押し込まれてからのロングカウンター

 夏の3連戦、ジェフの2試合目は山形との対戦です。
 この試合もジェフのホーム・フクアリで開催。
 3連戦の最後もBMWスタジアムということで、移動距離においては助かりますね。
 暑い日が続いている中での連戦ですし、コンディション面においても移動距離というのは大きな影響を与える部分だと思います。


 ただ、連戦の最後はJ2を独走する湘南戦を控えているわけで、その試合は厳しい試合が予想されるでしょう。
 現実的に考えると勝点という意味ではそれまでに稼ぎたいところで、明日の山形戦が大事になってきます。



 山形は前回の対戦同様、サイドでパスをつないでアーリークロスかセンタリングでFWにあてる。
 あるいはポストプレーから中盤に落とす。
 そして、FWがつぶれてトップ下の選手が拾ってシュートという攻撃が中心となっています。


 守備においては、無理にボールは奪いに行かずとも、連携してプレスをかける。
 パスコースを遮断していって、サイドに追いやり、無理なボールをけらせるといった狙い。
 攻守両面において、今年から就任した石崎監督の色がはっきり出ているチームだと思います。
 やはり監督交代ではっきりと色が変わるということが言えるわけで、このあたりはサッカーというスポーツにおいて面白い部分だと思います。
 ただ、それが結果に結びつくかどうかは別ということもいえるのかもしれませんし、そこも興味深い考察点ではないでしょうか。


 石崎監督のサッカーが早い段階で浸透していた山形ですが、現在の順位は12位。
 ここ2試合も北九州、群馬に連敗しています。
 山形は正GK清水が負傷しており、浦和からGK山岸を緊急補強したのですが、ここ数試合はまだ試合勘が戻らないのか、ピリッとしないプレーも多い印象です。
 攻撃においてはディエゴがまだ7ゴールということで、これらの実績ある選手が調子を上げてくるかどうかが、今後のポイントということになるのでしょうか。



 対するジェフは、谷澤、キムが出場停止明けから復帰。
 結果的にではありますが、連戦中に2人を休ませられたのは、今後の試合においてはプラスと言えるのではないでしょうか。
 ただ、2人が復帰してもやることは変わらないと思います。


 ケンペスはもう1試合出場停止ということになりますので、左SHに谷澤を戻してケンペスの位置に山中がスタートから出場することになるのでしょうか。
 田中も栃木戦では体調不良で欠場だったそうですので、体調が完全に戻ればスタメンに復帰する可能性も出てくるかもしれません。
 守備から素早く攻撃に移る。
 守備時も体を張って守る…など、主にフィジカル的な部分では、井出よりも田中の方が期待できると思いますし、基本的には田中の方が今のサッカーに合っているのではないでしょうか。



 ジェフにおいての注目は谷澤や田中などが復帰した場合に、どれだけロングカウンターでチャンスを作る展開を増やせるか。
 前節は長崎の戻りも早かったこともあって、2列目の選手が中盤で前を向いて強引にドリブルで持ち上がろうとしても、潰されることが多かった。
 大塚にせよ、井出にせよ、そこまでボールを持って長い距離を持ち運べる選手ではないし、どちらかといえば連携で戦う選手。
 一方で谷澤は自分でボールを持ち運べる選手だと思いますし、現状の戦力においてはロングカウンターにおいて欠かせない選手なのかもしれません。
 また田中のスピードや運動量、ロングスプリントもカウンターにおいて大事な部分なのではないかと思います。


 もっとも谷澤も相手に警戒されてくるかもしれないし、栃木戦でも前半押し込まれた時間帯や後半はロングカウンターを作れなかったことも事実。
 昨日も話しましたが、カウンター主体のチームになったからこそ、「押し込まれた時にどれだけそこからカウンターを作り出せるか」という部分が、すごく大事になってくるのではないかと思います。
 もちろんそもそも押し込まれない状況を作ることも考えるべきかもしれませんが、監督が代わってからそこまでプレスに関して積極的な姿勢は見られていませんし、リスクを除外するために引いて守ってもいいという意図もあるのだろうと思いますから、押し込まれてからどうすべきかを考えるべきでしょう。
 どちらにせよハーフカウンターだけでは難しいだろうと思いますし。



 長崎戦は内容も良くなかったですし、このまま課題が見つかってズルズルといってしまうのか、それともここで踏ん張れるのか。
 監督解任直後における一時的な雰囲気の向上はあったかもしれませんが、新チームにおいてこれからの数試合がすごく大事になってくるような気がします。