小林可夢偉、モナコで5位入賞

 なんだか、見ていて疲れるレースでした(笑)
 今年はタイヤの落ちが一気にくるので全体の状況把握が難しいのですが、それに加えてモナコではどこで前のマシンに引っ掛かっているのか。
 どこで周回遅れが来るのか。
 そして、どこでトラブルが発生するのかという問題も出てくるので、余計に見ている方にとってあわただしいレースとなりました。



 小林可夢偉で見ると、木曜日から苦戦。
 これまでも新パーツのテストなどでフリー走行でセッティングを合わせられない状況にあったのですが、それ以前にマシンのバンプが酷くタイムが伸びない状態だったようです。
 予選でも苦しみ、モナコの渋滞の影響もあったとはいえ、常時チームメイトのセルジオ・ペレスに前を行かれ、ペレスがQ3に進出したのとは対照的に13位に沈みます。

 
 決勝、可夢偉はあえてプライムタイヤでスタート。
 タイヤの蹴り出しの問題もあってか、ディ・レスタに前を行かれますが、その後は我慢の展開。
 各ドライバーがピットに入っていく状況で、徐々に順位を上げて行きます。
 そして、マッサがハミルトンと絡んだ後に、トンネルでクラッシュしたところで、可夢偉はタイヤ交換へ。
 タイヤ交換中にタイムをロスし、スーティルに先を行かれますが、その後接触しながらもスーティルをパス(この接触で両者に戒告処分を受けますが、ペナルティはなし)。
 この時点で4位に浮上します。


 タイヤには厳しい状況だったと思うのですが、ペースは悪くなく、このままゴールか…と期待したのですが、残り6周のところで多重気味のクラッシュ。
 ペトロフがウォールに激しくクラッシュし赤旗に。
 このまま赤旗でレース終了かと思ったのですが、なんと終了ではなく一時中断。
(この再開に関してはウェバーも「なんで残り5周で再開したのかよくわからない」と話しているようですね。)
 その後、グリッド上でタイヤ交換なども許可されて、ローリングスタート
 小林可夢偉のすぐ後ろにはタイヤを交換したばかりのウェバー、ハミルトンがいて、さすがにウェバーを止めることはできませんでしたが、ハミルトンには抜かれず5位でフィニッシュとなりました。



 優勝はベッテル
 ここまでチャンピオンシップでは独走。
 今回もポールトゥウインとなりましが、レースでは決して盤石とは言えず。
 一時期はバトンにトップを譲りリードを広げられていきましたが、バトンがピットに入ったタイミングでベッテルはピットに入らず。
 1ストップでの我慢のレースでした。
 しかし、逆にそれでも優勝したというのがすごいところですが。
 2位には2ストップのアロンソ、3位には3ストップのバトン。
 バトンは一度目のセーフティーカーの導入のタイミングが悪かったですね…。
 2度目のセーフティーカーもなければ、ベッテルアロンソ、バトンの順で接近戦を演じていたので、面白かったんじゃないかなぁと思うのですが。
 タイヤが厳しい順に並んでいたはずですしね。



 可夢偉にとっては、良いレースだったのも確かですけど、それ以上にホッとしました。
 前レースでは1周目のパンクがあったとはいえ、ペレスが1つ前の9位でフィニッシュ。
 そして、モナコでは予選まで明らかにペレスにタイムで先を越されていました。
 ペレスの調子が上がってきた印象もありましたし、このままではまずい…という状況でのこのレース結果ですから、本当に一安心です。
 まぁ、ルノーの2人は予選で苦しんで、メルセデスGPの2人はやっぱりレースで厳しく、周りがどんどん脱落(自滅?)した中でのレースで、可夢偉的には「凄く良かった」というよりも「いつも通りにこなしたレース」だったのかもしれませんが。



 ただ、予選までは常時可夢偉の前に立っていた好調ペレスは予選Q3で大クラッシュ。
 残念ながらレースには出場できず、直接対決とはいきませんでした。
 可夢偉としては自身のステップアップのためにも、チームメイト相手にしっかりと良い結果を出したい状況なわけで、そういう意味でもペレスのアクシデントは非常に残念です。


 予選でのペレス、決勝でのペトロフと大きなクラッシュがありましたが、両者の怪我が深刻でないことを祈ります。
 そして、可夢偉としては直接対決で、今度はペレスに勝ちたいところですね。


 実は中国から可夢偉は予選でペレスに負けてるんですよね…。
 中国ではペトロフのトラブルで赤旗、トルコでは可夢偉のトラブルで走行できず、スペインではディ・レスタが邪魔で出走できず…などの問題もあったわけですが、今回は確実な負けに近いのかなと。
 まずは、予選での勝負に勝ちたいところではないでしょうか。
 もちろん昨年同様レースよりのセッティングにしているのかもしれませんけど、それでも相手は新人ですしここからのステップアップを考えるためには、頑張らなければいけないところではないかと思います。