの貴重な期間。その合宿に今さら新しい選手を呼ぶことが、W杯に向けてメリットがあることなのかどうなのか。
 FWは既に飽和状態。高原、久保、鈴木、柳沢、大黒、玉田、大久保と既に候補はたくさんいます。しかし一方で実際に組んだことのある組み合わせは、非常に少ない状況です。
 W杯メンバー入りが濃厚の大黒も起用方法はスーパーサブなわけで、スタメンを誰にするかという問題が今後一刻も早く取り組まなければいけないものなのでは?スタメンに最も近いのは柳沢だと思われますがパートナーはまだ未定。怪我明けの久保なのか、高原なのか。久保×柳沢は練習でもやっておかないといけないと思うし、柳沢が怪我をする場合なども考え、久保×大黒も練習しなければいけないのだけれど、今回は柳沢も大黒も海外組だからということで呼ばれませんでした。
 そんななかで柳沢とは全くタイプが別の、寿人を呼ぶ必要があったのかどうか私には疑問です。代表のことを考えれば、無理をしてでも柳沢を呼ぶべきだったのではないでしょうか。


 MFも同様。海外組に松井も加わり、メンバー入り争いは激戦。唯一決まっていないのはアンカータイプなはずなのに、呼ばれたのは長谷部。同じボランチではあるけど全く逆のタイプです。
 湯浅氏はボランチとしての稲本を評価しているようだけど、私はアンカーに稲本を置くのは絶対反対です。稲本は守備的なポジションのタイプの選手ではないでしょう。
  

 FW、MFは既に人数はいるのだから、DFにこそもっと新しい選手を入れて欲しかった。オーストラリア、クロアチアと高い選手が前線に多いチームと当たることが決まったのだから、ほかのポジションを削ってでも箕輪あたりは入れておくべきではないでしょうか。今のままではパワープレー一発でやられそうな気がします。


 
 色々考えてみましたが、ジーコ監督本人は怪我をしたから代わりに呼んだだけで、何も考えていないようですけどね。まさにジーコオールスター。川淵会長は「配慮を感じる」とかいっているけど、むしろ呼ばれた選手に対しての配慮をもっとしろよと思うのですが。
 で、この合宿でいったい何をするんでしょうか。ドイツW杯に向けて貴重な時間なのに、W杯本番のために果たしてなるんでしょうか…。