米倉のアタッカー路線と森本の真面目さと

 珍しく選手や監督の試合後のコメントも、あまり読みたくなくなってしまいました(笑)
 しかし、あの試合に対して選手たちがどう感じたのかというのはすごく気になったので頑張って読もうとしたのですが、J's GOALはアウェイということもあって深井のコメントしか載せていませんでした。


 深井自身はすごくコンディション良さそうですね。
 周りの動きが落ちてきているから、深井が良く見えるのかもしれませんが(笑)
 確か去年のこの時期も深井は、そんな立ち位置だった記憶がありますが。


 深井の起用に関しては、基本米倉と同じような問題を抱えている印象です。
 動きはキレているしドリブルの鋭さもあるけれども、パスワークに上手くからめる選手ではないし、守備で穴も作ってしまうから使いにくいと。
 特にボックスの守備からすぐに前へ出てしまってスペースを潰せないという課題は、ボックスで守ることの多い近年のサッカーでは極めて大きな問題で。
 かといって前線で使うのはサイズやフィジカルの問題で難しいということは昨年わかってしまいましたし、使い方の難しい選手ですね。
 だから、ここ2試合のようにスタメンではなく、攻め込まれていない失点した後に投入するというのがベターなのかなと。
 守備の穴やパスワークは米倉にも課題があって、左の深井、右の米倉といった感じにも近い印象を受けています。



 しかし、米倉の若い頃は、もっといろんなことが期待できるはずの選手だったと思うんですけどね。
 深井ほどの飛び抜けた鋭いドリブルはないにしても、フィジカルもあってサイズもあってパスも出せていたはずで…。
 選手として本当にこの方向性で良かったのか、やっぱり悩んでしまいます。
 SBかSHではなくて、パスも出せるオールラウンドな選手かアタッカーかという意味において。


 …でも、本来の能力は置いておくとしても、性格的には意外と今の一発アタッカー路線の方があっているんですかね。
 守備への入り方などを見ると、集中力に欠けるところが多い印象で。
 メンタル的な課題は本人も言っていることで、今までも浮き沈みは激しかったですけど、昨年までは浮き沈みの"沈み"の方が多かったのに、今期は浮いていることが多い気がしますね。



 一方で岡山戦後のコメント(ジェフ公式サイト)を読んでも、やっぱり森本は意外と真面目ですよね。
 前半はともかくとして、試合を通してみるとあれだけ劣勢の時間帯が長かったにも関わらず、周りの問題よりもまず自分が得点できなかったことを反省している。
 ストライカーだからこそという部分もあるのかもしれませんが、海外で助っ人としてのプレー経験が長かったからこそ、自身の責任というものを第一に感じているのかなと。


 もちろんチーム全体を見渡す目というのすごく大事だとは思うのですけど、その前に自分のプレーを見返してみては…と思う選手も多かった中で、森本の姿勢というのはポジティブな意味で新鮮に感じます。
 失点が多いにもかかわらず、攻撃の課題ばかり話していたDFもいますしね…。
 逆に言うと、ジェフにいるとぬるま湯につかった状態に選手がなってしまうんでしょうか。
 そうだとすれば、さすがにそれは悲しいところがありますが。



 この雰囲気というか、多くの選手の気持ちが切れている中で、森本の真面目さというかサッカーへの集中力は期待したいところがあります。
 新加入だからこそ周りの空気に流されていないという部分があるのかもしれませんが、もともと良い意味でマイペースな部分もあるのでしょうし。


 だからといって、森本1トップを強く支持するわけではなく、ケンペスもスタミナは持たないですけど、チームの結果が出なかった8月頃から最後までゴールを狙う姿勢は見せてくれていて、そういった点においては好印象を受けていました。
 チームが厳しい時にこそ、自分が責任を持って試合を決めるんだ、チームを引っ張るんだという姿勢を見せられるかどうか。
 それこそが真のプロサッカー選手に求められる部分なのかなとも思います。
 そういった意味では、ジェフの選手はまだまだ甘い部分があるのかな…とも。



 とはいえ、だからといって簡単に選手に厳しく、ブーイングなどで当たればそれで状況が変わるかというと、そうではないとも思うわけですが。
 むしろサポの方も結果を焦っている印象はありますし。
 確か2010年の年末に、まだ陣営もはっきりしていない中で「来年こそは優勝を」と言うのはどうなのか…と、twitterでつぶやいたことがあったかと思いますが、基本的な部分はその考えと今も変わりません。


 まずはしっかりと、現状を把握することではないかなと思います。
 中長期的な問題はともかく、今一番解決しなければならない問題は、この悪い雰囲気を立て直すこと。
 そこを改善するために、クラブの関係者全員が頑張っていかなければいけないんじゃないかと自分は思います。