レッドスターからスロベニア代表ペチュニク獲得

ネイツ・ペチュニク選手の加入について(ジェフ公式サイト)


 ジェフがレッドスター所属のスロベニア代表ペチュニク獲得を発表しました。
 東欧の選手ということで、長束恭行氏が様々な情報をTwitterでアップしてくださっています。
 ジェフサポが長束さんにお世話になるのも久々ですが、09年にはジェフのフロントも長束さんに協力を仰いでいたそうで、その時にもペチュニクがリストアップされていたそうです。
 ただ、今回はそれとは関係なくこれでジェフが欧州路線に復帰というわけでもなくて、代理人側からの売込みがあったのではないかということです。


 Qolyにもペチュニクの経歴が書かれています。
 ミリノヴィッチ大先生は、現在スロベニアの代表コーチをしているんでしたね。
 また、名前で検索すれば、多くのプレー動画もチェックすることが出来ます。


 長束氏がつぶやかれたTwitterでの内容に関しては、Togetterでまとめさせていただきました。
 要点をまとめてみるとこんな感じでしょうか。
・FWやトップ下、ウイングなどでプレー
・189cmの長身で、ドリブルやラストパスなどのテクニックもあるアタッカー
・当初は福岡移籍のうわさが出ていたものの一転してジェフに加入
・ズベズタは経営難に陥っており、ペチュニクの年俸12万ユーロ(約1700万円)が払えなかった
・大宮FWズラタンも同様の経緯で移籍しており、その成功に倣っての移籍か
ペチュニクのインタビューによると3年契約でセカンドトップかトップ下をやる


 実績も十分にあり非常に楽しみな選手です。
 大宮のズラタンも成功しており、それに倣った形での補強というのはかなり賢いやり方なのではないでしょうか。
 代理人が入ってどれだけかかったかはわかりませんが、年俸などのも安くつくのかもしれません。


 しかし、それにしてもJリーグでの成功はまだない選手に、3年契約というのはかなり長いですね…。
 ジャイールとは2年契約をして失敗して今年は売却することも出来ず、外国人枠的にも予算的にも問題が起こって、他外国人選手を補強できなかった部分があるのではないかと思うだけに、結構なチャレンジではないかと思います。
 それだけ良い選手ということで考えているのかもしれませんが、もっとも最近の東欧系選手というとフルゴビッチになると思いますが、それも失敗に終わって半年で退団しています。
 フルゴビッチボスニア代表で名門ハイデュク・スプリトのキャプテンということで、かなり期待は高かったですからね。
 それだけリスクマネジメントは重要だと思うのですが。

 

 いろいろな動画などを見ていくと、FWで起用されるときはボールに合わせるのが上手い選手で。
 2列目などで使われるときは、仕掛けやスルーパスが期待できる選手といった感じでしょうか。
 あくまでも動画は良いところを集めているわけで、大枠でのイメージとして判断すべきでしょうが。


 特にラストパスの質などを見ていると、単純に「うまい」というだけでなく、周りが良く見えている印象があります。
 テクニックがあるだけでは効果的なラストパスを出せないですし、ラストパスを出せるセンスと言うのは非常に重要なことだと思います。
 ジェフで言えば、大塚などにそれが言えるのではないでしょうか。



 しかし、現在の日本のサッカーだと、トップ下の選手にビルドアップ能力を必須とするチームがが少なくないと思います。
 海外のチームでは個人能力でビルドアップを作り上げてしまう傾向が強いためトップ下の選手などは仕掛けに専念する場合も多いと思われますが、日本では複数の選手が絡みショートパスをつないでゲームを作る傾向にあります。
 そのため、なかなか2トップシステムなどが機能しないことが多いのでしょう。


 昨シーズン関塚監督が就任してからのジェフも、なかなか効果的なビルドアップが作れなかった。
 そのために当初は出場機会も多かった大塚が、フィットしなかったという部分が大きいのではないかと思います。
 仕掛けの質、ラストパス・シュートの精度などにおいて大きな課題がある町田ですが、それでも町田を起用し続けたのはビルドアップ面において大きく貢献できる選手だからだと思います。
 町田を使わなければ、ビルドアップが成立しなかったと言えるのではないでしょうか。



 あくまでも動画を見た感想や、FWもこなせること、東欧系のFW・MFであることなどからイメージするとということになりますが、ペチュニクも町田のようにいろいいろなところに顔を出して、ビルドアップに貢献するタイプではないように思います。
 そういった意味でジェフではFW登録と言う事なのかもしれませんし、そうなってくると大塚同様に現状のままだとトップ下での起用は難しい部分があるかもしれません。
 SHでもプレーできるかもしれませんが、今季終盤のジェフは右サイドに守備力を期待し、もう一方の谷澤はタメを作り中村を活かしつつ仕掛けるという形になっていました。
 そうなると谷澤の代わりと言うことになるのかもしれませんが、それならばやはり中央で効果的なプレーを期待した方が良いような気もします。


 長束さんの情報などからすると、チームとしてはトップ下で期待しているのかもしれませんが、実際にはFW起用になる…なんてこともあり得るのかなと思わなくもありません。
 あるいは、ペチュニクのトップ下起用を成立させるために、他のエリアで昨年以上にビルドアップをしっかりと構築することができるか。
 その点で獲得の噂のあるパウリーニョに期待している可能性もあるのでしょうが、昨年も途中までは兵働がボランチだったわけで、それでも大塚のトップ下は成立しなかったわけですから、パウリーニョ獲得だけでそれを期待するというのは難しいでしょう。



 個人的にはジュニオールのような縦に速いドリブラーだとか、チョン・テセのような前に強いフィジカルのあるFW、あるいは大津や永井のようにスピードのあるアタッカーを獲得するのかなと思っていました。
 ようするに、グイグイと1人でゴールを狙っていけそうな前線の選手を。
 ペチュニクも能力は高い選手なのかもしれませんが、単独で仕掛けていってゴールまで狙えるタイプというより、周りを上手く使って、あるいは周りに使われて活きる選手なのかなと思わなくもありません。


 そうなってくると、当然周りとの連携や組織力、中盤の構成力などが重要になってくることでしょう。
 そこがペチュニクを活かせるかどうかのポイントとなっていくのでしょうか。
 ペチュニクをトップ下で起用できるようになるのなら、今季終盤まったく出番のなかった大塚あたりもまた戦力になる可能性が出てくるかもしれませんし、町田にビルドアップを頼らなくても良くなるかもしれません。
 そこは今シーズン終盤における1つの大きなテーマだったと思うだけに簡単ではないかもしれませんが、来季真剣に取り組んでいく必要が出てきたということなのかもしれませんね。