"夢"を"現実"に変えるシーズンを期待して

 今シーズンもお騒がせいたしました。
 今年も残念ながらジェフのJ1昇格はならず。
 来年ジェフはJ2で6シーズン目を迎えることとなります。


 Jリーグが制作した今季プレーオフのキャッチコピーは、"夢と絶望の90分"。
 若干の違和感を感じ通津、納得できるフレーズかなとも思いました。


 確かに今年でJ2生活も5年目。
 降格してからというもの、毎年ほぼ同じような成績・順位で終え、あと少しのところでJ1昇格を果たせずにいます。
 そういったクラブにとって、J1昇格というのは"夢"なのかもしれません。



 けれども、例えJ1に昇格できたとしても、"夢"は"夢"で終わるものではなく、クラブにはその先があるはずです。
 毎年1年でJ2に落ちてしまうクラブ、それもかなり厳しい成績で降格してしまうクラブがあるわけですから、"夢"が成し遂げられたとしてもそれで終わりではありません。
 翌年J1で戦える力を付けなければ、"夢"は"悪夢"に代わってしまうかもしれない。
 それでは例え"夢"をかなえたとしても、クラブにとって本当の意味での成功とはいえないかもしれません。


 ですから、しっかりとJ1で戦うということを、"現実"と見据えて戦っていかなければならないはずです。
 本当の強さを身に着けて、J1で戦うことが真の目標となってくるのではないでしょうか。
 そのためには、ジェフ関係者がより高い志を持って、新シーズンに挑まなければいけないように思います。



 プレーオフ敗退に発表された島田社長の挨拶を読むと、監督の名前が何度も出てきます。
 けれども、クラブの長期的なビジョンや目標などがまずあって、監督を選定し、戦っていくというのが理想とする形ではないかと思います。
 監督に全てを頼るようでは本当の意味でのクラブの安定した成長とは言えず、そのような発想があるからころころと監督が代わってしまうのではないか…とすら思います。


 しかし、一方で今オフの動向をみると、ジェフの強化部は世代交代に向け大きく舵を取ろうとしているようにも思います。
 安定感を望んでの現状維持ではなく、シーズン終盤のチームを良しとはせずに、新たな可能性、さらなる成長を目指す方向を選んだのではないかとも思いますし、その意欲は非常に重要なものではないかと思います。
 実際、シーズン終盤は勢いこそあったものの、内容は決して安定感のあるものだったようには思いませんでしたし。


 けれども、一方でチームの勢いの重要性というものを感じたシーズンでもあったように思います。
 その勢いを作り上げたのも、サポーターの雰囲気によるものが大きかったのではないでしょうか。
 言い方を変えればサポーターがチームを良いようにも悪いようにも変えてしまう可能性があるということを、改めて感じられたシーズンでもありました。
 それを忘れずに、来季の戦いに向かいたいところではないかと私は思います。



 多くの主力選手の入れ替えがあるということは、チームの成長だけでなく、チームにおける危機感を煽る上でも重要ではないかと思います。
 選手だけでなく、関係者も含めて、さらなる高みを目指す意欲を保つことが出来るかどうか。
 J1を"夢"ではなく"現実"に戦う舞台として、想定できるかどうか。
 ぜひともそのレベルのチームになれることを期待して、来シーズンを迎えたいところではないでしょうか。


 今年も1年ありがとうございました。
 様々なことがあって個人的にも多少疲れを感じた1年ということになりましたが、来季こそは良いシーズンになることを祈りたいと思います。