新年のご挨拶とこれまでのオフに関する感想

 あけましておめでとうございます。
 年末に怒涛の移籍情報がアップされたジェフですが、さすがに年が明けてからは静かな状況ですね。
 新体制発表会もありますしまたその時に合わせて新加入選手が発表になるかもしれませんので、それまでは表立った動きはないということでしょうか。


 ただ、少なくともこれまでの流れだとそれなりに補強できたポジションもあったとはいえ、DFラインに関しては3人も選手が抜け獲得したのは新卒選手のみといった状況ですから、全体のバランスとしてはあまりいい状況ではないようにも見えます。
 無論今後も動きはあるのでしょうが、退団した3選手のうち2人はレギュラー選手だったわけですし、世代交代を考えつつもそれなりの補強をしていかなければいけないように思います。
 もともと最終ラインの選手層は決して厚くはなかったですし、噂されている山村だけでは厳しいように感じなくもありません。



 これまでのオフを振り返ると、山口智の退団、山口慶の現役引退、ペチュニクパウリーニョの獲得、そして水野の加入と大きな動きがありました。
 それぞれ1つ1つは話題性もあって、センセーショナルな動きだったと思います。
 しかし、さすがにJ2も6年目ということもあって、それらによっての大きな期待も、逆に落胆もすることもなくなりました。


 例えばペチュニクに関しても現役スロベニア代表で名門レッドスターの選手であり、動画を見ていてもセンスを感じますし、どんなプレーをしてくれるか楽しみではあります。
 しかし、2010年に獲得したミリガンもオーストラリア代表ですし、2012年にはセリエAからレジナルドを獲得したこともありました。
 話題性で言えば2011年のオーロイ、ゲッセルの長身コンビ獲得もあったし、2013年のジャイールも動画を見る限りでは大きな可能性を感じました。
 前回のオフこそ新外国人獲得はなかったものの、それまでのジェフはJ2に落ちてからも実績も期待感もある外国人選手を補強してきたと言えるでしょう。


 けれども、期待通りに活躍してくれたケースは少なかったと思います。
 結局近年で安定した戦力として一番計算できる外国人選手は2年間かけて育ててきたキムのような気もしますし、基本的にはやはりジェフの選手としてピッチに立って実際にプレーを見るまでは、何とも言えないところがあるように思います。


 それよりも現時点で気になるのは、やはりチーム全体におけるバランス。
 また、それ以前にどのようなチームを目指すのかといった、チームの方向性。
 そして、クラブとしてどのような未来を描くのかといった、クラブのビジョン。
 それらが重要であり、そういったものをフロントだけでなく強化部、チーム、監督、選手、そしてサポーターと、どれだけ共有できるのかという部分が大事ではないでしょうか。



 例えばとして、水野の獲得に関しては以前も言ったように、単純なチーム強化という意味では疑問が残ります。
 2列目には多く選手がいるわけだし、昨年終盤右SHは守備専でやっていた上、水野は今年で30歳とすでにベテランに差し掛かる年齢です。
 結果的に入れ替わりで25歳の大塚が退団となってしまいましたし、井出などもいることを考えれば戦力的に大きなプラスにはならないかもしれない。
 その他のポジションで積極的な世代交代を狙っているように感じるのを見ると、もしかしたら強化部ではなくフロント主導の補強で、話題性などを狙っての獲得なのかなとも思わなくもありません。
 そういった一面も必要なのかもしれませんが、それがもしチームに大きな悪影響を与えるようなことがあってはよろしくないわけで。
 クラブとして共通理解を得られているかどうかが、重要となってくるのではないでしょうか。


 一方で智、慶、竹内が退団したというのは水野の獲得で分かりにくくはなっていますが、世代交代を進めようという強化部の強いメッセージなのかもしれません。
 確かに主力2人が抜けてしまうこと、実力で若手や中堅選手がベテラン選手からポジションを奪えなかったことは、残念ではあります。
 しかし、5年もの間あれだけ監督を頻繁に交代しても最終成績がほとんど変わらなかったことを考えると、違うやり方で大きな変化・成長を促し、現状打破を考えなければいけないという発想が必要になってくるように思います。


 今までのベテランに頼りがちなチームではなく、将来性を考えたチーム作りをしていかなければいけない。
 そのような強化部の考えなのかもしれませんし、それに対してどれだけ多くの関係者が理解を示してくれるかが重要になってくるかもしれません。
 …もっともこれだけうまくいっていないのですから、そろそろ関係各所も自然と考えを変えなければと思わなければいけない時期に来ているように思うのですが。



 とはいえ、世代交代を成功させるためには、ベテランの放出だけでなく有望な若手・中堅選手の確保が必須と言えるでしょう。
 そこに関してはまだまだ不十分と感じますし、それを今オフの後半でどれだけ埋められるのか。
 J2に降格してから長年ベテラン重視の構成をしてきてたしわ寄せがそこに出てきてしまっているようにも思うわけですが、だからといって安易にまたベテラン選手で穴埋めをしてしまってはこの負のスパイラルからは抜け出せなくなってしまいます。
 そこで我慢して、有望な若手・中堅選手を集められるかどうか。
 当然どのチームもそういった選手は欲しいところで簡単ではないでしょうが、何とか頑張ってほしいところだと思います。


 今後ケンペスなども退団となれば、来年は大きく主力選手が入れ替わる可能性もあるかもしれません。
 そういった大きな変化を求めるということは、現チームに満足していないということなのではないかとも思います。
 個人的にはJ1に上がって戦えるチームが目標ということになると思いますし、そのためには現在よりもより数段の力を付けての昇格を目指したいところでしょうから、大きな変化は望むところだと思います。
 もちろんそれゆえのリスクはあるでしょうが、その勝負に勝てるかどうかということになります。


 結局は己との勝負、内との勝負。
 予算やハコはあるのに我慢できなかったり甘さが出たりして崩れるクラブですから、今のジェフには何よりもそこが求められるところと言えるのかもしれません。
 それが今季のみならず、今後の大きなテーマということになるのでしょうか。



 遅ればせながら、今年もこんな感じでうだうだとやってきたいと思います。
 よろしくお願いします。