山口慶の現役引退セレモニー

 昨日は試合に関してまとめたかったので、あえて別エントリーで。
 22日のジェフ対山形戦の前に、山口慶の引退セレモニーが行われました。
 ピッチにボールで13の文字を作り、昨年のユニフォームを飾った状態で山口慶が登場。
 雨の中、スーツ姿で挨拶をしていました。


 ジェフのFacebookには練習試合の投稿とともに、引退セレモニーの写真も掲載されています。
 公式サイトでもアップされるかと思っていたのですが、そちらでは取りあげないのですね。
 現役引退記念フォトフレームに関してはしっかり宣伝しているのにセレモニーに関してはレポートがないというのは、ちょっと残念に感じてしまうところがありますが。



 予想通りではありましたが、慶らしく淡々とマイペースに、かつしっかりと自分の言葉で話していたのが印象的でした。
 慶の良さはそのマイペースさにあるのではないでしょうか。
 周りにどんな選手がいてもぶれない、どんな指導者の下でも自分の出来ることをしっかりとこなす。
 それは当たり前のように思えて、とても難しいことなのかもしれません。


 その点が評価されて、昨年はキャプテンの重責を任されたのでしょう。
 ジェフは昔から真面目で優しい選手が多い傾向があるせいか、どこか周りに左右されてしまう選手が多い印象があります。
 近年でいえば非常に大きな影響力を持っていた山口智にゆだねすぎてしまう傾向にあったり、それ以前からもスタジアムの雰囲気に流されて出来不出来の波が大きかったり…。


 そんな中で、慶のような存在は貴重だったのではないでしょうか。
 昔ジェフには要田という選手がいましたが、彼もまたひたむきに黙々と練習をこなす姿がオシム監督に高く評価されていました。
 慶にもそれが言えたのではないかと思いますし、ぜひとも今後のジェフでもそういった選手が出てくることを期待したいところではないかと思います。



 引退セレモニーを開催できたこと、これまでサッカー選手として応援してもらえたことに感謝を述べた後に、「1つだけお願いがあります」と切り出し「これからもサッカーをJリーグをジェフを愛してください」と話していました。
 これも慶らしさが出た、良いコメントではないかと思います。
 自分よりもジェフを、ジェフだけでなく、Jリーグやサッカーを。
 シンプルですが、心に残る言葉だったように思います。
 ジェフを愛するためにもJリーグ全体のことを、そして、サッカーのことをもっと愛していきたいですね。


 挨拶後には握手を求めるサポーターに対して、笑顔で1人1人対応していました。
 その後は放送ブースに入ってグッズ紹介までしていましたが、引退セレモニー後の選手とは思えないほどリラックスしたお話をしていましたね。
 「しっかり挨拶できてよかった」とも言っていましたが、ファンやサポーターとしてもこうして慶の言葉を直接聞けたのは、とても良い機会だったのではないかと思います。
 移籍での退団ではなく、現役引退となれば選手にとっても一生に一度きりの大事な節目となるわけですしね。



 挨拶では、「サッカーからは離れる」という話もしていました。
 サッカー界とは別の仕事に就くということになるのであれば残念な思いもありますが、慶ならばどんな舞台でもぶれずに自分のペースでやっていけるのではないでしょうか。
 寂しくなりますが、新たな舞台での活躍をお祈りしたいと思います。