クビサ、ラリーで大クラッシュを起こし重傷

 ロータスルノークビサがイタリアで行われていたラリーのレースに出場し、大クラッシュを起こし重傷となっているようです。
 右腕、手、足など複数の箇所を骨折したとチームが発表しており、一部では選手生命の危機とすら報じられています
 少なくとも来月からシーズンがスタートとなるF1の開幕戦には間に合わない見込みで、出術を担当した医師は回復に1年を費やす可能性も示唆したようです。
 状態の詳細を把握するには1週間ほどかかる見込みで、続報が待たれます。



 現在26歳のポーランドロバート・クビサは、06年途中にBMWザウバーからF1に出場するとデビュー3戦目にして3位表彰台を獲得し、F1初年度から高い評価を受けます。
 その後はチームの不振もあって表彰台から遠ざかるも、08年の第2戦マレーシアGP、第6戦モナコGPで2位表彰台に上ると、第7戦のカナダGPでは自身初の優勝を飾ります。
 昨年からはフェラーリに移籍したクビサの友人アロンソに変わる形で(今回アロンソはいち早くお見舞いにも行ったそうです)ルノーに移籍。
 昨年のルノーは資金面などの問題もあってチームの弱体化も心配されていましたが、クビサの実力もあって3度の表彰台を獲得。
 以前から高かった評価をより一層高めたシーズンで、将来のフェラーリドライバー候補とも言われるようになっていました。
 特にモナコGPなど細かなドライビング能力が求められる市街地コースでの走りが際立っており、このあたりは“ラリー仕込み”だったのかもしれません…。


 クビサは以前から大のラリー好きとして知られており、F1デビュー後も何度もラリーレースに参加していました。
 フェラーリなどはリスクを考えライコネンなどにラリーへの出場を規制したこともありますが、ルノークビサとの契約段階でラリー出場を認める条件を与えていたとも言われています。
 こういった規制に関して「フェラーリが厳しすぎるのではないか」という見方もあったと思うのですが、こういったことが発生してしまうと規制したくなる気持ちもわかりますね…。
 これまでに他スポーツで負傷したというドライバーも多く、最近では昨年マウンテンバイクで肩を骨折したウェバーだとか、05年にテニス(バイクという噂も)で骨折したモントーヤなどの例もあります。



 クビサの代わりとしてはリザーブドライバーのブルーノ・セナの名前などが上がっていますが、今はあまりそういったことは考えたくないですね…。
 右手の切断の可能性もあったそうで最悪の事態は免れたとはいえ、心配なことには変わりありません。
 「レースを観ていて楽しい」と思えるドライバーの1人だったと思いますし、少しでも早く回復できることを祈るばかりです…。