激しいレースとなったトルコGP決勝

 初開催のトルコGPはすばらしいサーキットのおかげで非常に面白いレースになりました。このようなサーキットがいくつも出来れば、レギュレーションで厳しく束縛しなくてもレベルの高いバトルがたくさん見れるのかもしれません。面白いレースにするためどうしていけばいいのかという議論はつきませんが、やはりサーキットの出来というのが1つの答えになるのかなと思います。しかしこのようなサーキットを19も20も作るには莫大な予算と時間がかかってしまうので現実的な解決策ではありませんが…。
 レースはスピードのあるマクラーレンの2台を追う、粘りのルノーの2台という構図になりました。今まではミスなどもありなかなか結果が出なかったセカンドドライバーの2人も、何とかファーストドライバーについていけたため面白い上位争いとなりました。しかしその一方でお互いのセカンドドライバーがなぜファーストドライバーをついてはいけても追い越すまでにはいかないのかが、明確にもなったレースだったわけですが。
 それを追うのがBARのバトン。終始安定した走りでした。マシンの出来が良かったとはいえあれだけの走りを見せられると、チームとしては手放したくないでしょうね。予選でミスがなかったら…。とはいえ、チームも今年は十二分にドライバー2人には迷惑をかけているのだから、あまり強くはいえないと思うんですけどね。だからこそ、来期シート争いの現状に憤りを感じてしまうのですが…。

 その佐藤琢磨はやはり予選で失敗が痛かったですね。琢磨がミスした後にバトン、シューマッハーがミスしたためあまり目立たなくなりましたが、チーム内での状況が状況だけにしてはいけないミスでした。
 しかしそれはまだ許せる範囲だったけれど、それ以上にやってはいけなかったのがその後のウェバーへの予選妨害。無線の状況が悪かったことや高低差が激しいために後続のマシンが見えにくいことなどを差し引いても、あまりもイージーなミスでした。これがなければバトンの1グリッド下からのスタートだったので、上位入賞も十分ありえたのですが…。今後の展開によっては琢磨の運命をも変えてしまう大きなミスだったかもしれませんね…。
 決勝は確かに頑張ったものの、今必要なのはとにかく結果です。「次に繋がるレース」といい続けてもいつかは次のレース機会がなくなってしまう、そんな厳しい状況にいるわけです。それだけに決勝での2つのミスが本当に残念です。あまりレース中のファステストラップだけであぁだこうだ言うのは好きではないのですが(ファステストラップは重要なデータではあるものの結局はレースの1部でしか過ぎない)、琢磨のファステストラップはマクラーレン勢、ルノー勢、バトンに続き6位だったわけで、最低でもポイントはとらなければいけない状況でした。とりあえず、マシンは上向きなのだから次に頭を切り替えるしかないですね。琢磨を見守るこちら側もきちんと切り替えないと…ね。


 ところでちょっと気になったのがミシュランタイヤ。今回もなかなかきわどいタイヤを持ち込んだそうで、危うくアメリカGPの二の舞になるのではという話もあったとか(ウィリアムズのバースト多発は原因がつかめていないようですが)。「トルコGPあたりまたミシュランは危ないんじゃないの?」とアメリカGPでの後に言いましたが、見事に予想が当たってしまいました。
 今回はフェラーリ+ブリヂストンがあまりにも駄目だったのでミシュラン側が勝者のように写りますが、攻めすぎたタイヤは1つ間違えればドライバーの死にも繋がる可能性がある訳で十分警戒しなければいけないと思うのですがわかっているんでしょうか。レギュレーションの変更はないのだから、自分達でセーブし行き過ぎない範囲での競争をしなければ取り返しのつかないことにもなりかねません。
 「レギュレーションが緩いから攻めすぎたタイヤを作って事故を起こしたんだ」なんて言い訳では、あまりにも子供過ぎます。