バリチェロがB・A・R Hondaに移籍

 BARホンダを応援するものとしては、非常に心強い戦力ですね。確かにフェラーリ時代はシューマッハーに押され気味ということもあってあまり目立ちませんでしたが、相手はあにシューマッハーですからある程度は仕方のないこと。政治力云々がよく言われていますが、やはり今のF1界ではシューマッハーの実力は飛びぬけているのが現状です。フェラーリがシューマッハーにあわせたマシン作りをすることも仕方ないことでしょう。
 しかしそんな中でもバリチェロは安定した走りと、時折シューマッハーを上回るほどの一発の速さを見せてくれます。以前シューマッハーの同僚だったアーバインではあまりなかったこと(アーバインも好きだったけど)。実力、実績ともに申し分のないドライバーなのだから、後はBARに移籍してスチュワート時代の勢いさえ取り戻してくれれば言うことはないのですが。今はあまり元気がなく見えますが、スチュワート時代のキレのある走りは「頼もしかった」イメージがあります(当時はワークス時代への移行時期。そんな中でジャガーにされる直前のスチュワートは、プライベターの最後の意地を見せてくれました)。


 さてこの発表は噂どおりですが、このまま噂どおりに行くと佐藤琢磨の去就はかなり厳しいものになります。バトンのウィリアムズ移籍は五分五分。バトンが契約通りウィリアムズへ行っても、ハイドフェルドがBARに移籍するだろうという噂も出ています。バトンとウィリアムズの問題は契約次第なので、どうにも予想がつきませんが。
 しかし本当にBARは佐藤琢磨を切るつもりなんでしょうか。日本のスポンサーやホンダとの関係はあまり考えていないんでしょうか。もちろん能力的な問題も選択基準の中にあるでしょうが、チームがBATとの契約が切れる可能性がある状況で琢磨を切るのは金銭的に厳しいと思うのですが。BATがスポンサーを継続するとは思えませんが、まさかブラジル人ドライバー(それもトップの)を獲得したことで契約を延長する可能性もあるんでしょうか。
 しかしもしBARが佐藤琢磨を切るつもりではなく、後半戦に向けプレッシャーをかけるためこのような状況になったのならBARの判断には疑問を感じます。ドライバーにプレッシャーをかけるのはむしろ逆効果。特に琢磨の場合、レースに集中させることこそが結果を出させるためには重要だと思うのですが。
 またホンダもこの状況をどう考えているのか。以前も話しましたがもしホンダが琢磨を切りつもりがないのなら、チームのマネージメントをBAR側に丸投げしてきたことへのつけがまわってきているということではないでしょうか。琢磨をチームに残したいのなら、来期に向けチームの買収も考えなければいけません。しかしこんな状況でも買収をしないというのなら、来期のシートに関して今さら発言をしにくい状況を作ってしまったことは大きな問題でしょう。

 しかしとにかくこれらの問題は琢磨の結果が出なかったということが大きいわけです。確かに不運もありましたが、ミスが目立つのも確か。今週末もトルコGPが開催されますが、とにかく早い段階で結果を出さなければいけない状況になっています。