山村、パウリーニョ獲得へ ケンペスは退団か

 今年は気乗りがしないのですが、来週から今年を振り返るエントリーをアップしたいと思います。
 その前に退団、補強などのニュースが出ていますので、そちらを拾っていきます。


 なお、千葉日報にて山口智に関して良い記事がアップされていますので、軽くご紹介だけしておきます。

一喜一憂せず、厳しい言葉も投げ掛けた。「感じたことを口にして、信頼関係を築くのは大事なこと。正直、それがないから勝てないんだろうと思う」と話したこともあった。自分から発言するタイプの少なかったチームで、積極的に声を上げ経験を伝えてきた。

 特にこのコメントは大事なのかもしれませんね。



【J1昇格PO】千葉3年連続POで敗退…鹿島DF山村獲りへ(報知)
 「関塚監督だし柏から鳥栖にレンタル中の谷口か山村にオファー出すんじゃない?」と友人に話していたのですが、本当に山村獲得に動くようです。
 山村は関塚監督が、ロンドン五輪監督時代に起用していた選手。
 しかし、当時はボランチ起用していて、大学・ユースなどのサッカーファンを中心に批判の的となっていました。


 山村は確かに足元の技術があって、高さやサイズもある選手。
 けれども、少なくとも当時は球際の強さには課題があった。
 加えて、ボランチとしてはボールの引き出し方が上手くなく、縦のコースが空いてもボールを出さないなど消極性が見られ、バックパスばかりになっていた印象です。
 にもかかわらず、関塚監督がボランチ起用にこだわっていたため、反発の原因になっていたという印象が強く残っています。



 実際、ロンドン五輪本戦直前までキャプテンを任されるなど期待されていた印象でしたが、本番ではレギュラーから外されました。
 2012年に加入した鹿島でも、ボランチとしてではなくCBとしてプレー。
 12年、13年共に一時はレギュラーを獲得するなど活躍していました。
 しかし、今年は若い昌子、植田と若いCBの台頭もあって、出場機会が激減。
 今季リーグ戦でのスタメン出場は、2試合のみとなっています。


 そういった状況を考えれば、移籍を考える可能性も十分ありえるでしょう。
 一度レギュラーの座を奪いかけていたからこそ、本人にはこのままではいけないという思いもあるのではないでしょうか。
 しかし、鹿島にはCBの3番手として青木がいるものの、中田浩二が引退を発表した上、ACL出場も控えている。
 加えて昌子、植田は共に来年のアジア杯予備登録メンバーに選ばれているなどフル代表選出の可能性もあるし、植田はU-21日本代表のレギュラーでもあります。
 それでも山村を放出して、新たなCBを補強する形とするのかどうか…。



 もしジェフが獲得したとして考えると、関塚監督ならボランチの可能性も否定はできませんが、普通に考えればCBとして計算すべきではないかと思います。
 ボランチでは苦しみましたが、CBとしてはビルドアップ能力の非常に高い選手。
 球際の厳しさはもう1つな印象もありますが、高さもある選手だと思います。
 契約満了が発表された山口智もジャンプ力はありましたが、敏捷性に課題があったため上手く競り合えないシーンが昨年から目立っていました。
 特にクロスボールへの対応は非常に大きな課題でしたので、山村が入ってその点などへの解決が期待されるのではないでしょうか。


 ただ、このままキムが残留してくれればキムは不動のレギュラーで、その相方候補に山村などが上がるのではないかと思いますが、キムの相方として相性がいい選手なのかどうか…。
 智の後継者にはカバーリングが出来て、ラインコントロールが得意なタイプのCBがいいのではないかと思っていたのですが。
 しかし、関塚監督のスタイルで考えれば、多少引いて守っても後方で跳ね返せるCBコンビというのが良いのかもしれませんね。


千葉、中盤強化で川崎F・MFパウリーニョを獲得スポニチ
 一方で栃木から川崎にレンタル中のパウリーニョは、ジェフの獲得が濃厚となっているようです。
 以前にも報道があり松本も獲得に動いているという話だったのでJ1チーム希望なのかなと思っていましたが、金銭面でジェフが上回ったということでしょうか。
 パウリーニョに関しては、以前ブログで取り上げた通りです。


 キム、山村のCBコンビで来季も深めに守ることになるのであれば、中盤などにはまたカバーリングの長けた選手が必要になってくることでしょう。
 パウリーニョにそこまでのカバーリング能力を期待していいものなのかどうかが、まず気になるところです。
 また来季の構想ということで言えば、パウリーニョの相方をどうするのかも重要だと思います。
 健太郎・勇人のコンビは高さやボール奪取という面では課題もありましたし、パウリーニョの攻撃面を引き出すためにも高く、強いアンカーが必要になってくるのではないかと思うのですが、そこにカバーリングも期待するとなると補強も悩ましい部分が出てくるかもしれません。



 一方、同記事にはこのような文章も。

また、チーム最多13得点を挙げたFWケンペスは契約満了で退団することも判明した。

 ケンペスに関しては、J1に上がってもそうでなくとも、退団だろうなと思っていました。
 昨年はJ2得点王に輝いた選手ですから、現状の立ち位置に満足しているとは思えない。
 すでに32歳とベテランの域ですし、もう一花咲かせるためにも新たな所属先を考えるというのが妥当でしょう。


 一方でジェフとしても決して安くない年俸だと思いますし、新たな外国人選手を補強するためにもケンペスとはお別れを選択することになるだろうなと思っていました。
 関塚監督のサッカーを考えても、攻撃陣の打開力というのは極めて重要だと思いますし、新たなFW補強を目指すことになるのではないでしょうか。
 ケンペスに関しては、正式に決まったら改めてコメントしたいと思います。


コーチングスタッフ退任のお知らせ(ジェフ公式サイト)
 武藤覚コーチ、大塚俊介フィジカルコーチの退任が発表になりました。
 大塚コーチは2012年からジェフに加入。
 ジェフは当時からコンディション面に苦しむことが多かったですが、ベテランが多い選手構成もあってフィジカルコーチとしても苦労が多かったのではないかと思います。
 後任には鹿島、川崎、ロンドン五輪で関塚監督と一緒だった、里内コーチの名前があがっています
 里内コーチもジーコ日本代表監督時代は、チームがフィジカル面に苦労し厳しい意見も多く出ていました。
 07年にはジェフレディースの監督を務めていましたから、ジェフ復帰ということになりますね。 


 武藤コーチに関しては今年加入したスカウティング能力に長けたコーチということで来季も残るのかと思っていましたが、関塚監督の意向もあったのでしょうか。
 江尻コーチも育成タイプの指導者だと思いますし、個人的には戦術面で監督をサポートできるようなコーチが必要なのではないかとも思います。
 単純に考えると川崎時代のコーチだった高畠氏なども考えられるのかもしれませんが、高畠氏はJ-22選抜の監督でU-21代表コーチにもなりましたのでさすがに難しいでしょうか。



 しかし、鹿島・五輪つながりで山村、待望の大型ボランチ、そして長年共に戦ってきた里内コーチと、かなり関塚監督シフトが強まりそうですね。
 ちょうど山口智あたりとの契約が切れて、動かせるお金が増えるオフになったということも大きいのかもしれませんが。


 監督の要望通りの選手構成・チーム体制を築き上げることは、非常に重要だと思います。
 一方で監督の要望を優先することがクラブにとって必ず正しい道とは限りませんし、監督の意向と共にクラブとしてのビジョンも重要なはずです。
 しっかりと強化部と監督が話し合って、チームの方向性を考えていってほしいところだと思います。