勇人「前への守備をやり続けたことが結果につながった」
ジェフの公式サイトに、勇人や町田のコメントが掲載されています。
2人とも同じように「前への守備」が出来たことに、触れていますね。
実際、攻守において前に出ていけて主導権を握れていれば、良い流れでサッカーができるというのはあるのでしょう。
岡山戦や京都戦の前半もそうだったと思いますし、東京V戦の後半もそこまで内容は悪くなかったと思います。
高い位置でボールを奪えるケースは多くないにしても、相手の出所を抑えてコンパクトに戦えている時間帯は、セカンドボールを拾う回数も増え、ボランチがパスワークに絡むことが出来てリズム良くボールを動かせていることが多い。
その前に出ていく状況を作るためにも、相手を押し下げることが重要で、昨日話したケンペスの"重石"としての役割が重要になっている印象ですが。
…まぁ、前に出ていける状況でも、相手のカウンターは怖いですけどね(笑)
ただ、ここ数試合はキムが良いプレーを見せていて、神戸戦でも相手の裏を狙う動きに対して並走して走り勝ったシーンがありました。
ミリガンなどもそうでしたが、前に厳しくいってスピードのあるDFはその分どうしてもミスが目立ってしまうことも多い。
けれども、そこを怖がって深く守ってばかりでは、全体が前に出ていけず攻守にリズムが作れないですしね。
最近毎週放送されている「スーパーサッカー」でのオシム監督でのインタビューでも、「CBが非常に大事なポジションであること」、そして「スピードあるCBが必要であること」などを強く語っていました。
ちょうどこちらでも、その話が軽くまとめられていましたが。
「日本のDFにはスピードがない。中盤も速くないから守れない。足の速い選手が決定的に足りない。それが日本のハンディキャップだ」
「これからはスピードのある選手の時代だ。走れない選手は使われなくなる」
「若い世代ではテクニックはもちろんだが、スピードのある選手を選択すべきだ。陸上選手のような速さは必要ないがね」
神戸戦でのキムはまさにそれを証明してくれたように思います。
オシム監督は以前フィジカルでは韓国人の方が優れているという話をしていましたし、そういった部分を韓国人選手に期待するというのは良い形なのかもしれませんね。
勇人や町田が話している通り、確かに前への守備は大事だと思います。
しかし、90分間を考えれば、前へ行けない時間帯も考えなければいけない。
失点シーンなどはまさにそれで、ケンペスと町田が相手CBとボランチの間で中途半端にポジショニングをして、その間を取られてしまったところから相手の攻撃が始まりました。
その前までも怪しいポジショニングは気になっていたのですが、2人はパスコースも消せていないし、出所(CB)も抑えられていなければ、後ろ(ボランチ)を後追いできる位置にもいなかった。
しかも、その後の勇人も前に出て行き過ぎて相手にかわされ、サイドに展開されてしまった。
こういった受けに回った守備の時に、どのように対応するかですね。
相手がフリーな状況などで無暗に前に出ていっても交わされてしまうだけですし、バランスというものも大事になってくる時がある。
神戸戦の後半では前からの守備によって、相手のボール回しをサイド(SB)に持ち込ませてケンペスが横(CB)へのパスコースを、田中が前へのパスコースを、森本がボランチへのマークを…と連動して守備に行ったことで、相手がロングボールを選択肢ざるを得ない状況を作れていたことがありました。
このような流れが理想ではありますが、うまくファーストディフェンスが機能せず、押し込まれる時間帯もある。
若く走れるチームなら「前への守備」をやり通すことも経験だし、長く続けられる体力もあるかもしれませんけど、ジェフはベテランが多くスタミナにも課題があるチームであって。
体力的な問題は気温も下がって少しずつ改善されてきているとは思いますが、京都戦のように町田を中心に飛ばし過ぎた結果、周りがついていけなくなった…なんてことも今後またあるかもしれない。
「前へ守備が出来ているときは良い」ということは、逆に言うと「受けに回った時に弱い」とも考えられなくもありません。
神戸戦でもケンペスが退場した以降はがっちりと引いて守って、それでなんとか守り切ったわけですから、そういった部分も忘れずに賢く戦わなければいけないときもある気がしますね。
やはり1失点目にブロックを作っていたところから失点してしまった問題というのはすごく気になりますし、そこは改善点の1つとしてしっかりと考えていかないといけないように思います。