高木「立て続けに失点し同じことを繰り返してしまった」
群馬戦後のインタビューより。
前節北九州戦でも連続失点をしてしまいましたし、連続失点は気になるところではあります。
4月に行われたC大阪戦でも70〜80分の間に一気に3失点を浴びていますし、偶然というだけですまされないのかもしれません。
実際の試合でも一度やられてしまうと、そこからガタッと崩れるところがある印象です。
公式サイトの文章だけでは話の流れがわかりにくいですが、高木はこの後「チームとして戦っている姿を見せたかった」と話しています。
この連続失点の原因も、メンタル的な課題が大きいという考えなのでしょうか。
簡単にメンタルといってもさまざまな見方、種類があるとは思うのですが、失点してしまうことで自信を失ってしまうという部分はあるのかもしれません。
先日も話した通り、現在のジェフは相手を選手が囲い込んで、相手を潰しに行く守備が多い印象です。
リトリートして綺麗に守るというよりも、最終的に個人技でボール奪取を狙う、あるいは跳ね返すといった形ではないでしょうか。
それだけに個々のマーキング、ボール奪取能力というのが極めて重要になっている印象ですが、失点することによって厳しく潰しに行くところで不安や迷いが生じ、マークが甘くなる部分があるのかもしれません。
また、単純に失点をすることで、頭が真っ白になるというか、棒立ち状態になってしまう選手が多いところも見受けられます。
これも組織的に守るというよりも個人の判断で守っているため、いざ何か問題が起こるとどのように動いていいかわからなくなるという部分があるのかなと思います。
組織的にタスクが明確になっているのであればどういった状況でもそれをこなせばいいということになりますが、現状だとパウリーニョを中心に自分の判断で守るチームになっている部分があるのではないでしょうか。
ただ、メンタル的な課題だけで片付く問題でもないように思います。
例えば北九州戦での連続失点は、2失点目が奪われたことによって前掛かりになり、その裏を取られた流れでした。
単純な「気持ち」という意味では「前へ行こう」という前向きな姿勢がアダとなった形とも言えると思いますし、メンタル的に落ち込んだことによる失点ではなかったようにも受け取れます。
北九州戦での1失点目も前掛かりになって、守備への意識が遅れたところからやられたもの。
そう考えると、今季のジェフは前掛かりになった時に、後方のリスクマネジメントができていない。
連続失点も点をとられたことによって取り返そうとする姿勢が、強くなりすぎてやられた部分も少なくないように思います。
それは「賢く戦えていない」ということにもつながるのではないでしょうか。
群馬戦の序盤でも風が強いのにもかかわらず、何度もロングボールを蹴って相手のボールをプレゼントしていたような状況でした。
1失点目の直後も相手が得点を奪って調子を上げてきた時に、時間を使って勢いを削ぐような戦い方ができておらず、素直に群馬の攻撃を受けてしまった。
それによって、2失点目をとられてしまった印象もなくはありません。
金沢戦でも感じたことですが、ジェフは爆発力があるけれどそれ以外の時間帯は苦しんでしまう傾向にあり、その差を大きく感じるところがあります。
基本的に勢いに乗っている状態で戦えているときは良いのだけど、そうではない状態での時間の使い方が下手だということが言えるのではないでしょうか。
そういった部分も含めて、賢く戦うという部分が欠けている印象があります。
戦う姿勢や強い気持ちも大事だとは思うのですが、むしろ状況に応じて冷静に戦うことや時間を使ってじっくり攻めるような選択を増やすことの方が、今のジェフには必要な部分なのではないかと個人的には思います。
気温が上がり体力的に厳しくなる夏場に入ってくれば、さらに「単純に頑張る」というだけでなく賢く冷静に戦う戦術眼的な要素が求められるのではないでしょうか。
これまでも賢く戦うという部分においては課題がある印象のジェフですが、今季はさらにその点でもう1つなところがあるようにも思いますし、勢いだけではないチームというものを作ってほしいところです。