現在連勝は3チームのみ 大混戦のJ2
岐阜戦での敗戦で8位まで落ちたジェフとしては、プレーオフ出場圏が今後の目標となるのでしょう。
しかし、J2は今年も混戦模様となっています。
残り4試合となったJ2の順位を、改めて確認していきましょう。
上位チームでは、現在2位の磐田が2連勝中で9戦負けなし。
3位福岡も4連勝中で8戦負けなしと勢いに乗っており4位以下を引き離していますので、ここから大きく順位を下げることはないだろうと思います。
首位大宮がここ4試合で2敗2分と低迷しており磐田とは勝点差2、福岡とも勝点差6となっていますので、磐田と福岡はここからの逆転も狙える状況です。
昇格を狙う他チームとしては、プレーオフ時には3位のチームに息切れしていてほしいと願うところではないかと思います。
上位3チームも混戦模様ですが、プレーオフ出場圏争いも混沌としています。
特に5位長崎以下は、僅差で多くのチームがせめぎ合う状況。
プレーオフ出場権を勝ち取ることも重要でしょうが、4位C大阪もバタバタしており最近4試合で1勝2敗1分と波に乗り切れていない状況を考えると、5位で終わってプレーオフ初戦をC大阪と戦いたいという思いもあるのではないでしょうか。
もちろんC大阪を上回って、プレーオフ初戦をホームで戦えればそちらの方が良いのでしょうが。
改めて、上位から中位の順位を確認したいと思います。
6位東京Vから15位群馬まで、勝点差10の大混戦。
勝点 得失点差
1位 大宮 76 32
2位 磐田 72 23
3位 福岡 70 14
4位 C大阪 63 20
5位 長崎 57 11
6位 東京V 57 8
7位 愛媛 56 2
8位 千葉 54 8
9位 北九州 52 0
10位 熊本 50 -2
11位 岡山 49 5
12位 徳島 49 -5
13位 札幌 48 -1
14位 金沢 47 4
15位 群馬 47 -16
残り4試合ということを考えると勝点10差をひっくり返すのは難しいでしょうが、8位ジェフとしては二桁順位まで下がる恐れも出てきました。
現実的には混戦状態も踏まえて考えれば、プレーオフ争いは10位熊本あたりまでということになるのかもしれません。
ただし、ここで重要なのは、4位以下のチームで連勝しているチームが北九州のみということ。
その北九州も2連勝で3節前のC大阪戦では負けていますし、それだけ現在勢いのあるチームが少ないと言えるでしょう。
そのためここからの4試合で連勝してしまえば、どのチームにも一気に順位を上げられるチャンスがあると思われます。
首位の大宮も4戦勝なしですから、現在J2で連勝しているチームは磐田、福岡、北九州のみ。
それだけ実力伯仲な展開とも言えますが、それよりもどこもピリッとしてない印象を受けます。
プレーオフ出場圏のラスト2枠は、"本命なき争い"となっている印象があります。
中段以降唯一の連勝チームということで、J1ライセンスのない北九州が今年もカギを握るのでしょうか。
そんな中で、ジェフは日曜日に札幌ドームで札幌と対戦します。
札幌もここ2試合で痛恨の2連敗。
プレーオフ出場圏争いから、大きく後退してしまいました。
札幌は開幕直前に半月板損傷の大怪我を負った小野伸二が、6月から復帰しています。
現在はトップ下のレギュラーとしてプレー。
10月4日の東京V戦で札幌加入後初ゴールを決め、10月10日の金沢戦でも2試合連続ゴールを決めています。
現在の札幌は3-5-2のフォーメーション。
監督が変わったこともあって、CFをめがけたロングボールだけなく、小野を中心としたパスワークも展開。
やはり小野が入ると、イマジネーションあふれる攻撃が増えていきますね。
守備では攻め込まれると、5-2-3のような布陣で守る格好。
サイドがウイングバック1人となるため、FWがサイドに開いて相手SBも見るような約束事ということでしょうか。
5バックでスペースを消して、相手が後方にボールを下げたら前3人でグッとプレスをかけていく狙いだと思います。
攻守に小野を中心としたシステム、ということではないかと思います。
攻撃ではトップ下に小野を起用し前にFW2人を置くことで、司令塔としての役割を期待し。
守備では小野の守備範囲を限定して、負担を軽くする狙い。
小野のようなエキストラキッカーを活かす方法の1つとして、興味深い戦術ではないかと思います。
しかし、小野を中心としたパスワークが出来ているものの、スルーパスのターゲットが内村しかいない状況も多い印象で。
小野のパスワークは相変わらず優雅で魅力的なものだと思いますが、自身が前に鋭く飛び出すというタイプではない。
それだけに前への勢いという点で、課題が出てしまうところがあるのかもしれません。
また守備においても、どうしてもサイドで後れを取ることが多いように思います。
FWが完全にサイドに開いて後方まで守るというわけではないようですから、そこで数的不利が作られてしまう。
ジェフからすれば、そこが1つ狙い目ということになるのかもしれません。
札幌は前々節磐田に0-3で大敗すると、前節は大分に0-2で敗戦。
2戦合計で5失点を喫していることになります。
前節大分戦では前半こそ小野を中心としたパスワークで攻撃のリズムを作っていたものの、得点を奪えずに折り返すと後半から大分に主導権を握られ2失点といった展開でした。
ジェフとしては、その札幌の守備の課題をついていきたいところではないかと思います。
しかし、ジェフもここ3戦勝ちなし。
両チームとも、良い状態とは言えなそうです。
ジェフの場合、相手よりもまず自分たちがどういったサッカーをするのか。
もちろん徹底して相手対策を貫くサッカーというのもありだと思いますが、それをするにしても明確なチームとしての意図が必要なはず。
今のジェフはそういった意図が見えない状況になっている印象です。
4月末からハイプレスサッカーがなくなって、長いこと明確な方向性を打ち出せないチームですが。
ここ2,3試合で更にガクッと、チーム状況が悪くなってきている印象があります。
単純に一時的なコンディション不良などではなく、チームとしてバラバラになっているところがあるように思います。
愛媛戦で勝利した直後の福岡戦でいきなり3バックに変えて失敗したという事実は、チームにとって大きなダメージだったのかもしれません。
それによって愛媛戦で得た手応えも放棄したことになり、また一歩後退してしまった。
愛媛戦での手応えも戦術的なものではなく選手個々で頑張って築き上げたところが大きいため、4バックに戻しても一度得た手応えは戻ってこないのかもしれません。
プレーオフ出場圏の可能性があるからまだ気持ちを切らさずにやれているのでしょうが、それがなくなれば一気に崩れてしまいそうな状況ではないかと思います。
そういったチーム、選手の状況はあまり見たいものではないですし、最後までプレーオフ争いに食いついていけることを願いたいところです。
前向きに考えるとすれば、これ以上チームとしての状況が悪化することは考えにくいようにも思いますし、開き直って戦える可能性もある。
残り4試合を短期決戦と考えて、リスタートできれば…と思います。