U-20日本代表 ブラジル遠征終了

 6月に行われるワールドユースに向け、U-20代表が21日から30日まで最後の海外遠征を行いました。スケジュールはブラジルは地球の反対ということで、移動時間を考えると滞在7日間で6試合というからかなりハード。U-20代表に2人もレギュラーを抱えるジェフサポからしてみれば「やめてくれ!」という気持ちでいっぱいだが、ほとんどの選手がレギュラー獲得にはいたっていないため「もっと長くやるべきだ」という意見もあるところが難しい。ちなみにジェフの二人は帰って早々31日の練習試合に参加。さすがオシム
 何はともあれあと一回国内合宿があるものの、これでテストは終了。ワールドユースに登録される20人への絞込み段階に入ってきます。悩ましいのは主力の梶山、増嶋(ともにFC東京)が現在怪我でどこまで体調を上げることが出来るか心配なことと、若い世代ということでコンディションが不安定ということ。その原因は「若いから」というよりは、「試合に出れないから」だと考えますが。そのことを踏まえて20人を予想します。コンディションの問題は、それぞれの選手が頑張ってもらうしかない。

 FWは激戦。軸は平山相太(筑波大)だけれど、もし平山が出れない事態になったらかなり厳しい。今まで平山智也、豊田(ともに名古屋)など平山の変わりになる選手を探してきたが、このブラジル遠征では呼ばれていない。大熊監督は平山の代わりをあきらめ、あらたな戦い方を考えているということだろうか。平山以外は横一線。ドリブルという武器がある前田(広島)、決定力のある森本(東京V)はベンチに入れておきたいところ。残り一人は似たタイプのカレン(磐田)と原(駒大)の元市船コンビで争う。ブラジル遠征までならカレンで決まりだっただろうが、この遠征で原が結果を残していた。カレンは磐田でも出場機会がなく試合感に問題ありか。しかし今までの経験を考え、カレンが選ばれそう。
 レギュラーは平山とカレンか。前田、森本は運動量や守備力に課題があり頭からは厳しい。しかしワールドユースの予選では平山がひいてボールをもらい、裏をカレンが狙うという形をとったが肝心のカレンの決定力がなく不発。今後の課題となっていた。やはり平山には前線で張ってゴールを狙ってほしい。そのためには運動量豊富なパートナーが求められるので、このチームではトップ下の兵藤(早大)辺りをFWにあげるのも面白いと思うのだが。
 トップ下は先ほどの兵藤が最有力。問題は控えか。ボランチの本田(名古屋)、右サイドの水野(千葉)もこのポジションをこなせるため、控えはなしという可能性もある。昨年京都の松井がル・マンに移籍した後、J2に出場していた中山だが最近は試合に出れていない。また清水で出場機会に恵まれたため今回招集された杉山だが、やはりそれだけでは結果は残せなかったようだ。この年代では他にいないファンタジスタタイプである中山が一歩リードが。しかしカレン、前田当たりもここはできるし、攻撃的な選手が多いため選ばれるのは厳しいかもしれない。
 左サイドは攻撃的な選手が多い。スピードの苔口(C大阪)、ドリブルの家長(G大阪)が内定。渡辺(名古屋)も候補だが今回は怪我で自体ということでアピールするチャンスを失ってしまった。
 レギュラー争いは熾烈。ワールドユース予選のころ(2004.9.25〜10.9)は苔口がC大阪で試合に出場していたこともあり、苔口がレギュラーだったがその後、G大阪でも度々試合に出場していた家長が成長。しかも苔口は外国人選手の加入などで試合に出場できなくなってしまう。ここはもう、調子次第かもしれない。今のところ苔口がトップ扱いんもようだがまだわからない。
 右サイドは福岡で主力級の活躍を見せている中村がレギュラー。中村は4バックの場合の右サイドやボランチでもプレーできる。日本の初戦となるオランダ戦では相手が3トップの可能性があり、4バックでいく可能性もあるため重要である。サブは長らく不在だったが、昨年ジェフで水野が成長してきためなんとかなった。水野はスピードあるドリブルと精度の高い右足が武器。ジェフではあの阿部勇樹にかわってCKを任されることも多い。が、守備はザル。先ほど述べたように左サイドには攻撃型の選手が多いためスタメンは厳しい。4バックの際の、攻撃的MFならありえるかもしれないが。
 ボランチは大熊監督の好みでアンカーと攻撃的MFの組み合わせとなることが多い。この遠征では高柳(広島)と本田。しかし梶山が復帰すれば本田とのレギュラー争いとなるだろう。問題はどこまで梶山が復調するかか。アンカータイプは他にいないため、控えには本来DFの小林祐(柏)と丹羽(神戸)が候補
 このポジションこそがこのチームの穴だといわれている。1997年ベスト8となった際には明神(柏)がしたし、1999年準優勝に輝いた際は稲本(カーディフ)がいた。ベスト8に輝いた前回のワールドユースでは今野(FC東京)が活躍した(ちなみに2001年ワールドユースグループリーグ敗退。その後「谷間の世代」と呼ばれるようになる。ボランチだった阿部が怪我で欠場している)。これだけでは説得力がないが、しかし現在のサッカーでのボランチの重要度は高いのは確かである。このチームには歴代のチームにいた、本物のボランチというのが今のところいない。これをどうカバーしあえるかがキーポイントとなる。
 DFは左ストッパーの水本は決定的だが他ははっきりしない。水本は左右のサイドバックもこなすことが出来る。右は柳楽(福岡)と小林祐が争う形か。相手によって変更する可能性もあるかもしれない。リベロは昨年、神戸で何度か試合に出場していた河本とフィードキック、キャプテンシーに優れる増嶋の争い。増嶋は怪我明けなので予想が難しい。控え候補にはタンザニア人と日本人のハーフであり身体能力の高い中尾(広島)、磐田ユース出身の森下(磐田)などがいるが、ボランチ候補でもある丹羽、トップ下の中山らと最後の一枠を争うことになるだろう。
 GKは大分のチラベル、西川がレギュラーで、磐田ユース松井が控えとなる見込み。

 長々書いてしまったが、まだ控え枠では決まっていないところもあり(監督の考え次第だが)、怪我明けの選手もいるためレギュラー争いも激しいポジションもある。とりあえずクラブで控えの選手も大学生もいるため不安はあるが6月に向けてコンディションをあわせていってほしい。2003年のワールドユースではグループリーグ突破と宿敵韓国相手に目が行き過ぎて、その後のブラジルに惨敗してしまったため大熊監督はベスト8以上を切望しているようだが、ここは現実的にまずはグループリーグ突破を目指してほしい。