[スペシャルレポート] 阿部勇樹 キャプテンはまだ泣けない

 去年までの阿部って、確かにいい選手だし実力から見てもチームの柱ではあったんですけど、それでもキャプテンタイプではないし、来年はどうなのかなって意見も多かったんですよね。精神的な支柱にはなりきれていなかったんだと思います。
 私もオシム監督のいっていた「キャプテンは若い選手の方がいい」という意見自体は反対ではなかったけど、それでも阿部がまだ精神的には頼りなかったというか、本人は嫌がっているという話しもあったのでキャプテンでないほうがむしろ伸び伸びやれるのではないかとも思っていました。
 しかし今年の阿部はその精神面で大きく成長しました。言動もはっきりしているし、ピッチ上では積極的に声を出し、チームを鼓舞しています。他の選手からも一目置く存在になっているように見えます。サポーターも今年の活躍を見ると、阿部以外にキャプテンはいないとはっきりいえるのではないでしょうか。
 成長の理由の1つは村井、茶野ら主力が抜けたこと。2人とも引っ張るタイプではないにせよ、実力では能力の高い選手。頼りにしていた2人が抜け、自分でやらなければいけないという気持ちが強くなったのではないでしょうか。
 それにオシム監督の存在。監督は必ずといっていいほど、相手のキーマンのマークを阿部につかせています。元々実力のある選手ですから、阿部はその課題に答え自信をつけていった。またキャプテンも3年目で自分が短期のキャプテンではなく、監督から信頼されているんだということを明確に認識できたのも大きかったのではないでしょうか。
 とにかく今年は阿部にとっての飛躍の年となったことは確かです。能力はあるけど実際に結果を残せる選手が少ない中、阿部は見事に「一皮向けた」といっていいのではないでしょうか。


 それでもまだまだ阿部の戦いこれから。実力を見れば代表でもレギュラーになっておかしくないのだから、そのためにはチームでもより上を目指して欲しいと思うし、サポーターとしてもそれを求めていきたいと思います。
 そのためにもまずは今年のリーグ戦で。残り試合の少ない中、厳しい状況ですはありますが1つでも上を目指していきたいですね。


 上の記事はNumberより。以前は良く買っていたんですが、最近は見もしなくなりました。けどたまに行うこのようなインタビューは、質が高かったりするんですよね。