レンタル移籍中の松田力、名古屋に復帰か
中日スポーツによると、名古屋からジェフにレンタル移籍中の松田力が来季名古屋に復帰するとのことです。
松田は名古屋でも期待も高かいのでしょうし、残る可能性は低いだろうと思っていました。
戦力となっていたレンタル選手の復帰は残念ですが、ジェフとしても初めからこの半年に期待しての補強だった可能性もあるのではないでしょうか。
名古屋は現在クラブ体制を変更中。
今年4月にモータースポーツファンには「モリゾー」の名で知られるトヨタの豊田章男社長が会長に就任し、久米GMが社長に就任。
来年にはトヨタの子会社化が報じられています。
そして、小倉GMが来期監督を兼任することになりました。
今オフにはすでにノヴァコヴィッチ、ダニルソン、レアンドロ・ドミンゲスなどの退団が決定。
闘莉王や楢崎も年俸大幅ダウンと報じられています。
クラブ体制の変更で予算増加を期待する声も高かったようですが、むしろ逆方向に進む可能性もあるのではないでしょうか。
そもそもとして、予算を増加するのであれば、小倉監督という選択肢はないでしょうし。
予算削減で手っ取り早いのは、実績のある選手を退団させて、若手有望選手に期待を託すこと。
その中で松田はもともとクラブでの期待も高く、14年には名古屋で31試合に出場と実績もあり、レンタル先のジェフでも一定の活躍を見せた。
来季戦力として期待される存在となるのは、当然だろうと思います。
出来ればジェフに残ってほしかったところですが、状況を考えれば仕方のないところではないでしょうか。
名古屋系のブロマガ「赤鯱新聞」には、契約更改に臨んだ松田力へのインタビューが掲載されており、ジェフでの経験について語っています。
短いですが名古屋系の記者に回答しているからか、いつもよりも率直な松田の意見が読める内容となっている印象です。
「チーム状態もあまり良いとは言えなかったです。ただ、その中でも自分は中心選手としてプレーさせてもらえましたし、とてもいい経験ができました。自分が得点すれば負けてなかったんですけど、だんだん合わなくなっていったのが残念です。パスを出す選手がいなくなったのが大きかった」
ジェフでは楽しかったとも話しつつ、難しさもあったとのこと。
チーム状態も良くなかったという意見は、客観的に見てもそう感じるところでしょうね。
気になるのは、「パスを出す選手がいなくなったのが大きかった」という話をしていること。
松田がチームに"合っていた"のは、加入直後の8月中旬から1ヶ月くらいでしょうか。
得点に関しても8月15日の長崎、8月23日の横浜FC戦と連続でゴールを決め、9月23日栃木戦での2ゴールを決めましたが、それ以降はノーゴールで終ってしまいました。
その後、SHでの起用もあって"合わなくなっていった"印象があります。
松田が"合っていた"頃に試合に良く出ていて、その後出場機会がなくなったパスの出せそうな選手というと、井出か健太郎といったところでしょうか。
水野が出場し始めたのは9月下旬からでしたし、谷澤も8月中旬からはスタメンを外れています。
井出はその頃どちらかと言えばその頃は守備で貢献していた印象で、松田の言う「パスを出す選手」というのは健太郎なのかなと思います。
実際、最終節讃岐戦でも勇人に代わって健太郎が出場してからパスワークがスムーズになり、ボランチからの展開力が増していった印象です。
讃岐戦でのジェフは中央が厚かったため外を狙っていた印象ですが、勇人とパウリーニョでは素早くサイドに散らせなかった。
そこを改善するために、健太郎を途中投入したのでしょう。
確かにパウリーニョはパワーがあって、流れに関係のないところで相手からボールを奪って打開できるプレーも出来る。
けれども、流れやパスワークを作るという意味では、やはり健太郎の方が期待できるでしょう。
流れの中からボールがほしいストライカーとしては、健太郎がいたころの方がよかったという考えなのかもしれません。
最終的にはどちらの方向でチームを進めるのか。
勇人も含め3人の主力ボランチにはそれぞれ良さもあって課題もあるわけですから、どういったチームを目指すかで起用法も変わってくるはずです。
その目指すべきチームが曖昧なままだと起用法も曖昧になってしまい、「あの選手の方がいたころの方がよかった」という話にもなってきてしまうように思います。
昨日の話の続きになりますが、これで田中に続いて松田も退団となれば、更に走れて守れる選手はいなくなることになります。
残すところは井出くらいということになるはずで、監督を続投するのであればSHで走れて守れる選手の補強が必要になってくるのではないでしょうか。
もっとも松田の場合、本来は攻撃をやらせてあげたい選手なのではないかとも思いますが…。