途中出場のペチュニクが決勝ゴール

 讃岐戦で途中出場したペチュニクが決勝ゴールを決めています。
 これで今シーズン、6ゴール目。
 得点J2ランキングでは4位タイとなっているようです。


 ちなみに現在J2得点ランキングトップは、9ゴールのフォルランとなっています。
 第10節京都戦でのハットトリックが、大きかったようですね。
 夏に退団という話も出ていますが、どういった結論になるのでしょう。



 ペチュニクは派手なプレーはあまりないし、個人でボールを持って打開できるタイプとも違うと思います。
 しかし、ゴール前でのボールの受け方すごくうまいですね。
 これまでの試合でもありましたが、讃岐戦のゴールシーンでもDFの背後をうまく取ってクロスに合わせた形でした。


 また、その後の田代が高い位置で粘ってスルーパスを出した場面でも、ペチュニクの前へ走りこむタイミングとコースが非常によく、スピードに乗ったままシュートまで持ち込むことができていました。
 クロスに対してもスルーパスに対しても、うまく飛び出せる選手と言えるでしょう。
 このシーンでのシュートは惜しくもバーに当たり、ぜひあれを決めてトドメを刺してほしいところではありましたが。
  


 どのようなボールでも受け方において明確な"型"を持っている印象があり、ピンポイントでそこにボールが来ればシュートまで持って行ける選手だと思います。
 シュートまでの明確なイメージを持って、プレーができるということなのかもしれませんね。
 そのためピンポイントクロスを上げられる中村との相性が、非常に良いいうことが言えるのではないでしょうか。
 今季は特にアーリークロスからチャンスが作れている印象があるのも、なかなか外をえぐれていないという問題もあるのでしょうが、ペチュニクがうまくゴール前に飛び出せているからという部分もあるように思います。


 身長189cmであり高さを生かしてのヘディングシュートもありますが、右足でも左足でもシュートを狙える技術も持ち合わせている選手でもあると思います。
 それによって、ゴールを狙えるパターンも多い印象があります。
 それもあって、ここまで6ゴールという成績に結び付いているように思います。



 森本も動き出しで勝負するタイプではありますが、相手との駆け引きにおいてはペチュニクの方がうまい印象があります。
 特に相手DFとの間合いを取るのが得意で、大事なところでスッと相手のマークを外すことができていますね。
 森本はペチュニクより単純なスピードはあると思うのですが、相手を外しきれないことも多く裏を取りかけても潰されてしまう場面も少なくないように思います。
 このあたりは、ペチュニクから学ぶべきことも多いのではないでしょうか。


 オナイウも横浜FC戦、東京V戦、讃岐戦とそれぞれチャンスはありましたが、決めきれずに終わっています。
 オナイウの場合はポストプレーや守備など細かな仕事には課題があるので、攻撃面で見せてほしいという思いは強いわけですが、ここまでは苦戦している印象です。
 逆に2年目でプロの試合にも慣れてきて、細かな仕事もこなさなければいけないという思いも強くなって、攻撃に集中しきれない部分もあるのかもしれませんが。




 森本、オナイウにそれぞれ課題が見られ、特に得点面で苦労しているところがあるので、ペチュニクの重要性は高まっているように思います。
 特に讃岐戦ではペチュニク投入までチャンスが作れなかったので、結果的にますますペチュニクの存在感が際立って見えてしまいました。
 しかし、一方でペチュニクはスピードなどがある選手ではないため、前線で前から追う仕事には課題があるように思います。


 特にハイプレスが弱まって前線の選手の守備範囲が広くなったため、よりFWのチェイシングが重要になっているところがあるでしょう。
 そこを今後どう埋めていくのかが、気になるポイントの1つですね。
 SHなどで起用すれば守備タスクは限定されますが、ペチュニクの得点力を期待するのであればFWの方がゴールに集中しやすいということ頃もあるかもしれませんし。
 その他のFWが期待できる状況なのであればSHでも良いように思いますが、現在のジェフはそこに課題がありますしね。



 またそれと関連しているところはあると思いますが、連戦終盤では疲れが見えていた部分もあったように思います。
 29歳とベテランの域に差し掛かる選手ですし、日本の環境にまだ慣れていない部分もあるかもしれません。
 それに加えてFWが広範囲を守る守備組織になってきたことで、余計に負担が増え始めているように思います。
 今後は日本の湿度の高い夏がやってくるわけで、その時にどれだけ走れるかといった問題も出てくる可能性があるでしょうね。
 

 ペチュニクとその周辺を今後どのように整備していくかが、ゴール前においては非常に重要になってくるかもしれません。
 讃岐戦のように後半途中から昨年のケンペスを思い出させるような起用法をしていくことも可能かもしれませんが、ケンペスのようにパワープレーなどで生きるタイプではないでしょうから、本来はスタメンで使いたい選手なのではないかと思います。
 そのためには特に守備面で、ペチュニクに負担を与えすぎない形を作りたいところではないかと思います。
 現実的に考えると森本や町田あたりが走って、ペチュニクの守備範囲を限定させてあげる形がベストと言うことになるのでしょうか。