互いにプレーオフを控えて中2日での天皇杯

 リーグ戦最終節が終わったばかりですが、本日は天皇杯山形戦が行われます。
 山形はリーグ戦を6位で終えて、J1昇格プレーオフ進出を決めています。
 最終節東京V戦は1-2で敗れていますが、東京V戦まではリーグ戦3連勝。
 第41節ではプレーオフ初戦で対戦することとなった磐田を2-0で制すなど、調子を上げてきていました。
 現状で考えれば、不調に苦しむ磐田よりも山形の方が、波は来ているのかなとも思います。


 ただし、一発勝負ですから何があるかはわからないし、磐田は個人技での一発のあるチーム。
 そして、山形には天皇杯が残っているため、過密日程も控えているということになりますね。
 ジェフにとってもプレーオフ初戦は免除ということになりますが、それでも最終節から中2日での試合。
 プレーオフ決勝で対戦する可能性がある両者が天皇杯で対決することにもなったわけで、お互いにやりにくさはあるでしょう。



 石崎監督は東京V戦後に、このようにコメントしています。

石崎信弘監督「次、(天皇杯準決勝で対戦する)ジェフは3位になったんですよね。プレーオフの準決勝がないんですよね。そういう中で、ジェフも次の試合がない分、かなりのメンバーで来ると思いますし、自分たちはできることというのは、今日起きたことをしっかり反省して天皇杯で戦っていくというところ。」(J's GOAL

 まず、ここまで天皇杯を控え組で戦ってきたジェフがどう出るのか。
 プレーオフ初戦免除ということで山形と異なり週末の試合はなくなったとはいえ、それでも最終節讃岐戦から中2日での試合はつらいものもあると思います。
 しかも、この試合は長居での開催ということで、移動による疲労なども考慮しなければいけません。 
 シーズン終盤で怪我などを抱えている選手もいるかもしれませんし、今回も無理はしないのではないかと思います。


 一方の山形はプレーオフ準決勝も控えているため、より日程は厳しくなります。
 石崎監督のこのコメントを読むと、大幅にメンバーを変えてくる可能性も十分あるのではないでしょうか。
 そうなってくるとプレーオフ決勝で当たる可能性を想定して、この試合を準備に当てるというのは難しいかもしれませんね。



 山形の場合、特にディエゴあたりは変えの効かない選手ではないかと思います。
 今季から山形に加入したディエゴはシーズン序盤は期待通りのプレーとはいきませんでしたが、シーズンが進むにつれて身体も絞れコンディションも良くなっていき、攻撃だけでなく守備でも貢献できるようになりました。
 ディエゴを1トップにおき、山崎、川西を2シャドーにして、攻撃時はディエゴがポイントを作って2人を走らせる。
 特にカウンター展開でディエゴがキープしてチャンスメイクをし、2人が飛び出す形が大きな武器になっているように思います。
 石崎監督が柏で実施したフランサシステムのような関係で、前に構えるディエゴを他選手が追い抜くことでギャップを作って、相手のマークをずらす狙い。
 そして、そこがダメなら、中央を警戒させておいてサイドを使う…といった組織的な攻撃を、築きあげている印象です。


 一方で守備でも、前3人が積極的にプレスをかけに行きショートカウンターを狙う。
 運動量豊富に動き回っての積極的なプレスは、石崎監督らしさが出ていますね。
 また以前「プレーオフ出場候補での3バックは大分くらいではないか」と話してしまいましたが、山形も3バックに変更していました。
 そのためジェフとしては、うまく3バックにプレスに行けるか、3バックをどう打開するかが、気になるポイントの1つになると思います。
 守備面では先ほど言ったディエゴと周囲への対策がとれるかどうかが、対山形という意味では重要でははないかと思うのですが、天皇杯ではディエゴを休ませるかもしれませんね。
 その場合は、ロメロ・フランクや萬代あたりがスタメンになるのでしょうか。



 ジェフに関してはここ数試合見ても、選手たちの動きは10月ほどは良くなく、コンディションは下降気味なのではないかとも思います。
 森本、ケンペス、町田など前線の選手は元気かもしれませんが、中盤の選手たちには疲労も感じます。
 特に幸野、井出など若手選手たちに元気がない点が気になりますね。


 天皇杯でも結果が出ればチームに弾みがつくという部分もあるかもしれないし、相手に苦手意識を与えることも出来るかもしれません。
 しかし、現実的に考えれば、疲れの見える選手たちをしっかり休ませることが、今は先決ではないかと思います。
 手の内を隠すということも、考えられるかも知れませんしね。
 もちろんすべてを隠すのは難しいにしても、実際に現在のチーム状況で本気で戦えば相手に見えてきてしまうところもあるかもしれませんし。



 本来こういった大きな大会でのカップ戦の準決勝まで行けば、メンバーを落とすということはあまり考えられないと思います。
 しかし、こういった日程になっているのですから仕方がない。
 両チームともに天皇杯を勝ち抜くこと以上に、J1昇格を目指すことを重視するでしょうから、難しい選択になるのも当然かと思います。


 そう考えていくとプレーオフの前哨戦…と言いたいところではありますが、そうはならないかもしれません。
 応援する側としてもどう捉えるべきか悩ましいところがありますが、今まで出場機会の少なかった選手たちが来季以降に向けて戦う試合となるかもしれませんし、それぞれの選手たちの頑張りに期待したいと思います。