素晴らしいレース展開を見せた日本GP
先週末鈴鹿で行われた日本GP。
コース内でのバトルもあり、タイヤ戦略も含めた非常に面白いレースとなりました。
ポイントとなったのはレッドブルのマーク・ウェバー、ロータスのロメイン・グロージャンといった伏兵の活躍。
これまではレッドブルのセバスチャン・ベッテルが独走での勝利というパターンが多かったですけど、今回はそう簡単にはいきませんでした。
予選でのポールはまさかのウェバー。
大本命のベッテルにKERSトラブルが発生したこともあって、1位ウェバー、2位ベッテルとなりました。
今回の予選ではグロージャンがエースであるキミ・ライコネンを上回り、フェラーリでもフェリペ・マッサがフェルナンド・アロンソを上回るといういつもとは違う展開が見られました。
決勝ではレッドブル2台のスタートが悪く、その横を突く形で4位スタートのグロージャンが一気に首位に。
このままグロージャンは首位をキープします。
2位にはウェバー、3位にはベッテルという順でしたが、2位ウェバーは先にピットインさせて3ストップにすることによって、結果的にベッテルとの順位を入れ替える形をとってきた模様です。
それでもグロージャンが長らくラップリーダーを務めていましたが、グロージャンが29周目に2回目のピットに入ると、ベッテルは37周までピットインを引っ張ります。
この間のベッテルの8周がすごかったですね。
基本的にはレッドブルのマシンの方がタイヤに厳しいはずなのですが、グロージャンはピットに入ってニュータイヤを使用しているにもかかわらず、ベッテルが古いタイヤでスパートをかけてグロージャンのタイムを上回るほどの走りを見せてくれました。
ここでのベッテルの頑張りによってピットストップ直後は順位が変わりませんでしたが、先にピットインしたグロージャンは8周使用したタイヤでベッテルと接近戦のバトルをすることになります。
そして、ベッテルがコース上でグロージャンを抜き去りトップに躍り出てそのまま優勝。
「ポールトゥウインしか勝利パターンがない」といわれていたベッテルですけど、このレースでは力強い走りを見せてくれました。
一方のグロージャンは成長の跡も見られますが、ベッテルに先を越されてからはミスもありましたし、最後はウェバーに抜かれて3位とまだ甘さも感じました。
グロージャンの担当エンジニアは日本人の小松さんということでこのレースでは応援もしていたのですけど、鈴鹿では逆にベッテルの凄さを浮き彫りにした印象すらありました。
抜けない鈴鹿といわれてはいますが上位3人のバトルは非常に面白かったですし、その他のシーンでもDRSゾーンの延長もあってホームストレートでのパッシングも多かったですから、白熱したレースだったといえるのではないでしょうか。
なお、ここでチャンピオンが決まる可能性もあったベッテルですが、チャンピオンシップ2位のアロンソは確実に4位でフィニッシュしたため、チャンピオン決定はお預けということになりました。