井出、U-21日本代表合宿を辞退

井出遥也選手U-21日本代表候補 福岡キャンプ不参加のお知らせ（ジェフ公式サイト）

　U-21日本代表合宿に選出されていた井出ですが、横浜FC戦で負傷し合宿事態となりました。
　もともと同じポジションには、元ジェフ強化指定選手で現在は負傷中の名古屋MF田鍋。
　今回はU-19代表に専念するということで選出されなかったC大阪の南野といった錚々たる面々がいるわけで、井出にとって今回の合宿は大事なアピールの機会だったと思います。

　アジア競技大会本戦に関しては山中もいますし、「1クラブ1選手」の約束通りなら井出が選出される可能性は低かったかもしれません。
　けれども、その先の将来まで見越して考えると、代表に選出されるチャンスもどれだけあるかわかりませんし、非常に残念ですね。
　しっかりとメンタル的なケアも、してあげてほしいところではないかと思います。

　横浜FC戦では後半32分に交代したわけですが、その前に負傷していましたので、そこまで無理をして引っ張る必要はないのではないかと思いながら試合を見ていました。
　それだけ井出への評価は高いのだろうなとも感じましたが、まだ若い選手をあそこで潰すようなことがあっては、それこそ大問題ですしね…。

井出遥也「痛めた右膝に気持ちが行っていて、正直、今は試合のことは詳しく覚えていないんですけど、今日はやっていて相手のボランチの脇にスペースがあったので、（大岩）一貴くんが高い位置を取って何回かクロスまで行ったり、自分も含めて他の選手がシュートまで持って行ったりした中で、最後の質の部分がちょっと欠けてしまったかなと思います。」（J's GOAL）

　試合後にはこんな話もしていましたから、余計に心配になります。
　ああいった場面では選手自身が無理だと判断することも大事ですけど、まだ若くジェフにも代表にもアピールしたい時期だったはずなだけに、ベンチももっと早く判断してほしいところだったのではないかと。

　確かに現在の井出は乗っていると思います。
　ボールを持って仕掛けるプレーもキレがあるし、それに合わせて自信もついてきている印象です。
　加えて戦術的にも、2列目の選手が自分でボールを持ち込んで仕掛けるというのが、重要な要素ではあるのでしょう。

　特に横浜FC戦のように相手が引き気味な状況であれば、ますますドリブルでの仕掛けというのが大事になってくるんでしょうし、そうなってくると田中はタイプが違う。
　山中も前で受けるよりも裏へ飛び出すプレーが得意な選手ですから、そのまま井出の代わりにはならなかったのだと思います。
　しかも、横浜FC戦は井出が外から中に入って行く動きが効果的だったので、ますます他にいない状況だったのでしょう。
　だから大塚を起用していっそ大きく変えてみようと4-3-3にしたけれども、これがうまくいかなかったということになりますね。

　ただ、試合全体の流れはそこまで悪くなかったのですから、タラレバではありますけど単純に田中や山中を投入してサイドでプレーさせてもよかったのではないかと思ってしまいます。
　大塚はトップ下で使うのであれば、カウンター状況でないと現状は難しそうです。
　遅攻状態だと中央からのパスワークで戦うには、どうしても細かな連携面が必要になってきますが、今のジェフにはそれがない。
　例えばとして、どうやってくさびのパスを出し、FWが受ける動きをして、どこにポストでボールを落として、そこから攻め込むのかの形が見えてこない。
　サイドならシンプルにSBを押し出す形などが出来るでしょうけど、中央のマークが厳しい状況ではパサー単独ではどうしようもないところがあると思います。
　カウンター状況であれば、攻め残っているFWの後ろから一発のスルーパスでチャンスを作る展開も出来そうですが、現状だと遅攻では中央突破は難しい状況になっていると思います。

　井出に関しては、もともと身体的に恵まれたタイプではなく、体も出来きれていない印象がなくもありませんから、ますます怪我などに関しては心配になってしまいますね。
　もし長期離脱ということになれば、井出本人にとってももちろん残念ですが、チームにとっても非常に大きな損失となります。
　あるいは怪我でなくても、ここ数試合の井出の勢いを止めることになってしまう可能性も考えられるかもしれない。
　そこに幸野のレンタルでの加入も決まりましたから、井出にとってはますます逆境となることになるのでしょう。

　ともかく、まずは大きな怪我でないことを祈りたいと思います。
　そして、まだ若い選手なのですから、どんな状態であれ焦らずにしっかりと治してほしいところではないでしょうか。