徳島戦、注目はオーロイ対エリゼウ

 Jリーグ再開初戦で、FC東京相手に3-0で勝利したジェフ。
 しかし、まだ開幕戦北九州戦とFC東京戦の2試合に勝っただけですから、明日の徳島戦でも結果を残してこの勢いを確実なものにしていきたいところではないでしょうか。


 対戦相手の徳島は、再開初戦で水戸相手に1-2と逆転負け。
 基本的にはショートパスを繋いでいく形で、相手SBの前・ウイングの後をパスワークの起点として、攻撃を作っていくイメージなのかなと思います。
 そこから1トップのFW佐藤がポストだけでなく、斜めに飛び出していく狙いがあったんじゃないかと思います。


 守備に関しては中盤がボールに集まっていく意識がかなり強く、前半はそれが機能して相手の攻撃を抑え込むことに成功していました。
 しかし、後半になって運動量が落ちてくると、そのプレスが中途半端なものになってしまい、水戸が優勢に。
 最後は水戸の気持ちも勝って、試合終了間際に2点目を奪われてしまいました。
 徳島が明日のジェフ戦でも同様のプランで戦うのであれば(プランを変えてくる可能性も否定はできませんが)、ジェフとしては水戸の戦い方が参考になるのではないかと思います。
 中盤の選手たちを疲れさせるためにも、ある程度相手を揺さぶる展開が作れれば…と思うのですが。


 ただ、ジェフも昨年はアウェイゲームで苦しみましたし、逆に徳島は今回ホームゲームですから、両チームのコンディションの変化も気になるところです。
 昨年のアウェイゲームではコンディショニングで苦しんだ印象が強く残っていますし、昨年から唯一コーチとしてチームに残った澁川コンディショニングコーチもチームにとってカギを握る存在なのではないかと思います。



 徳島に関して話を戻すと、基本的な戦術に関しては昨年と大きく変わらないのかなと思います。
 チームの中で一番大きな変化を感じたのは、新加入のDFエリゼウの存在。
 09年にはJ2時代の仙台で全試合にスタメン出場し、J1昇格に貢献。
 昨年は出場機会に恵まれず徳島に移籍となりましたが、非常に能力は高い選手だと思います。
 186cmでジャンプ力もあるだけでなく、元ボランチということで俊敏性や守備での粘りも持ち合わせている。
 水戸戦の後半は中盤のラインも下がってエリゼウも苦しみましたが、前半はしっかりとボールを跳ね返していましたし、オーロイとの対決が楽しみな選手です。



 ただ、オーロイFC東京戦では全3得点に絡みましたが、思い返してみれば流れの中での高さを活かしたプレーが出来ていた場面はほとんどなく。
 1点目はミリガンのロングスローからでしたし、2点目は相手守備陣の集中力が切れたのか完全にフリーでトラップ、前を向いて、スルーパスという流れでアシストが出来てしまい、3点目も相手がパワープレーで守備が緩くなった状態で低空ヘッドからのゴール…という流れでした。
 そう考えていくと、やはりオーロイの高さを活かしたサイドからの攻撃をもう少し作っていきたいところですが、もしかしたらオーロイ不在の試合も考えてあまり高さに依存した攻撃ばかりに偏りたくない…ということなんでしょうか?
 まぁ、それにしても前節のクロスの精度に関しては、非常に残念なものだったと思いますけどね…。


 そういったわけで、現状では注目はセットプレー時の対決ということになるのでしょうか。
 もちろんミリガンのロングスローも含めて(笑)
 この試合でオーロイエリゼウにも余裕を持って勝ててしまうようなのであれば、今期のオーロイの高さは本当に無双状態になるかもしれませんね。



 その2人のマッチアップと共に、試合全体を通して考えると、中盤のせめぎ合いも重要だと思います。
 相手のプレスをかきわけて、チャンスを作れるか。
 スタミナの面で走り勝てるか。
 FC東京相手にも走り負けなかったと思いますし、中盤のサポートがあってこそのオーロイでもあると思うので、徳島戦でもしっかり走ってほしいですね。