ジェフ対策を乗り越えられるか
「シティやパリ・サンジェルマンぐらいお金を使うか、もう少しストラクチャー(構造)の部分で見直していかないといけない。でも、選手が気づいていてもこのチームは変わらない。トップの人間が気づく、経営陣が気づく、監督が気づく。そして、選手たちが気づく。同時にファンたちも気づいていかないと。僕はファンの拍手のタイミングを見ていても、勝つことだけに左右されているファンだなと気づく。内容など見ない。勝てば拍手する」(SoccerMagazine ZONE WEB)
ミランの現状に対する本田のコメントです。
自クラブに対して問題発言をしたという話はニュースで知っていたのですが、具体的な中身はチェックしていませんでした。
スポーツ番組で偶然その時の会見を見て興味深い内容だったので、文章を探してみたところ上記サイトが出てきました。
クラブ規模や国は違っても、ジェフも苦しんでいるクラブということで、参考になる部分があるのではないでしょうか。
ファン自身が「自分たちも変わらなければいけない」と思うことはあっても、選手がそれを指摘したという点も貴重なのではないかと思います。
ジェフも予算が十分にあればお金を使って大型補強をし、すぐに結果を出す方向で行けばいいとは思います。
しかし、そこまで莫大な予算があるわけもないし、それならば工夫をしていかなければいけない。
予算がない時のジェフはあえて選手を解雇して、若い選手の成長を促したこともありました。
早期結果だけを考えればベテラン選手を残した方がよかったのではないかと思うわけですが、長期的な視野で考えての判断だったのでしょう。
本田はこの後も"構造"という言葉を使っており、クラブの"構造"に問題があると語っています。
非常に大きな話というか抽象的な印象もあって、具体的にどのような問題なのかはわかりにくいところもあります。
組織図や組織の体系を見直さなければいけないという意味なのか、人・物・金の整理をする必要があるということなのか。
ジェフも親会社からのトップダウンでクラブに大きな影響を及ぼしているのではないかと思われるところがあるわけで、そういった意味では"構造"に問題があるともいえるのかもしれません。
本田の発言に関しては「チャンスがないのがおかしい」という話や「選手に責任があるというのはナンセンス」というコメントもしており、これによってただ自分が試合に出たいのか、選手側の責任逃れのように感じてしまうところがあります。
クラブ全体の問題を指摘するのであれば選手側にも責任があると考えるのが妥当だと思いますし、結果的に話がぼやけてしまっている印象も受け、批判の声が上がっているのも仕方のないところかと思います。
ただ、その考え方に関しては勉強になるところもありましたし、クラブ内部の人間である選手の1人がこういった話をしたことに価値があるのではないかと思います。
さて、試合とは関係のない話をしてしまいましたが、今週末はアウェイ岐阜戦です。
岐阜は現在20位で、入れ替え戦圏内にいる大分との勝点差は4となっています。
今後ジェフは順位の近い中位チームとの戦いが続きますので、大分戦に続き取りこぼしたくない相手と言っていいのではないでしょうか。
天皇杯を含めると、今季3度目の対戦となる岐阜。
サッカーに関しては基本的に大きく変わっていない印象です。
守備では前からのプレスでボールを奪いに来て、攻撃ではカウンター狙い。
プレスがうまくはまれば、自分たちのリズムで戦えるチームということではないでしょうか。
しかし、そのプレスが掻い潜られると、下がっての守備ではボールサイドに寄りすぎて、他に穴ができることが多い。
ジェフに似通った状態のチームと言えるのかもしれません。
1-2で敗れた前節長崎戦では、エースである難波をベンチスタートにしました。
好調なレオミネイロの得点力を活かすため、ドリブラーでチャンスメイクのできるジウシーニョとの2トップにして、ブラジル人同士のコンビネーションに期待したといったところでしょうか。
この2トップを継続してきた場合、スーパーサブ難波にも注意しなければいけませんね
前節ホームでの大分戦を、2-2の引き分けで終えたジェフ。
1失点目はサイドを持ち込まれたところから後方で展開され、フリーで縦パスを出されて失点。
2失点目も一度戻されたところから逆サイドのクロスで失点と、これまで残してきた課題が出た展開でした。
そして、1点を返すものの5-4-1で守られ、攻撃の形を作れない状況になってしまいました。
一度戻して展開されるパターンと、逆サイドをターゲットにされるパターンというのは、毎試合のようにやられていますし相手に狙われているのではないかと思います。
また、早い時間帯から5-4-1で守られて苦しむという形は前々節福岡戦でも同様の展開になりましたし、大分はその福岡戦を見てやってきた可能性があるのではないでしょうか
大分方面では早い時間から守りに入ったことに関して批判の声も上がっているようですが、実際ジェフはそこから攻撃の形がほとんど作れませんでした。
ボランチから縦に展開できないジェフですから、ボランチには自由に持たせてOK。
そこから左右への大きな展開が今季のジェフの狙いの1つとなるはずですが、5バックで守ればサイドへのスライドでの遅れが少なくなり展開されても問題は起きない。
サイドからの攻撃が作れなくなったジェフは、FWをめがけたロングボール頼りの展開となってしまいました。
シーズンも終盤になって、他チームによるジェフ対策というものが出来上がってきている印象があります。
そうなってくると、今後のリーグ戦だけでなく一発勝負のプレーオフにおいても不安要素が出てくることになるでしょう。
ジェフ対策がいくつも出来ているということは、それだけジェフの課題がはっきりと出来てしまっているとも言えるのではないでしょうか。
そのジェフ対策に打ち勝つことができるか。
あるいは、確実に打ち勝つまではいかずとも、誤魔化し通すことができるのか。
どちらにしても、ジェフとしては残り越えなければいけない壁だと思います。
攻守において課題の本質は昨年から見えていたものですし、それらを乗り越えられないようであれば例え来季どのカテゴリだとしても、今後に希望は持てないのではないかと思います。
いわば、己との勝負。
それに打ち勝つことができるかどうかが、残りシーズンで求められるところなのではないでしょうか。